くろにゃんこの読書日記

マイナーな読書好きのブログ。
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ねむり姫 澁澤龍彦

2005年11月29日 | 国内文学 その他
数日前に図書館に行ったときのこと。 「七悪魔の旅」を読んだあと、悪魔と地獄についてもっと詳しく知りたくなった私は、 ギュスターヴ・ドレ挿絵のダンテ「神曲」を借りてウキウキしながら、 新着図書の棚の前を通りかかったのです。 すると、なにやら視線を感じます。 そう、新着図書の棚の中のある一冊が、私を呼んでいるのです! 魔法にかかったかのごとく、フラフラと棚に近寄り、 手にとってみると「ねむり姫」というタイトルです。 おや、おとぎばなしですか、と作者を確認してみると、なんと、澁澤龍彦ではありませんか! 即、カウンターへ向かいました。 . . . 本文を読む

七悪魔の旅 マヌエル・ムヒカ=ライネス

2005年11月23日 | 海外文学 その他
南米文学で、ユーモア小説? いったいどんな本なんだ? そう思いますよね。 南米文学の私の印象は、ぶっ飛んでいる。 東欧や英米に比べて、何かが突き抜けている感じなのです。 そんなこんなで、興味津々で読み始めたのですが、意外と普通。 あまり馴染みのない英米文学の作家の作品と偽っても、多分違和感がないんじゃないかしら。 でも、読み終えたときの感覚は、不思議と南米文学を読んだぞ~という気になるので、南米文学に興味はあるけど躊躇している人には最適な本かも。 . . . 本文を読む

♪ちょっと振り向いて~。。。みたら一年過ぎていました

2005年11月21日 | 覚え書とか写真とか日記みたいなものとか
ちらりとお友達のブログを見て回っていたら「祝一周年!」という記事を見つけました。 お、そういえば自分も一年ぐらい経過しているはず、と思って確かめてみると一番古い記事は2004年10月13日となっていました。 ありゃりゃ、とっくに過ぎてるし。。。 PCが我が家にやってきたのは、2年くらい前ですか。 手始めに某ミステリーチャンネルHPの掲示板などに書き込みをしておりましたが、読書傾向がいまいちあわな . . . 本文を読む

天使にラヴ・ソングを

2005年11月19日 | 映画鑑賞
何回もTVでやってはいるのだけれど、すごく好きな映画なので、また見ちゃった。 うん、やっぱり面白い。 最近は、子供たちの一緒に映画を見ることが多いので、こういう楽しい映画は本当にいいね。 イスに接着剤とか、もう、大笑い。 ゲロッパのギャグには、拍手しちゃいましたよ。 . . . 本文を読む

ダヤン・ゆりの花蔭に ミルチャ・エリアーデ

2005年11月15日 | ミルチャ・エリアーデ
ダヤンといってもかわいい猫の登場はありません。 本書はミルチャ・エリアーデ晩年の幻想文学小説2編。 「ホーニッヒベルガー博士の秘密」を読んで以来、 私にとってエリアーデは幻想文学キングの地位を獲得しています。 彼の幻想文学は、時間と空間は幻想に過ぎないという、きわめて東洋哲学的なものであり、それもそのはず、エリアーデは幻想文学作家という肩書き以上に、宗教学の権威であり、タントラヨーガを実践で学んだという学者であり、忘れてならないのは、 故国ルーマニアから亡命したことです。 そのようなことから、本書の2編は全体主義批判が現れているものとなっていますが、思想的背景を理解するしないは別にしても、すばらしい幻想小説であることに変わりはありません。 . . . 本文を読む

図書館そしてノラねこ?

