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ダンスとか。

ダンス トリエンナーレ TOKYO '06(Eプログラム)

2006-11-04 | ダンスとか
青山円形劇場。
▼ダニエル・デノワイエ/ル・カレデロンブ 『DUOS POUR CORPS ET INSTRUMENTS』
Daniele Desnoyers / Le Carre des Lombes.
「腰方形筋」という名前をもつカナダのグループによる「身体と道具(楽器)のためのデュオ」。といっても女性三人のダンサーが色々と組み替わり、いわゆるデュオには全然見えない。二人のダンサーによるデュオということではなくて、身体と道具(楽器)とがデュオを組んでいるということなのだろうか。背後に音響テーブルがあり、ダンサーたちはそれぞれアンプの上に座ったり、その周囲を動き回ったりするのだが、実際に鳴っているノイズやハウリングのような音と、ダンサーの動きとがどう関連しているのか(関連しているらしいことは、中盤、一人が床に置いた小さな何かの周りで体を動かして音を操作する場面からわかる)、よくわからなかった。バレエ的な動き、そしてステップで見せる部分が多いのが特徴で、キビキビと膝下を払いながらのバックステップが印象に残る。途中で小芝居めいたやり取りもあるがナラティヴがあるわけではない。42分。
▼遠田誠/まことクラヴ 『むつかしはなし』
「本を読む」という行為を、「意識や身体が文字の流れに拘束される」という風に読み替えているところが面白かった。書かれている内容に関係なく、線状の文字の連なりを追い始めた瞬間、目とそれが眼差す平面との関係は固定され、体は外界に対して微妙に散漫かつ無防備になる。そこで、それぞれ本を読んでいる二人が不意に綺麗なユニゾンで動き始めたりアンサンブルを演じたりしてしまう時、観客は意表を突かれる。ダンサーたちは目を使ってないということ、そして耳や背中や足先で互いに通じ合っているというあからさまな事実が、当たり前の体の「別の」使い方、身体と身体を結んでいる「別の」ネットワークの所在、分散した意識(主体)の複数性を示すがゆえに、ドキッとさせられる。後半に向かって徐々に演技性が強くなり、コントに流れてしまったのが残念。34分。2005年12月初演。
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