たとえそれが魚であっても、生きている状態から切り身になるまでの工程は凄惨だ。最初は生命を絶つこと。つまり魚をシメる。一般的には刃物で魚の急所を切断するが、私はもっぱら氷シメにすることが多い(大型魚の場合は刃物を使わざるを得ないが)。釣れた魚はクーラーの中の氷水に放り込み、クーラーのふたをする。それは魚が絶命する過程を見たくないからだ。(これは卑怯であろう)。次の段階はシメた魚を捌くこと。頭を落として腹を開き内臓を取出す。出てくるものはあまり見たいものではない。この作業も慣れてなければ相当な覚悟が必要になる。これが終わって魚はやっと切り身になる。スーパーに陳列してあるサケやブリの切り身と同じ。ここまでくれば誰もが屈託なく扱える。本当は、シメて、捌いた人にのみ魚を食う権利があるのだと思う。それが生命を絶つ罪過を背負うことに対する報酬だ。魚ならまだしも、牛や豚の場合は想像を絶する。私はステーキも、すき焼きも、豚カツも好きだが、ト殺して捌く勇気はとても無い。いったい誰が精肉になるまでの工程を担っているのか。そんなことは誰も知らない。ブラックボックスにしておくのだ。でなければ食えなくなるだろう。集団的無思考を考えるとき、誰もが一度は自らの手で魚を捌いてそれを食うという経験が必要なのではないかと、漠然と思う。
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