2005年11月13日 | 猫、時々他の動物
ラーゲルクヴィスト「巫女」を借りるのが最大目的で、昨日図書館に行きました。 あまり有名でない作家さんですので、きっとあるだろうと思っていたら、 なんと、借り出されていたのです! これは、日々のラーゲルクヴィスト布教活動が功を奏したと見るべきか。 そうだったら嬉しいけど。 なんにしても、同じ市内でラーゲルクヴィストを読む人がいることを知っただけでも儲けものだ。 あ、でも「巫女」がないと次のラーゲルク . . . 本文を読む

だから母と娘はむずかしい C・エリアシェフ N・エニック

2005年11月12日 | 科学&ノンフィクション
自分が女性であれば、自分には母(不在いかんにかかわらず)がいることは確実で、そのとき自分は母の娘なのである。 思春期を迎え大人の女性となり、やがて子供を生む(結婚は前提ではない)。 そうなれば、自分は母親に、子供が同性であれば娘の母となる。 しかし、母になったからといって、自分は母親の娘でもあることに変わりはないのだ。 やがて、自分の娘が大人になり、子供を生めば、おばあちゃんとなり、死が近づく。 上記のことが、一回読んだだけで理解できただろうか。 これは、女性であれば迎えるであろう場所(立場)の流れを追っている。 そこで大きく影響してくるのは、意識、無意識に関わらず、母娘間の関係である。 . . . 本文を読む

フェミニズムは冬の時代

2005年11月12日 | フェミニズム文学
という記事が、11月10日(木)日付の地方紙の夕刊に載っていました。 日本の男女共同参画法案の行く末を案じていた私にとっては、今度の少子化・男女共同参画担当相に就任した猪口氏がどのようにジェンダーを考えているのか多少心配でありました。 猪口氏といえば、あの「青いドレスの女」です。 「青いドレスの女」といっても、映画の題名ではない。 単に、ひな壇に並んだときのあのドレス姿が強烈だっただけ。 記事によ . . . 本文を読む

バラバ ラーゲルクヴィスト

2005年11月09日 | ノーベル賞作家
ウィキペディアで、キリストの磔刑というキーワードで検索をすると、 芸術・作品の項目では「文学では、ノーベル文学賞作家、ラーゲルクヴィスト著の『バラバ』が有名である」という記述があります。 この小説は、過越祭の赦免を受けて、民意の元にその罪を免れた男、 バラバの一生を描いた物語です。 バラバは助かり、磔にされたのは痩せて弱弱しい男。 何かしらその痩せた男に不思議なところを感じていたバラバは、なぜだ . . . 本文を読む

小出正吾感想文コンクール表彰式に行きました

2005年11月06日 | 覚え書とか写真とか日記みたいなものとか
といっても、入選したのは私ではなく、中3の娘ですが。 夏休みに入る前でしたか、小出正吾という三島市出身の児童文学者の読書感想文を書かなきゃならないと聞かされたのは。 私も三島市に住みながら、実は読んだことのなかった小出正吾でしたが、 「のろまなローラー」という作品だけは知っておりました。 学校の図書館から作品集など借りたりしたのですけれど、作品自体小品が多く、娘が市の図書館から借りてきた「子馬の旅 . . . 本文を読む

尼僧ヨアンナ イヴァシュキェヴィッチ

2005年11月03日 | 海外文学 その他
ラーゲルクヴィストを読んだあと、軽い本を読もうかなぁと畠中恵「百万の手」を手に取ったのだけれど、なにかこうしっくりこない。 キリスト教関連の本が続くけど、まあ、いいかと読み始めたら、止まらない。 悪魔祓いを題材にした小説だから、なんとなくエクソシスト的なものを想像していたのですが、あらま吃驚、純愛小説でした。 中世ポーランドの辺境の町ルーディンにある修道院の尼僧長ヨアンナが、悪魔につかれ、 修道 . . . 本文を読む

アハスヴェルスの死 ラーゲルクヴィスト

2005年11月02日 | ノーベル賞作家
本作品は「巫女」に登場する名もなきよそ者が平安を見出す物語。 「巫女」のあとがきをしっかり最後まで読んだ方なら、 この彷徨える男の行く末が気になったことでしょう。 ところが本作品は主婦の友社「キリスト教文学世界13」で紹介されたのみで、 現在では入手不可能な存在です。 私の場合は、ブログ仲間ntmymさまから譲っていただきました。 持つべきものは同好の士です。 ネットの持つ、一瞬にして仲間が集まる . . . 本文を読む