WBCヘビー級タイトルマッチ
昨年10月に行われた試合です。WBC王者ビタリ・クリチコ選手(Vitali Klitschko)が元王者の米国人シャノン・ブリッグス選手(Shannon Briggs)の挑戦を受けた一戦はドイツで行われ、ビタリ選手がワンサイドの12回判定で勝利してタイトル5度目の防衛に成功した一戦でした。
ビタリ選手の圧勝でした。
上体を軽く反らす動きと左ジャブ、触手のように動く左のフック・アッパーで距離をほぼ完璧にコントロール。右を再三クリーンヒットさせた初回から一方的な王者ペースで試合は進みます。
4回開始直後にブリッグス選手が局面を変えようとプレスを強めますが、突っ込んでいってかわされたところにビタリ選手の強く正確なショットを数多く決められた時点で試合の趨勢は決していました。7回には右ストレートで足元を大きく揺さぶられ、その後も全く活路を見いだせずにただただビタリ選手の強打に耐え、やり過ごすことしかできなかった挑戦者。
レフェリー、コーナーがなぜ止めないのか、早く止めろと強く感じた後半戦でした。
CompuBox Stats: V. Klitschko Lands Frightening Numbers
公式のスコアは120-107が2人、120-105が1人というシャットアウト。ノックダウンはなかった試合でしたが、13ポイント差、15ポイント差の大差がついていました。テリー・ノリス対レイ・レナード戦での16ポイント差がついた判定結果を思い出しました(あの時はダウンが2度ありましたが)。
ビタリ選手は41勝(38KO)2敗。ブリッグス選手は51勝(45KO)6敗1分。
ビタリ・クリチコ対アルバート・ソスノフスキー(2010/05/29)
ビタリ・クリチコ対ケビン・ジョンソン(2009/12/12)
ビタリ・クリチコ対クリス・アレオラ(2009/09/26)
ビタリ・クリチコ対ファン・カルロス・ゴメス(2009/03/21)
サミュエル・ピーター対ビタリ・クリチコ(2008/10/11)
レノックス・ルイス対ビタリ・クリチコ(2003/06/21)
シャノン・ブリッグス対スルタン・イブラギモフ(2007/06/02)
セルゲイ・リャコビッチ対シャノン・ブリッグス(2006/11/04)
●ミドル級8回戦
ザウルベク・バイサングロフ対ユージニオ・モンテイロ
ザウルベク・バイサングロフ選手(Zaurbek Baysangurov)が英国に住むポルトガル人ユージニオ・モンテイロ選手(Eugenio Monteiro)に3回終了TKOで勝利しています。
バイサングロフ選手のイージーな勝利でした。立ち上がりはモンテイロ選手のワイルドな攻撃に面食らう感じもあったもののシャープなストレートパンチでペースを掌握。試合開始前から顔が腫れて見えたモンテイロ選手もヤケクソ気味の反撃を返すもののバイサングロフ選手の強烈なボディブローや右クロスで戦意を削がれ、3回終了後にギブアップして試合は終わっています。
バイサングロフ選手は25勝(19KO)1敗。モンテイロ選手は16勝(8KO)14敗。
ザウルベク・バイサングロフ対コーネリアス・バンドレッジ(2008/12/13)
●ヘビー級8回戦
アレキサンダー・ウスティノフ対オゼカン・セティカヤ
アレキサンダー・ウスティノフ選手(Alexander Ustinov)がトルコ人のオゼカン・セティカヤ選手(Oezcan Cetinkaya)にイージーな2回TKOで勝利しています。
200cm、140kgのウスティノフ選手の大きな身体に対し最初から萎縮しているように見えたセティカヤ選手。ほとんどまともな反撃を見せずに後退し必死のガードで己を守ります。
特にどのパンチが効いた、というのはなかったように見えたのですが初回から腰砕けのように3度ダウンを喫したセティカヤ選手。
続く2回に入っても初回の流れは変わらず、この回に2度ダウンを追加された場面でのストップでした。
ひどいミスマッチでした。
ウスティノフ選手は22勝(17KO)。セティカヤ選手は18勝(12KO)8敗1分。
●クルーザー級10回戦
オラ・アフォラビ対サンドロ・シプロシビリ
