electric

思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

エネルギとしての電荷と磁気②

2010-12-03 22:05:41 | 電子回路
磁気(磁束)

磁束Φと磁束φは異なります

コンデンサが電流を溜め電荷Q としてエネルギを蓄えるように、コイルは電流に比例して発生する磁束Φをエネルギとして蓄えます。(「電荷」と同じように表せば、コイルは端子電圧(VL)を積分し「磁束」としてエネルギを蓄える容器として働きます)

さて、磁束ΦはΦ=LIの式が成り立ちます。この式のIはコイルに流れる電流を意味し、図の回路の場合、スイッチオンの時点ではΦ=0であり、時定数(R/L)secにてΦ=0.63LI、その後、定常状態に至りVL=0、Φ=LIとなります。(過渡特性)
Φ=∫v(t) dt と表すこともできます。

Φ=LI と Φ=∫v(t) dt は必須です。覚えましょう。(^^)

Φ=LIの両辺をLで割ればI=Φ/Lとなり、この式より、磁束Φが一定であれば、Lのインダクタンス(容量)が大きければコイル電流は小さく、インダクタンスが小さければコイル電流は大きくなることがわかります。

【電圧放電】
上の回路が定常状態にあるとき、VL=0ですから、抵抗Rの端子間電圧はVですが、下の回路のようにRの片端を0Vに接続するとどのような動作になるでしょう。

VL=-Vとなり、それ故に抵抗Rの端子間電圧は変化無くVであり、図のようにILは同一方向に流れ続けます。これがコイルLの磁気による電圧放電です。抵抗Rで消費される電力W(i^2R)は下図のような特性になります。(放電が終わると磁気は0になり、VL=0になります)

電力Wの曲線が構成する(黄色の)面積が電力量Wsです。電力量Wsはエネルギ消費量ですから、Lは磁気としてエネルギを溜めるということですね。

このエネルギは:
EL=1/2 LI^2 の式で表されます。導出は添付図の式を参考にしてください。

関連記事:
エネルギとしての電荷と磁気① 2010-11-29
絵で見るコイルとコンデンサの過渡特性 2010-11-11
コイルとコンデンサの無限大放電 2010-12-07
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする