WBAミドル級タイトルマッチ
日本人史上2人目のミドル級王座獲得の快挙に敵地ドイツで挑んだ佐藤幸治選手(Koji Sato)でしたが、王者フェリックス・シュトルム選手(Felix Sturm)のシャープなジャブが終始圧倒する一方的な内容の末に、シュトルム選手が7回ストップ勝ちして王座防衛に成功しています。
シュトルム選手の完勝でした。立ち上がりから王者がステップインして放つ鋭く強いジャブが佐藤選手の顔面を弾き続けます。
スピードと回転力を意識したコンビネーションでシュトルム選手のガードの上を叩きながらチャンスを伺うという佐藤選手のプランは見えましたし、それは間違いではなかったと思います。
ただ、シュトルム選手の放つジャブのほとんど全てを、全く反応できない状態で貰い続ける佐藤選手。コンビネーションブローで押し込みかけても一発のジャブを強くクリーンに貰って逆に後退してしまいます。
4回あたりから腫れが目立ち出していた右目がほとんど塞がりかけた7回に、シュトルム選手のボディブローで動きを鈍らせた後に右の強いパンチを浴びてコーナーに詰まった場面でレフェリーが試合を止めています。
ダウンシーンはありませんでしたが、個人的にはもっと早いラウンドで試合を止めても良かったと感じた「ミスマッチ」でした。
防御力の低さというか無さ、が致命的でした。日本人選手の試合を見ていて感じる事が多い、何故こんなにも相手のパンチに反応できずに食ってしまうんだろう、という思いをこの日も抱きました。
世界にも防御の甘い選手、相手のパンチをよく食う選手はいっぱいいます。ただこの日の佐藤選手のように、まったくパンチに反応できずにまともにバチバチ食い続ける、相手の出すパンチほとんど全部をクリーンヒットされる選手ってのは日本人選手によく見られる傾向に思えるのですが、これって何なんだろう・・?と常々不思議ですし、いつも悔しくなります。
シュトルム選手は32勝(14KO)2敗1分。佐藤選手は14勝(13KO)1敗。
試合動画(dailymotion)
ニュース動画
Sturm: Big K.o.-win over sato
Sturm, Balzsay KO foes!(Karl Freitag,Fightnews)
Felix Sturm Defeats Sato In A Huge Mismatch(East Side Boxing)
写真
25.04.2009 Krefeld(Universumboxpromotion)
佐藤、TKOで敗れタイトル奪取ならず(AFP)
佐藤対シュトルム他、直前情報
フェリックス・シュトルム対セバスチャン・シルベスター(2008/11/01)
フェリックス・シュトルム対ランディ・グリフィン(2008/07/05)
フェリックス・シュトルム対ジェイミー・ピットマン(2008/04/05)
フェリックス・シュトルム対ランディ・グリフィン(2007/10/20)
ハビエル・カスティジェホ対フェリックス・シュトルム(2007/04/29)
フェリックス・シュトルム対ギャビン・トップ(2006/12/02)
日本人史上2人目のミドル級王座獲得の快挙に敵地ドイツで挑んだ佐藤幸治選手(Koji Sato)でしたが、王者フェリックス・シュトルム選手(Felix Sturm)のシャープなジャブが終始圧倒する一方的な内容の末に、シュトルム選手が7回ストップ勝ちして王座防衛に成功しています。
シュトルム選手の完勝でした。立ち上がりから王者がステップインして放つ鋭く強いジャブが佐藤選手の顔面を弾き続けます。
スピードと回転力を意識したコンビネーションでシュトルム選手のガードの上を叩きながらチャンスを伺うという佐藤選手のプランは見えましたし、それは間違いではなかったと思います。
ただ、シュトルム選手の放つジャブのほとんど全てを、全く反応できない状態で貰い続ける佐藤選手。コンビネーションブローで押し込みかけても一発のジャブを強くクリーンに貰って逆に後退してしまいます。
4回あたりから腫れが目立ち出していた右目がほとんど塞がりかけた7回に、シュトルム選手のボディブローで動きを鈍らせた後に右の強いパンチを浴びてコーナーに詰まった場面でレフェリーが試合を止めています。
ダウンシーンはありませんでしたが、個人的にはもっと早いラウンドで試合を止めても良かったと感じた「ミスマッチ」でした。
防御力の低さというか無さ、が致命的でした。日本人選手の試合を見ていて感じる事が多い、何故こんなにも相手のパンチに反応できずに食ってしまうんだろう、という思いをこの日も抱きました。
