徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

2015年春のスギ花粉症はひどいらしい →「舌下免疫療法」への期待

2014年10月10日 06時12分44秒 | 小児科診療
 2015年春のスギ花粉症予報が発表されました。

ウェザーニューズ、2015年度の“スギ・ヒノキ花粉”傾向を発表

 わかりやすい図が掲載されていましたのでそのまま引用させていただきます。





 群馬県は平年比110~130%、2014年比200~250%、と大量飛散は避けられないようです(涙)。

 さて、この10月にスギ花粉症の新しい治療法「舌下免疫療法」の治療薬(シダトレン®)が発売され、処方可能になりました。
 従来の免疫療法は注射でしたので、痛みを伴い頻繁に通院する必要がありましたが、新しい治療法は痛みはなく自宅での治療が可能なため、通院のストレスもありません(ただし新薬は発売から1年間は2週間分しか処方できません)。
 逆に医師なら誰でも処方できるわけではありません。
 自宅でアレルゲンエキスを体内に入れるという今までにない治療法であり、副作用の発生が危惧され、その対策も万全でなければなりません。
 そのため、処方医にはいろいろハードルが作られました。
 まず、学会指定の講義を受け、さらにネット上のレクチャーを受けチェックテストに合格せねばなりません。
 さらに、開業医の場合は、重篤な副作用発生時の救急搬送先を決めてあらかじめ契約しておく必要があります。処方可能医はいずれ公表される予定です。

 もう一つ、わかりやすい記事を引用;

「花粉症に新薬」自宅で服用し完治へ、保険適用
(2014年10月11日:スポーツ報知)
 4人に1人が花粉症患者といわれる。毎年、春先から鼻水、くしゃみ、目のかゆみに苦しんできた人に朗報だ。スギ花粉に体を慣らす減感作(げんかんさ)によって花粉症の完治が期待できる新薬が登場した。
 減感作療法はこれまでも行われてきたが、スギ花粉のエキスを皮下注射するため定期的に病院に通う必要があり、なかなか普及しなかった。新薬は自宅でスギ花粉のエキスを舌の下に垂らして粘膜から吸収するだけなので頻繁に病院に通って注射を打つ必要がなく、普及が期待されているのだ。
 欧米では以前から花粉症の治療法として普及しているので国内で待ち望まれていた。そこで東京都が中心になって2006年から3年かけて臨床試験を行った。その結果、安全性と効果が確認されたことから今年承認を受け、今月8日に販売が開始された。これまでの臨床試験では、7~8割は症状が軽くなり、そのうちの1割は発症しなくなったという。
 新薬は「シダトレンスギ花粉舌下液」(鳥居薬品)。最初の2週間は低濃度、少量から始めて徐々に増量、高濃度へ移行し、3週目からは同じ濃度と量を維持する。1日1回、舌の下に垂らして2分間たったら飲み込む。その後5分間は、うがいや飲食を控える。口内の粘膜からスギ花粉エキスを吸収させるためだ。
 人によってはアレルギー反応を起こしたり、まれにアナフィラキシー(じんましん、腹痛、嘔吐、意識混濁など)を起こすことがあるので、治療を始めた当初は体調の変化に注意を払う必要がある。
 完治まで3~5年かかるとされるが、花粉が飛散する3か月以上前から治療を始めれば、最初のシーズンでも一定の効果が期待できるという。治療は長期にわたるが、健康保険が適用されるため、薬剤費に限れば患者の支払いは3割負担で年間1万1000円程度。主に耳鼻科で診療するが、発売したばかりの新薬のため、事前に「花粉症の舌下(ぜっか)免疫療法を受けられますか?」と電話で問い合わせをするといい。
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