くろにゃんこの読書日記

マイナーな読書好きのブログ。
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YUKIDOKE

2008年10月11日 | 覚え書とか写真とか日記みたいなものとか
同人誌といえば、晴海のコミケか?と思う私は、そういう時代の人間である。
さて、「YUKIDOKE」は「半透明記録」のntmymさんが立ち上げた同人誌で、WEBによる呼びかけで集まった投稿者によって構成されている、詩あり、小説あり、マンガありのバラエティーに富んだ同人誌だ。
私も自分勝手な理由から寄稿者の1人となっていて、「YUKIDOKE」は6月の時点で手元に届いており、当初は「YUKIDOKE」の記事をブログにアップするつもりでいたが、なんとなく時期を逸してしまっていた。
このところmanimaniさんのブログや、piaaさんのブログで、記事になっているのを目にして、書いてみてもいいかと思い立った。

「YUKIDOKE」の感想を書いてくださっているお二方は、ともによく本を読まれている方たちである。
そういう方の総評であるから、心して読まねばなるまい。
私の作品「つるにょうぼう」を自分なりに評価してみると、「YUKIDOKE」の中では浮いているなと感じたわけで、シナリオとなると読む人もそうはいないだろうと思っていたわけだが、お二方ともきっちり読んでくださっていて、はっきり言って驚いた。
manimaniさんにいたっては、お褒めの言葉さえいただき、恐縮している。
ああ、あとがき、長いですか。
いや~、そこまで読んでいただけるとは、本当にありがとう。

「つるにょうぼう」だが、最近、あらたな発見をした。
アン・マキャフリィ「歌う船」で、ブローンのジェナンは頭脳船ヘルヴァに理想の女性像を与えるが、「夕鶴」のよひょうもそうではなかったかと思い至ったわけである。
実際、「つるにょうぼう」はフェミ的な要素も意識して書いたが、そこのところの理解ができていなかったことで、中途半端なものになっている。
理解できていたとしたら、もっと違った展開をしていたことだろう。

「YUKIDOKE」の他の作品についてだが、皆さん、それぞれの持ち味を持っていて、自分にない才能を持っていると率直に感じている。
好きな作品は「アジュライト」である。
読ませる技術や細かいところへのこだわりなどを抜きにして、作品が持つ雰囲気が好きだ。
piaaさんのおっしゃるとおり、「花曇」は技術的にも優れた良い作品だと思うが、「羽根」も同じ味がした。
作家の個性と言われればそうなのだろが、もうひとつ違った切り口を期待したい。
これは自分に対する戒めでもある。

全体を通して感じたことは、孤独感である。
小説に関して言えば、感情の薄さが目につく。
創作は、深い森に迷い込み、小さな明かりを捜し求めるようなものだ。
誰かに読んでもらうことを前提に置いているが、商業作家ではないのだから、自分の書きたいことをどんどん書いていくことが大事なのだと思う。
要は、楽しめということだ。
産みの苦しみも楽しいではないか。

最後に、「YUKIDOKE」WEB版はこちら
次号「ツルバミ」の寄稿者も募集している。
さらに、私と手を組んでくださる方も募集している。
次号は「木いちごの虫」というトペリウスの児童文学を題材にした人形劇のシナリオを寄稿予定で、挿絵やクラフトで紙面をにぎやかにしたいと考えている。
紙面デザインも凝った合作として「ツルバミ」に載せられたら最高だ。
興味がある方、是非「メッセージを送る」欄から連絡をして欲しい。
首をキリンのように長くして、いや、ろくろっ首のように長くして待っている。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おおっ (manimani)
2008-10-11 23:49:35
「つるにょうぼう」にフェミ的な側面ですか~
あまり感じなかったかも。
むしろモロに男目線の純愛ってものを感じましたね。
新発見の成果も反映して「つるにょうぼうオルタナティヴ」が出来たら読んでみたいです~。。
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どうも~ (nymum)
2008-10-12 06:49:20
くろにゃんこさんにも、感想の記事を書いていただいて、どうもありがとうございます♪
次回作もがんばりたいですね~。
でも、例によって私の進行役としての能力がヘボくてスミマセン; 全然なにも決まってないですよね…アワワ。

あ、私も「つるにょうぼうオルタナティブ」が出来たら読みたいですね~(^^)
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つるにょうぼうオルタナティブ (くろにゃんこ)
2008-10-13 10:18:47
フェミ的な側面は、あとがきでそれとなく匂わせていたんですが、本文でもあまり目立たないようにしています。
確かに、男性目線で見る限り、男の純愛物語というようになるんでしょう。
私の書きたかったことのひとつは、自ら進んで尽くしていることが、当たり前の義務になったとき、逃げ出していくものは何かということです。
それを書いてみたかったために、フェミ的な側面は隠れ、記事で書いたような理解もなかったために中途半端なものになってしまいました。
manimaniさんも、piaaさんも男性ですし、男性のほうがロマンティックな気持ちをいつまでも失わないかなと思います。
だから本文でも、男は鶴の帰りを待つのですね。

オルタナティブを書くなら、まったく違った男の行動を立てなければならないので、大幅にストーリィを見直さなければならないでしょう。
今、書くことは考えていませんが、雷に打たれるような直感が働けば、書くこともあるかもしれません。
まあ、気長に待ってください。

「ツルバミ」がんばりましょう。
ね、ntmymさん。
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