徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

新型コロナが5類感染症になった今、ワクチンはどうする?

2023年06月19日 06時38分18秒 | 新型コロナ
まだワクチンを打つ必要があるの?
という素朴な疑問が生まれている昨今。

答えは「各個人のリスクを考えて接種を考慮すべし」というところでしょうか。
当初95%だった発症阻止率は、徐々に低下してきました。
現在のオミクロン株対応ワクチンを繰り返し接種しても70%止まりで、かつ数か月で50%未満に下がってしまいます。
しかし重症化阻止率は約半年間は80%程度保たれています
…これが現在のワクチンの効果です。

私は今年還暦で、かつ心臓に基礎疾患があるため、ハイリスク者です。
なので自分のためにも、家族のためにも半年ごとの接種を続けるつもりです。

リスクのない人はどうでしょう、
重症化しにくい子どもは個人的には接種しなくてもよいかもしれません。
しかし、子どもが感染すると家族に広がりますので、その影響をどう評価すべきか、まで考える必要があります。

参考になる記事を紹介します。
子どもに関しても「感染するデメリットよりワクチン接種のメリットが上回るので推奨される」という論調ですね。
第5類に格下げされて「インフルエンザ並みの感染症」とイメージされるようになりましたが、ワクチン接種に励んでようやくこの状況を作れたことを忘れてはなりません。
ワクチン未接種者ではいまだに初期のCTで肺が真っ白になる肺炎が発生しているのですから。

新型コロナワクチン接種は今後どうすればよいか? 子どもへのワクチンは?
倉原優 呼吸器内科医
2023/6/17:yahooニュース)より一部抜粋;
・・・
足元でじわじわと感染者数は増えていますが、以前のように重症者が急増していないため、全国的にはまだ医療逼迫にまで至っていません。
これは、ウイルスが変異し続けていることに加えて、すでに感染した人やワクチン接種が行きわたった人が増えて、国全体で免疫が底上げされているからだと考えられます。
従来株と比較すると、現在の変異ウイルスは以前ほど感染予防効果が期待できませんが、集団としては十分に機能する有効性はあり、また重症化予防効果は半年~1年程度は期待できるとされています。
しかし、半年~1年以上前に接種をやめてしまった人は、感染あるいは重症化しやすい状態になっていく懸念があります。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、最終接種から1年以上が経過した場合、追加で接種することを推奨しています。
・・・
現在、無料で接種可能な新型コロナワクチンは以下の通りです。
① 令和5年春開始接種(オミクロン株対応2価ワクチン)
② 未接種者の初回接種(従来型ワクチン)
③ 乳幼児(生後6か月~4歳)初回接種(従来型ワクチン)
④ 小児(5~11歳)初回接種(従来型ワクチン)
⑤ 小児(5~11歳)追加接種(小児用オミクロン株対応2価ワクチン)

5月8日から「令和5年春開始接種」がすすめられています。流行初期の従来株と直近流行していたオミクロン株のBA.1やBA.5に対応した2価ワクチンを接種しています。

この春接種の対象となっている人は、
「1、2回目接種済の65歳以上の高齢者」
「1、2回目接種済の基礎疾患を有する12歳~64歳」
「1、2回目接種済の医療従事者・高齢者施設等従事者」
です。
あまり知られていませんが、現在、健康な12~64歳は接種対象外です。

・・・
令和5年9月1日から「令和5年秋開始接種」が始まります。このとき、現在接種対象外である基礎疾患を有さない12歳~64歳も接種対象になる予定です。
昨日厚労省の専門家分科会で導入が決定されたのが、オミクロン株派生型「XBB」に対応したワクチンです。
アメリカ食品医薬品局(FDA)でも、従来株の成分は不要と判断し、XBB対応1価ワクチンへの転換を推奨しています。

◆ 子どものワクチンは?
現在、子どもの新型コロナワクチン接種率は約2割と低い状況です。正確な感染率は不明ですが、成人の自然感染率は32.1%とされていることから、多くの子どもがまだ新型コロナに罹患していないと推察されます。
実際、学校でクラスターが発生しているという報道も、最近によく耳にします。
日本小児科学会は、「生後6か月~17歳のすべての小児に新型コロナワクチン接種(初回シリーズおよび適切な時期の追加接種)を推奨する」と、追加の提言を今月ホームページ上で提言しています。
・・・
子どもが感染しても多くが軽症で終わるのは事実ですが、未接種で感染する場合の重症化リスクと後遺症リスクのほうが、接種の副反応よりもメリットが大きいというのが、公的機関の見解です(図2)。


子どもの新型コロナワクチン接種における副反応は、含まれているメッセンジャーRNAの量が少なく、成人よりも頻度が低く程度が軽いことが分かっています。
しかしこれらについて、政府・学会と国民の対話がうまく進んでいない印象を持っています。SNSなどでも、「子どもはそもそも重症化しない」「ワクチンの副反応が大きい」という見解の親は少なくないと感じています。

◆ まとめ
すでに接種をやめてしまった人は、今後ワクチンの恩恵が減衰していく可能性があるので注意してください。
インフルエンザワクチンと同じように、今後は高齢者や基礎疾患がある人、妊婦、子どもへの接種が優先的にすすめられていくでしょう。
基礎疾患のない12~64歳も9月1日からの「令和5年秋開始接種」でXBB対応ワクチンが接種可能です。
コロナ禍前、少なくともインフルエンザワクチンを接種していたような人は、インフルエンザより手ごわい感染症を前にしていることから、引き続き接種を検討してください。

私はすでに「2023年春の接種」を予約しました。
今後も推奨されるワクチンと時期に従い、自分と家族を守るために接種を続ける予定です。


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