元暫定王者のオラ・アフォラビ選手(Ola Afolabi)がグルジアからのサンドロ・シプロシビリ選手(Sandro Siproshvili)との10回戦に大差の3-0判定で勝利しています。
打ち下ろしの右ストレートや左右フック、アッパーなどの攻撃をボディ顔面へ次々に浴びせていくアフォラビ選手のスタート。早い決着を目指しているかのようなハイペースで力強いアタックで2回には左フックでグルジア人を効かすなど、立ち上がりのペースを圧倒的に支配します。
しかしシプロシビリ選手のガッツは見事で、3回には再三狙っていた飛び込みざまの左フック(まさにガゼルパンチ)で元王者を驚かせるなど、接近してからのショートパンチコンビでアフォラビ選手をロープに詰めるシーンも度々演出。
一方的なペースながらも最後までしぶとく抵抗を続けたシプロシビリ選手のガッツは見事なものでした。
公式のスコアは100-98、98-92、97-93の3-0アフォラビ。シロート採点99-91アフォラビ。
相変わらずの柔らかな上体を駆使した相手の攻撃を殺すナチュラルな術が見事でした。倒してやろうと強い攻撃を集める場面も最後まで見せていたのですが、グルジア人の頑張りにヤレヤレといった様子の最後でした。
アフォラビ選手は15勝(6KO)2敗3分。シプロシビリ選手は24勝(11KO)7敗。
マルコ・フック対オラ・アフォラビ(2009/12/05)
エンゾ・マッカネリ対オラ・アフォラビ(2009/03/14)
ハービー・ハイド対サンドロ・シプロシビリ(2009/03/06)
昨年10月に行われた試合です。WBC王者ビタリ・クリチコ選手(Vitali Klitschko)が元王者の米国人シャノン・ブリッグス選手(Shannon Briggs)の挑戦を受けた一戦はドイツで行われ、ビタリ選手がワンサイドの12回判定で勝利してタイトル5度目の防衛に成功した一戦でした。
ビタリ選手の圧勝でした。
上体を軽く反らす動きと左ジャブ、触手のように動く左のフック・アッパーで距離をほぼ完璧にコントロール。右を再三クリーンヒットさせた初回から一方的な王者ペースで試合は進みます。
4回開始直後にブリッグス選手が局面を変えようとプレスを強めますが、突っ込んでいってかわされたところにビタリ選手の強く正確なショットを数多く決められた時点で試合の趨勢は決していました。7回には右ストレートで足元を大きく揺さぶられ、その後も全く活路を見いだせずにただただビタリ選手の強打に耐え、やり過ごすことしかできなかった挑戦者。
レフェリー、コーナーがなぜ止めないのか、早く止めろと強く感じた後半戦でした。
CompuBox Stats: V. Klitschko Lands Frightening Numbers
公式のスコアは120-107が2人、120-105が1人というシャットアウト。ノックダウンはなかった試合でしたが、13ポイント差、15ポイント差の大差がついていました。テリー・ノリス対レイ・レナード戦での16ポイント差がついた判定結果を思い出しました(あの時はダウンが2度ありましたが)。
ビタリ選手は41勝(38KO)2敗。ブリッグス選手は51勝(45KO)6敗1分。
ビタリ・クリチコ対アルバート・ソスノフスキー(2010/05/29)
ビタリ・クリチコ対ケビン・ジョンソン(2009/12/12)
ビタリ・クリチコ対クリス・アレオラ(2009/09/26)
ビタリ・クリチコ対ファン・カルロス・ゴメス(2009/03/21)
サミュエル・ピーター対ビタリ・クリチコ(2008/10/11)
レノックス・ルイス対ビタリ・クリチコ(2003/06/21)
シャノン・ブリッグス対スルタン・イブラギモフ(2007/06/02)
セルゲイ・リャコビッチ対シャノン・ブリッグス(2006/11/04)
●ミドル級8回戦
ザウルベク・バイサングロフ対ユージニオ・モンテイロ
ザウルベク・バイサングロフ選手(Zaurbek Baysangurov)が英国に住むポルトガル人ユージニオ・モンテイロ選手(Eugenio Monteiro)に3回終了TKOで勝利しています。
