趣味が読書と堂々と宣言できる人なら、一度くらいは本の中に入ってみたいと思うもの。
本の世界に浸りたいと言うんじゃなくて、言葉どおりの意味で本の世界に飛びこんじゃうってこと。
そんな読書家の夢を叶えてくれるのが、いや、その気にさせてくれるのが、
このサーズデイ・ネクストシリーズ。
1作目ではメロドラマの大作「ジェーン・エア」のなかに入り込み、2作目では不気味な危険地帯ポー「大鴉」での戦慄の恐怖体験、 . . . 本文を読む
オウィデイウス「変身物語」がどういうものなのか読みたくて、図書館で探したところ、国書刊行会から出版されている書物の王国シリーズの一つにちょびっとだけ所収されているのを見つけ、早速借り出そうとしましたが、そのタイトルに一瞬躊躇しました。
なんたって「美少年」ですから(笑)
国書から出ていますので、あやしげなタイトルのわりには、中身は古今東西の美少年にまつわる文学作品のアンソロジーであって、格調高いも . . . 本文を読む
「ヒケティデス」といえばアイスキュロスにも同名の悲劇がありますが、このタイトルの意味するものは「嘆願する女たち」であって、アイスキュロスとエウリーピデースでは取り上げる題材が異なっており、内容もまったく違います。
エウリーピデースはテーパイ伝説に題材をとっていて、
アイスキュロス「テーパイを攻める七人の将軍」に続くものと思ってください。
敗北した七将の埋葬禁止をめぐるもので、
それはソポクレース「 . . . 本文を読む
ミステリーを読むとき、やはり自分で推理しながら読みますよね。
犯人はお前だ~~!
と確信するとき、ちょっと勝ち誇った気持ちになりますね。
ああ、やっぱりコイツだったかぁ~。
と思うときも、なんとなく優越感。
ああぁ~、だまされた~~!
と悔しがっても、気持ちよくだまされれば気分がいい(バカ?)。
ええ~、そりゃないよぉ~。
となるときは、フラストレーションがたまったりね。
まあ、こんなところがミス . . . 本文を読む
「ヘカペー」も「アンドロマケー」同様トロイアー戦争後の物語ですが、ノストイ(帰国譚)としての筋立てあることから「ヘカペー」は直後の事件を扱っていることがわかります。
プロロゴスはトロイアーの王プリアモスと王妃ヘカペーの末の息子ポリュドーロスの亡霊によって語られ、自分が父の友の家で育てられていたこと、父の友であった男が黄金に目がくらみ、彼によって亡き者にされ、海に投げ捨てられたこと、姉ポリュクセネー . . . 本文を読む
お久しぶりのギリシア悲劇です。
「アンドロマケー」はトロイアー戦争後の物語。
ヘレノスによって陥落の必要条件と予言されたのは、ペロプスの遺骨、アキレウスの息子ネオプトレモス、トロイアー城内のパラディオン、ピロクテーテースの持つヘーラクレースの弓。
アンドロマケーは、トロイアー陥落の褒賞としてメネラーオスよりネオプトレモスに与えられた奴隷であり、アンドロマケーはネオプトレモスとの間に一子をもうけて . . . 本文を読む
ネコです。
子ネコです。
うちの先住ネコが産んだわけではありません。
娘の通う高校は農業高校。
そして動物科。
生徒は動物好きなのは言うまでもありません。
だから捨てネコをみると放ってはおけないのです。
捨てネコを拾ったから貰い手を捜しているというようなことはよくあることなのですが、とうとう我が家にもそういう1匹がやってまいりました。
生後4週間ぐらいの彼女は、拾い主に手厚く育てられていたようで、 . . . 本文を読む
数日前にブックオフで岩波文庫ソポクレース「アンティゴネー」ヘーシオドス「仕事と日」を購入し、ギリシア悲劇に戻りたくなった私ですが、ラーゲルレーヴから悲劇では、あまりにも落差がありすぎる、リハビリをしなければとクリスティー「書斎の死体」「パディントン発4時50分」を読みました。
う~ん、まだ足りない、もう一冊。
ということで、以前ブックオフで購入しておいた「魔術の殺人」まで読んでしまいました。
はい . . . 本文を読む
エルサレムⅠから続く第二部の舞台は、スウェーデンから聖都エルサレムへと移ります。
エルサレムに到着した彼らは友情と喜びを持ってゴードン派に迎え入れられ、ゴードン派の人々は、農夫たちの善良さに驚かされます。
しかし、寒い地方からやって来た彼らにエルサレムの夏は暑すぎ、
病気によって亡くなる人も多く、何度か迷いが生じることがありますが、その度にしるしがあり、
その度に強い意志をあらたにするのです。
し . . . 本文を読む
そろそろ大作「エルサレム」を読んでみましょうと思い立ちまして、図書館に出かけたところ、エルサレム第1部はけやき書房から出版されている「イングマルソン家の人びと」(1996年)、第2部は岩波文庫「エルサレム第2部」(1952年)という組み合わせでしか手に入りませんでした。
「イングマルソン家の人びと」は、ラーゲルレーブを優れた英訳で紹介したV・S・ハワードの訳をさらに日本語に訳したもので、解説によれ . . . 本文を読む