世界にも防御の甘い選手、相手のパンチをよく食う選手はいっぱいいます。ただこの日の佐藤選手のように、まったくパンチに反応できずにまともにバチバチ食い続ける、相手の出すパンチほとんど全部をクリーンヒットされる選手ってのは日本人選手によく見られる傾向に思えるのですが、これって何なんだろう・・?と常々不思議ですし、いつも悔しくなります。
シュトルム選手は32勝(14KO)2敗1分。佐藤選手は14勝(13KO)1敗。
試合動画(dailymotion)
ニュース動画
Sturm: Big K.o.-win over sato
Sturm, Balzsay KO foes!(Karl Freitag,Fightnews)
Felix Sturm Defeats Sato In A Huge Mismatch(East Side Boxing)
写真
25.04.2009 Krefeld(Universumboxpromotion)
佐藤、TKOで敗れタイトル奪取ならず(AFP)
佐藤対シュトルム他、直前情報
フェリックス・シュトルム対セバスチャン・シルベスター(2008/11/01)
フェリックス・シュトルム対ランディ・グリフィン(2008/07/05)
フェリックス・シュトルム対ジェイミー・ピットマン(2008/04/05)
フェリックス・シュトルム対ランディ・グリフィン(2007/10/20)
ハビエル・カスティジェホ対フェリックス・シュトルム(2007/04/29)
フェリックス・シュトルム対ギャビン・トップ(2006/12/02)
よろしくお願いします。
戦績というものは当てにならないものだ、と考えれば不思議でもなんでもないことだと思いますよ。
以前にも書きましたが、戦績でその選手の力量やタイプをある程度推し量る事ができるケースってのは確かにあります。ですが実際にその動きを見てみないことにはその選手の実情ってのは決して分からないものだと思っています。
よく選手を評するのに「戦慄の強打者」とか「鉄のアゴを持つタフガイ」とか「華麗なテクニシャン」といったキャッチコピーみたいなものがありますよね。ボクサーでなければ「美人○○」とかもそうでしょうかw
そのコピーが本当にその選手の特徴を現している場合もあるけれど、実際見てみたら全然違うやん、てことよくありますよね。ケースバイケースなのですが、戦績なんてそんな程度のもの、と私は考えています。
こちらこそ、よろしくお願いします。
ブログ拝見しました。本職の方ですね!
勉強なんてめっそうもありませんです。ハイ
あらためて、竹原慎二ってほんと凄い事をやったんですね。
佐藤選手のタフネスぶりには少し感動しましたが、日本と世界の距離はやっぱり遠いな~って感じの試合でした。
確かにまともにもらいすぎですね。
日本人のミスマッチな世界挑戦ってこういうまともにもらい続ける試合多いですよね。(最近だと戎岡選手、菊井選手等の試合)
プロでも東洋太平洋王座を4度防衛してるので実績としては世界挑戦してもおかしくないのですが
層の厚いこのクラスで強豪王者のシュルトムに挑むには明らかなキャリア不足ですよね
日本のボクシング関係者は毎回ですが、世界挑戦を焦りすぎですよ
自分のジムの選手なので過大評価してしまうのでしょうが
これだけ差があるんだ、という事がはっきりしたというだけでも収穫だとは思います。やらないよりは意味があったとは思っています。
>条助さん
この結果を受けて、東洋でこれ以上やっていても無駄。海外へ出て揉まれる経験が必要、と考えてそれを実行に移す、とかになれば最高なんですけどねぇ。国内と世界との差が少ない軽量級とは事情が違うのですから、外に飛び出していって欲しいです。
>Unknownさん
日本人選手でも川島選手の様に一流のディフェンス力を持つ選手が出てくることはあるので、日本人選手の無防備っぷりってのはトレーニングや防御に関する意識の持ち方に問題があるのでは・・・?との思いが個人的には強いです。
>バルガスファンさん
関係者も佐藤選手自身も試合が厳しいものになるであろう事は十二分に自覚していたと思います。ですが挑戦すらままならないこのクラスで世界王座挑戦のチャンスが巡って来たら飛びつかない人はいないのではないでしょうか。やってみなければわからないボクシングですし。
結果は厳しいものでしたが、挑戦自体に意義はあった試合だったと私は思っています。
>プクーさん
この試合の前に見た、東洋王座戦のアダム・ベラとの試合でパンチ食いまくりだった佐藤選手の姿を見て今回の試合内容が予測できてしまいました。
佐藤選手はジャブを伸ばしながら・・・とかのボクシングではなく、試合開始と共に一気に出るような思い切った策に出てほしかったですね。まあ結果論でしか無いのですが。