くろにゃんこの読書日記

マイナーな読書好きのブログ。
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ウィッチフォード毒殺事件 アントニイ・バークリー

2005年05月25日 | バークリー(アイルズ)
訳出版されているロジャー・シェリンガムシリーズの中で、唯一読んでいなかったのが本書「ウィッチフォード毒殺事件」。 本書は「レイトンコートの謎」の次に書かれたシリーズ2作目にあたり、前作同様、ロジャーとアレックの迷探偵コンビは健在です。 ロンドン近郊の閑静な高級住宅地ウィッチフォードで事件がおきた。 フランス出身の夫人が、実業家の夫を毒殺した容疑で逮捕されたのだ。 裕福な階級でおきたこの事件は、連日新聞で取りざたされるほどの熱狂ぶりで、全てのイギリス人が彼女、ベントリー夫人を有罪だとみなしている。 ベントリー宅から、多量の砒素が発見されたことに疑問を持ったロジャーは、友人アレグザンダーを伴い、一路ウィッチフォードへ。 2人はアレックの親類の家に滞在し、独自の視点と行動で、捜査に乗り出す。 果たして夫人は本当に犯人なのか? . . . 本文を読む

宇宙飛行士ピルクス物語 スタニスワフ・レム

2005年05月18日 | SF 海外
いや~、ビックリしたよ。 アマゾンのリンクを貼ろうと思って、探してみたんだけど、無いの。 2回も3回も見直しちゃったよ。 まあ、絶版だということは聞いていたんだけど、無いとはね。 さて、本書ですが、458ページで細かい文字、さらに2段書き。 読むぞー、とベットでうつぶせになって読み始めるとなぜか睡魔がやってくる。 読破までは、長い道のりでございました。 だからって、つまらないんじゃないんですよ。 . . . 本文を読む

血の伯爵夫人 エリザベート・バートリ

2005年05月16日 | ヴァンパイア系列
たまには違った趣向で。 ゆきさまの新しいHPに、記事を書いたのですが、もったいないので、こちらにもアップさせてしまいました。 桐生操も小説にしているし、澁澤龍彦も「世界悪女物語」というエッセイの中で取り上げているという、歴史上の人物について紹介してみたいと思います。 串刺し公ヴラド・ツェペシュと並び称される、吸血鬼の元祖というべき人物で、いたいけな女性を<鉄の処女(アイアン・メイデン)>と呼ばれ . . . 本文を読む

死の金星都市 スタニスワフ・レム

2005年05月10日 | SF 海外
図書館の書庫というものは、何が眠っているかわからない。 絶対、お宝がザックザック出てくるに違いないのだ! ストルガツキイ「ラドガ壊滅」をはじめ、エリアーデ「ホーニヒベルガー博士の秘密」はソムニウム叢書版という今は無き幻の出版社。 きっとまだまだたくさんあるはず。 で、今回のこの本も、図書館の書庫から借り出してきた、1965年出版のもの。 よくとってあったなぁ。 少年少女宇宙科学全集という小学生向け . . . 本文を読む

赤い惑星への航海 テリー・ビッスン

2005年05月08日 | SF 海外
このところ、無性にSFといおうか、宇宙船が出てくるようなベーシックなものが読みたくなり、前々から目をつけていた本書と、レムの未読本を図書館に借りに行きました。 こういう風に、最初から、これを借りるぞ!と意気込んでいるとき、必ずや、 別の本を見つけてしまうものです。 カーズワイル「形見函と王妃の時計」、ミッチ・カリン「タイドランド」、 ジーン・ウルフ「ケルベロス第五の首」など等。 8冊も借りてしまい . . . 本文を読む

裏庭 梨木香歩

2005年05月07日 | 梨木香歩
先日、まんださまのブログで、本書が紹介されていて、もう一度読みたいなぁと思っていたら、娘(中3)が、 「これ、面白かったよ。」 と言って、差し出した本が『裏庭』でした。 おおっ、こんな偶然もあるのだなぁ、とめぐり合わせの不思議を感じるとともに、嬉しく読み始めました。 . . . 本文を読む

モスクワ妄想倶楽部 ストルガツキイ兄弟

2005年05月04日 | ストルガツキイ兄弟
本書の場合、冒頭でフィクションです、という断り書きがしてあるが、はっきりいって、そのことによりずっと現実的に思えてくる、そんなユニークな1冊。 主人公ソローキンは、アルカージイ・ストルガツキイである。 現在作家で元軍人。 自分の小説が印刷できない時期には、日本語翻訳の仕事などで食いつないでいる。 完成しないかもしれないが、自分の魂である小説<青ファイル>が、彼のよりどころだ。 彼は、作家協議会の . . . 本文を読む

浮かびあがる マーガレット・アトウッド

2005年05月01日 | フェミニズム文学
アトウッド作品は何冊か読んでいるのだけど、もう何年も前に読んだものなので、一度もレビューを書いた事がありませんでした。 好きな作家さんなのにそれはマズイでしょう。 というわけで、「浮かびあがる」を再読。 この本は、アトウッド作品との出会いの思い出深い1冊です。 「侍女の物語」を借りるために行った図書館で、隣に並んでいた本が本書でした。 何の気なしに手に取り、先にこちらを読んだのです。 フェミニズ . . . 本文を読む