以前紹介した「魂をはこぶ船―幽霊の13の話」と同じシリーズの本書ですが、「魂をはこぶ船」がそれほど有名ではない幽霊たちのお話であったのに対して、本書では、よく知っている名前が出てくるというのが特徴です。
文学というのは、それぞれの国の歴史が少なからず反映されてくるものですよね。
本書では、その文学の原典といえる昔話が文学的な飾りつけなしで読むことができます。
ドイツの人々は、このようなお話を聞いて育ったんですねえ。 . . . 本文を読む
児童書が続きますが、私、児童書を読むことに抵抗を感じません。
性別が女ですので、児童書コーナーをうろうろしていても恥ずかしくないし、変にも思われないですからとてもラッキー。
児童書なんて子供の読むものと思っている人も多いでしょうが、大人が読んでも十分に面白いというものもあるんです。
このアルテミス・ファウルも、なかなか面白いシリーズですよ。 . . . 本文を読む
「しゃばけ」シリーズ第4弾。
相変わらず病弱な廻船問屋の若旦那と妖(あやかし)たちの人情推理ファンタジー。
でも、今回は、ミステリーっぽさが薄れて、もっと人物像が深まったという感じかな。
本書も連作短編集なわけで、前作、前々作に登場したおなじみの人物や妖が登場して、嬉しいことこの上なし。
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お待たせしました(って、待っている人がいるのか?)
ゲド戦記Ⅴ「アースシーの風」です。
外伝は置いておくとして、これが正真正銘の最後の書です。
前作「帰還」から数えること11年、その続編として出版されました。
「さいはての島へ」で、ゲドとアレンが黄泉の国に赴き、世界のほころびを繕ってから20年ぐらいが経過しています。
故郷の島で日々を静かに過ごしているゲドのもとに、まじない師ハンノキが訪れます。 . . . 本文を読む
さて、ゲド戦記Ⅲ「さいはての島へ」です。
壮年(50歳ぐらいかな)となったゲドは魔法使いの長、大賢人になっています。
そこへ、エンラッドの王子アレンが現れ、世界に不吉な兆しがあることを告げます。
真実の言葉が失われ、魔法が使えないまじない師がいるというのです。
ゲドはアレンを伴い、力の失われる原因を突き止め、世界の均等を正すための旅に出かけます。
今回、成長を期待される少年アレンは、統治者とな . . . 本文を読む
ル・グウィンといえば「ゲド戦記」ですよね。
皆さんよくご存知だと思うんですけど、私は読んでいなかったんです。
「ロカノンの世界」「闇の左手」は、どちらも好きな作品で、両方ともエクーメン関連のSF。
だから、次読むなら「所有せざる人々」「風の十二方位」かな、と思っていたのですが、いろいろとありまして、「ゲド戦記」を先に読むことにしました。 . . . 本文を読む
実を言いますと2部3巻から3部3巻までなのですが(3部は5巻まであります)、とりあえず、読みましたので書いておきます。
デルフィニア戦記Ⅰ部についてはこちら、第2部についてはこちらをどうぞ。
あんまり、たいしたこと書いてませんが。
公爵家の反乱を無難に収めた国王とリィでしたが、
次にやってきた問題はなんと国王の愛妾問題。
国王の娘という立場にやっと慣れてきたリィには、
お隣の大国タンガから結婚を . . . 本文を読む
とりあえず、順調に読んでます。
第Ⅰ部では、国王がデルフィニアの主権を見事取り戻しました。
第Ⅱ部では、国王に不満を持つ、公爵家が、国王失脚を試みようとします。
近隣諸国もそれに乗じて介入しようとします。
異世界から落ちてきたリィが、国王の養女となり、王女になっていますが、今回、暗殺者に狙われます。まあ、普通の人間ではないので、殺されることはないのですが、この暗殺者は、侍女に身をやつしています。
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最近、ちょっと重めの本が続いて、次は「月長石」だ!と勢い込んだのですが、本の厚さにめげ、もうちょっと軽くて楽しいものが読みたいと図書館を訪問しますと、昨日本仲間のHPの書評で見かけた「デルフィニア戦記」を見つけました。
おおっ、コレは私に読めとおしゃるのですな、と1人納得して、家に帰って読みだすと、なかなか面白く、2巻までバリバリ読んでしまいました。
ヒロイックファンタジーなのですが、主人公の国を . . . 本文を読む
この本は説明がしづらいです。
内容が難しいとか、そういったわけではないのですが、とにかく空想の物語が、たたみかける様に語られます。
時にファンタジックに、時に哲学的に、時に残酷に・・・といろいろな面を持つ物語です。
最初は、主人公ジョーダンがテムズ川から拾われるところから始まります。
しかもジョーダンの視線から。
拾ってくれたのは、<犬女>と呼ばれている怪力の大女。
時代背景は17世紀。
ピュー . . . 本文を読む
早川と言えば、SFの老舗。そして、ファンタジーに早くから目をつけていた出版社。
FT文庫は確か中学生の頃に創刊されたのではなかろうか。
プラチナファンタジー文庫は最近刊行され、一味違うファンタジーを味あわせてくれるらしい。
本書は、英国幻想文学賞を受賞した作品だけあって、ファンタジーというよりホラーに近い。
不慮の事故で妻を亡くした主人公トムが、友人を頼ってエルサレムを訪れる。
トムは妻のケイテ . . . 本文を読む
第13回日本ファンタジー大賞を受賞した「しゃばけ」の続刊にあたります。
実は続刊の情報はぬの様からいただきました。ありがとー!
前作と同様、ファンタジー+時代劇+ミステリーで、おかしく、楽しく、人情味があって、すんなりと本の世界にはまり込めます。
主人公は大店廻船問屋の若旦那一太郎。病弱で年中床の中にいる一太郎は、何を隠そう妖狐「皮衣」の血筋にあたるのです。
そんな一太郎の周りには、一太郎を守ろ . . . 本文を読む