ヘビー級10回戦
史上最年少で世界ヘビー級王座を獲得し、ボクシング界の枠を超えたスーパースターとして長らく世界ボクシングの中心であり続けたマイク・タイソン選手(Mike Tyson)の1986年の試合です。
ジェームス・ティリス選手(James Tillis)との10回戦でプロ入り以来20戦目で初めてノックアウトを逃した試合でした。(体格比較)
説明不要の超ビッグネーム、マイク・タイソン選手。
デビューから1年で19戦全勝(19KO)の19歳。長い低迷期に陥っていたヘビー級の救世主としての大きな期待とその圧倒的なパフォーマンスに熱狂する米国の空気が映像からもビンビン伝わってきます。
デビュー14ヶ月目のこの日の試合を久しぶりに見直してみましたが、やはりこの頃のタイソン選手は切れまくりです。
頭をよく振っていますし、律儀に構えるピーカーブースタイル。また、この頃のタイソン選手の体全体を使ったパンチ、上半身の力に頼りすぎていないためにスムーズにコンビネーションで放つことができる迫力満点の攻撃はやはり素晴らしいです。
そしていつ見ても惚れ惚れするタイソン選手のボディブロー。ボディショットで「ウヒョー」と言わせるパンチを放つ選手がどれほどいるでしょうか?相手のジャブを左にダックし、そのダックの際に膝に乗った体重を加速させてぶち込む左フックのリバーブロー。鋭い踏み込みから豪快にわき腹をえぐる右フック。彼以上に凄まじいボディブローを打つ選手を私は知りません。
さらに・・・・とやりだすと、きりが無いのでこの辺でやめときます(はい、タイソン信者ですw)
ただ、この日は後期のタイソン選手によく見られた集中力を欠いたような欠点も見えました。中間距離で不用意に棒立ちになったり、手を出さず頭も振らずに安易に距離を詰める、このような動きをタイソン選手が見せた場面で左フックや右アッパー、右ストレートを出せば意外なほどによくヒットします。
タイソン選手の圧倒的な迫力に最初から逃げ腰になってしまう選手が多かった中、この日のティリス選手はビビらずに自らのボクシングを実行できていました。
ただティリス選手には圧倒的にパワーが欠けていました。
4回などはクリーンなショットを度々決めてティリス選手がラウンドをほぼ支配していたものの、ラウンド終了間際にタイソン選手の左フック1発でノックダウンを喫したティリス選手。
ティリス選手にもう少しパンチがあれば、8回からガクッと動きが落ちて手が出なくなったタイソン選手をもう少し追い詰めるシーンを演出できていたかもしれません。
タイソン選手がそれまでのどの試合よりも多くパンチを喰ったこの日でしたが、それまでと比べれればというだけの話しで、クリーンヒットは圧倒的にタイソン選手が多く、ダメージも皆無の圧勝でした。
彼のような世界を変える選手、出てきませんかねぇ・・・
ただ彼の出現のインパクトを当時体感し痺れ切ってしまった者にとっては、彼以上の選手が出てきてもあの衝撃を越える事は絶対にできないんでしょうねぇ。
・・・ピュアなあの頃が懐かしいですw
2008-10-31 18:19:48
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ボクシング特集を出した時の表紙に使われてましたね。
ボクシングマガジンでは掲載されないような素顔のタイソンの
写真が出ていて嬉しかったのを思い出しました。
この頃のタイソンの出現はセンセーションという言葉が
ピッタリ当てはまったと思います。
その通りです
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/17/97f1cb59be9f918e7294353cb2f40936.jpg
この写真はナンバー誌が提携(?)しているスポイラ誌のサイトより拝借したものです。
http://sportsillustrated.cnn.com/multimedia/photo_gallery/2005/06/13/tyson.history/content.1.html
この頃の「ナンバー」は頻繁にボクシング特集を組んでいて良かったですよねぇ
ヘビー級、中量級、軽量級、それぞれの最強は誰か?とかの企画記事を食い入るように読んでましたよ~
実家に結構な量のナンバーを大量のボクマガ&ワーボクと共に保存していたのですが、今年の夏に久々に帰郷してみたら大量処分されていて涙目でしたw
この頃は白黒ページで結構ゆるい記事も多くて、今にして思えば凄く良い雑誌でしたよねぇ
大相撲の逆鉾関の連載とか好きでしたw