バイサングロフ選手のイージーな勝利でした。立ち上がりはモンテイロ選手のワイルドな攻撃に面食らう感じもあったもののシャープなストレートパンチでペースを掌握。試合開始前から顔が腫れて見えたモンテイロ選手もヤケクソ気味の反撃を返すもののバイサングロフ選手の強烈なボディブローや右クロスで戦意を削がれ、3回終了後にギブアップして試合は終わっています。
バイサングロフ選手は25勝(19KO)1敗。モンテイロ選手は16勝(8KO)14敗。
ザウルベク・バイサングロフ対コーネリアス・バンドレッジ(2008/12/13)
●ヘビー級8回戦
アレキサンダー・ウスティノフ対オゼカン・セティカヤ
アレキサンダー・ウスティノフ選手(Alexander Ustinov)がトルコ人のオゼカン・セティカヤ選手(Oezcan Cetinkaya)にイージーな2回TKOで勝利しています。
200cm、140kgのウスティノフ選手の大きな身体に対し最初から萎縮しているように見えたセティカヤ選手。ほとんどまともな反撃を見せずに後退し必死のガードで己を守ります。
特にどのパンチが効いた、というのはなかったように見えたのですが初回から腰砕けのように3度ダウンを喫したセティカヤ選手。
続く2回に入っても初回の流れは変わらず、この回に2度ダウンを追加された場面でのストップでした。
ひどいミスマッチでした。
ウスティノフ選手は22勝(17KO)。セティカヤ選手は18勝(12KO)8敗1分。
●クルーザー級10回戦
オラ・アフォラビ対サンドロ・シプロシビリ
元暫定王者のオラ・アフォラビ選手(Ola Afolabi)がグルジアからのサンドロ・シプロシビリ選手(Sandro Siproshvili)との10回戦に大差の3-0判定で勝利しています。
打ち下ろしの右ストレートや左右フック、アッパーなどの攻撃をボディ顔面へ次々に浴びせていくアフォラビ選手のスタート。早い決着を目指しているかのようなハイペースで力強いアタックで2回には左フックでグルジア人を効かすなど、立ち上がりのペースを圧倒的に支配します。
しかしシプロシビリ選手のガッツは見事で、3回には再三狙っていた飛び込みざまの左フック(まさにガゼルパンチ)で元王者を驚かせるなど、接近してからのショートパンチコンビでアフォラビ選手をロープに詰めるシーンも度々演出。
一方的なペースながらも最後までしぶとく抵抗を続けたシプロシビリ選手のガッツは見事なものでした。
公式のスコアは100-98、98-92、97-93の3-0アフォラビ。シロート採点99-91アフォラビ。
相変わらずの柔らかな上体を駆使した相手の攻撃を殺すナチュラルな術が見事でした。倒してやろうと強い攻撃を集める場面も最後まで見せていたのですが、グルジア人の頑張りにヤレヤレといった様子の最後でした。
アフォラビ選手は15勝(6KO)2敗3分。シプロシビリ選手は24勝(11KO)7敗。
マルコ・フック対オラ・アフォラビ(2009/12/05)
エンゾ・マッカネリ対オラ・アフォラビ(2009/03/14)
ハービー・ハイド対サンドロ・シプロシビリ(2009/03/06)
両眼の眼下底骨折に腕の腱と筋断裂だとかすごい状態で、不幸中の幸いで
脳内出血は無かったそうですが、その後はどうなったのかな?
圧倒的な実力差に加え、ダメージが大きく蓄積していた7回に試合を終わらせなかったレフェリングに大きく疑問を抱きました。
それにしてもクリチコ兄弟はいつもコンディションがいいですね。この分だとまだまだ無敵で居続けそうです。ヘイでもまだちょっと無理じゃないかな…
あれだけ打たれれば身体のどこかおかしくするのは当然でしょう。tarouさんご指摘のとおり7回で試合を止めていても誰も文句は言わなかった試合だったと思います。
>tarouさん
ブリッグスは本当に古い選手ですからねぇ。息が長いってのとはちょっと違う気もするんですが、私も彼のことは嫌いではありません。
仰るとおり、いつも万全に見えるクリチコ兄弟のここ最近の充実度はスゴイですね。
今のラインアップでどうにかできそうな選手はハッキリ言って皆無でしょうね。ヘイ?話にならん、と私は思ってます。興味は凄くありますが。