ブログに書き込むのもずいぶん久しぶりになってしまった。
3月は行事が目白押しで、とにかく忙しかった。
洗濯機は壊れるし、踏んだり蹴ったり。
洗濯機が壊れると、洗濯物がたまる。
たまったらコインランドリーへ出かけるわけで、最近のコインランドリーが清潔で、手洗い品もふとんも洗えることにひとしきり感心して利用すること1週間。
ハンパない洗濯物の量なので、時間もお金もかかってしまう。
洗濯機って、大事な生 . . . 本文を読む
ジャネット・ウィンターソン「灯台守の話」を読んだのは、先々月だったか。
評判どおり面白く、アクの強さが控えめななかにも、充分ジャネット・ウィンターソンらしい伝説と幻想と現実の狭間が描かれていて、どなたにもオススメできる一冊だと思いました。
もうちょっとウィンターソンが読みたいな(アクの強いやつをね)と思って、読んでいなかった短編(?)が所収されているアンソロジー、文学のフロンティア「愛のかたち」を . . . 本文を読む
新しい認識を得たとき、雷に打たれたような衝撃とパズルがはまっていくような理解していく感覚を覚えたことはないだろうか。
そして理解した後は、後戻りをすることは許されない。
グレッグ・イーガン「万物理論」は、まさにそういう小説である。
まるで映画を見ているようなスリリングさと周到な構成をみせるこのSFは、なんといってもイーガンなので難しい。
理論物理学なんて、とてもじゃないけどついていけないので、その . . . 本文を読む
「世界ふしぎ発見」というTV番組は、割合好きでよく見る。
数ヶ月前のことになるだろうけれど、ロンドンの特集をやっていて、ロンドン塔で二人の王子が行方不明のままで、シェイクスピアが2人の王子を殺害させたのはリチャード三世だとして稀代の悪人像を作り上げたと言っていた。
そう言われると、どんな悪人なのか知りたくなるのが人情というもの。
シェイクスピアは読みたいと前々から思っていたけれど、どれから読むべき . . . 本文を読む
久しぶりにガッツリした小説を読みました。
アトウッドは私の大好きな作家でもあるし、「昏き目の暗殺者」がそれまでの長編小説の集大成のような印象を持っていたため、次はきっと違うもので勝負を挑んでくるはずだと確信しておりましたので、期待と不安が入り混じった気持ちでこの本を手に取りました。
本書は、史実に基づいたフィクションです。
1843年7月23日カナダで、出目がスコットランドの貴族階級にある独身の . . . 本文を読む
第43回日本翻訳出版文化賞受賞作。
このような賞の存在すら知りませんでしたが、過去の受賞作を見てみるとなるほどなぁというラインナップです。
わはは、「パミラ」読んでるぞ。
サーズデイ・ネクストではつまらないランキングに数えられていた「パミラ」も、あの訳あってこそ、面白く読めるというもの。
「ノーベル文学全集」、これはぜひ全国の図書館にあって欲しい。
作家概要やらなにやら、とっても参考になるのですよ . . . 本文を読む
前回の記事で、ちらりと触れた人形劇の新作は「そらまめくんのベッド」に決まりました。
数種類のお豆さんが活躍するかわいらしいお話で、ミクロな世界を表現します。
なんといっても、大きさの基本がそらまめ一粒ですからね。
絵本に使われている言葉のユニークさを出せるかどうか、難しいところですが、今回は、あらたな人材育成に努めようと、わたくしシナリオ課業から足を洗うことにいたしましたので、そのあたりの心 . . . 本文を読む
しばらく更新していませんでしたので、その間に読んだ本をちらりと紹介。
新聞の日曜版でも紹介されていて、目をつけていたドーキンス「神は妄想である」を図書館の新刊コーナーでみつけ、ホクホクしながら帰ったのもつかの間、なかなかこの本が読みにくく進まない。
なにが読みにくいのかといえば、日本語が難しいのであります。
ドーキンスですから理論的であってしかるべきで、小説を読むようにはいかないのは当たり前なんで . . . 本文を読む
現在読書が好きな人は、きっと過去もそうであったに違いない。
小学校や、中学校、高校の国語の教科書のなかに、
思い出深く残っているものがきっとあるはずだ。
自分がそうだからという、いたって自分本位な論理である。
今も昔も場所は違えど静岡県に住む私は、子供の使っている教科書に
自分が習ったタイトルをいくつか見つけることが出来る。
蜘蛛が風に乗って移動するという題名は忘れたけれどもそんな内容の話や、
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トリスタンとイゾルデを聞いたことがないという人はいないんじゃないでしょうか。
オペラが好きなら先ずワーグナーが頭に浮かぶだろうし、
アーサー王伝説のひとつとして知っている人もいるでしょう。
ゲームに登場する名前として聞いたことがあるかもしれない。
とにかく有名であることは間違いないありませんね。
私の場合、少女時代に観た世界の昔ばなしを扱ったアニメ番組がこの物語との出会いでした。
黒い帆と白い帆の . . . 本文を読む
ブックオフに出かけると岩波文庫から探し始めるというのが最近の私の傾向で、それはギリシア古典があったら購入しようというのが魂胆なのですが、先日出かけた際に購入したのは「イギリス名詩選」と「みずうみ」でした。
全然ギリシアと関係ないですね(笑)
「イギリス名詩選」は、図書館で見つけたときから手元に置いておきたいと思っていたからなのですが、「みずうみ」は、なんとなく気になって買ってしまいました。
時々あ . . . 本文を読む
趣味が読書と堂々と宣言できる人なら、一度くらいは本の中に入ってみたいと思うもの。
本の世界に浸りたいと言うんじゃなくて、言葉どおりの意味で本の世界に飛びこんじゃうってこと。
そんな読書家の夢を叶えてくれるのが、いや、その気にさせてくれるのが、
このサーズデイ・ネクストシリーズ。
1作目ではメロドラマの大作「ジェーン・エア」のなかに入り込み、2作目では不気味な危険地帯ポー「大鴉」での戦慄の恐怖体験、 . . . 本文を読む
私はダメ男が好きである。
が、これは物語のなかだけのお話。
実際に目の前にダメ男がいたらムカつくにちがいないのだけれど。
エマニュエル・ボーヴは、そんなダメダメな男を描く、一級品の作家であると思う。
前作「ぼくのともだち」では、友達を作りたいと願いながらも、結局は独りよがりで失敗ばかりを繰り返す、そんな男でありましたが、その内面と行動を微妙なユーモアと哀しさで表現する、静かな小説でありました。
文章から感じ取る素描画のような静けさ、そのなかに存在する小さな音、小説から醸し出される雰囲気が私には魅力で、「きみのいもうと」もその心地よさに浸りながらあっという間に読み終わってしまいました。 . . . 本文を読む
何を隠そう、これが初村上春樹でございます。
翻訳モノっていうのが私らしいでしょ。
村上春樹といえば、カフカ賞を受賞されたそうでなにかと話題ですが、そのせいでしょうか、カフカの記事へのアクセス数がとても多いです。
私の記事でお役に立つかどうかはあやしいですが。
. . . 本文を読む
以前、図書館の文学講座に出席したという記事を書きましたよね。
そこに海外文学を扱うことはあまりないと書いてしまいましたが、あれは私の勘違いというか、認識が至らなかっただけのようで、今月もあった文学講座ではギリシア文学を取り上げていました。
パノス・カルネジス「石の葬式」を読んだことでもあるし、出てみて損はないと思って出かけることにしました。 . . . 本文を読む