ある産婦人科医のひとりごと

産婦人科医療のあれこれ。日記など。

感染確認 21か国1400人超

2009年05月05日 | 新型インフルエンザ

コメント(私見):

海外では新型インフルエンザの感染が拡大していますので、いずれは日本国内にもウイルスは持ち込まれることになると予想されますが、現時点では、国内で新型インフルエンザの感染はまだ確認されていません。

季節性インフルエンザの感染者数は、冬のピーク時と比べるとかなり減少してきましたが、今の季節でも、インフルエンザ迅速診断キットで陽性になる患者さんは時々いらっしゃいます。御家族がインフルエンザと診断されていて症状も同様という時には、いちいちインフルエンザの検査をしない場合もあります。妊婦さんのインフルエンザに対してタミフルが処方される場合もまれではありませんが、一般にどんな薬でも妊婦さんには使いづらい面があり、私の場合は、普段から使い慣れている漢方薬を処方して様子を見ることの方がむしろ多いです。いずれにしても、通常の季節性インフルエンザであれば、1週間以内に症状が軽快する場合が多いです。

*** NHKニュース、2009年5月5日19時48分

感染確認 1400人余に

 新型インフルエンザは韓国で新たに1人の感染が確認され、世界でこれまでに感染した人は21の国と地域で1400人余りに上っています。

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 韓国政府は、5日、ソウル郊外に住む44歳の女性が新型インフルエンザに感染していたことが確認されたと発表しました。韓国での新型インフルエンザの感染者は2人目です。女性は、最初に感染が確認された51歳の女性といっしょに生活していたということで、症状は回復し、6日には退院する予定だということです。これで、世界全体で感染した人の数は21の国と地域で1434人に上り、このうち死亡した人はメキシコで26人、アメリカで1人のあわせて27人となっています。国や地域の内訳は、▽メキシコで802人、▽アメリカで367人、▽カナダで140人、▽スペインで57人、▽イギリスで27人、▽ドイツで8人、▽ニュージーランドで6人、▽イタリアで5人、▽フランスとイスラエルで4人、▽韓国とコスタリカ、それにエルサルバドルで2人、▽香港、オーストリア、スイス、オランダ、デンマーク、アイルランド、ポルトガル、それにコロンビアでそれぞれ1人となっています。

(NHKニュース、2009年5月5日19時48分)

*** NHKニュース、2009年5月5日8時15分

フェーズ6 現段階で予定なし

 新型インフルエンザをめぐり、WHO=世界保健機関のチャン事務局長は、現段階では警戒レベルを最高のフェーズ6に引き上げる予定はないという認識を示し、各国に冷静な対応を求めました。

 ニューヨークの国連本部で、4日、新型インフルエンザをめぐって総会で協議が行われ、国連のパン・ギムン事務総長が出席したほか、WHOのチャン事務局長がジュネーブからテレビ中継で参加しました。

 この中で、まず、チャン事務局長は、新型インフルエンザの警戒レベルを世界的な大流行を示すフェーズ6に引き上げるかどうかは、今後、北米以外の地域でもヒトからヒトへの感染が持続的に広がるかどうかにかかると指摘したうえで、「現在はまだその段階にはない」と述べ、各国に冷静な対応を求めました。

 そのうえで、チャン事務局長は「世界じゅうの人に同時に行き渡るだけのワクチンなどを製造する能力はないのが現実だ」として、「生まれた場所によって、治療が受けられたり受けられなかったりすることは避ける必要がある」と述べて、対策を進めるにあたって、途上国への支援が重要だと強調しました。

 これについて、パン事務総長は「地球規模で連帯を発揮するときだ」と述べて、途上国へ新型インフルエンザ対策の資金援助を拠出するための国際会議を再来週ジュネーブで開催すると発表しました。 

(NHKニュース、2009年5月5日8時15分)

*** NHKニュース、2009年5月5日8時15分

米CDC 症状は比較的軽い

 アメリカのCDC=疾病対策センターは、新型インフルエンザの感染地域の拡大は今後も続くという見方を示す一方、症状は季節性インフルエンザとほとんど変わらず、比較的軽いことなど、「勇気づけられる兆候がある」と指摘しました。

 CDCのベッサー所長代行は4日、記者会見し、アメリカ国内で「感染した可能性が高い」とみられる人の数が、44の州で700人を超えていることを初めて明らかにし、これまで感染が確認された36の州より地域がさらに広がるとの見通しを示しました。

 その一方で、ベッサー所長代行は、これまでの調査で、▽アメリカ国内の感染者の症状は季節性インフルエンザとほとんど変わらず、比較的軽いこと、▽ウイルスが、タミフルなどの治療薬への「耐性」を備えておらず、薬に効果があるとみられること、さらに、▽メキシコ国内では感染の拡大が収まる傾向が見受けられることをあげ、「勇気づけられる兆候が出ている」と指摘しました。

 また、今回の新型ウイルスのワクチン製造に踏み切るかどうかなど、今後の対策にあたっては、まもなく冬場を迎える南半球で感染が拡大を続けるのか、薬への耐性を備えるのかなどを注意深く監視しながら判断していく必要があるという認識を示しました。

(NHKニュース、2009年5月5日8時15分)

**** 共同通信、2009年5月5日15時37分

WHO「水準6」視野に地ならし 

緊張保持にも腐心

 【ジュネーブ5日共同】世界保健機関(WHO)は、新型インフルエンザの警戒水準について世界的大流行(パンデミック)の認定を意味する「フェーズ6」への引き上げが近くあり得ることを踏まえ、過剰反応を回避する「地ならし」を本格的に始めた。

 「6」に引き上げた場合の意味合いについてマーガレット・チャン事務局長は4日付スペイン紙に「世界の終わり」を意味しないと強調し、「無用のパニック」を避けたい意向を表明した。フクダ事務局長補代理ら幹部も今月に入り、欧州やアジアなど米州地域以外で「持続的感染」が確認されれば、警戒水準の定義上「5」が「6」に上がるだけだとの説明を定例記者会見などの場でし始めた。

 背景には、今回のウイルスが現時点では死亡や重症をもたらす確率がそれほど高くないとみられていることや、各国がパンデミック認定に身構える中、一方的に水準引き上げに踏み切ればWHO自体が「過剰反応」の批判を避けられないという懸念がある。

 新型ウイルスの特徴にはなお不明な点も多く、より強い健康被害をもたらすものに変化していくリスクがある。WHOは世界に「冷静な対応」を求める一方、緊張感のつなぎ留めにも腐心する微妙な作業を迫られている。

パンデミック 新型インフルエンザなど感染症の世界的な大流行。世界保健機関(WHO)の警戒レベルで最高の「フェーズ6」に当たる。ウイルスに対してほとんどの人が免疫を持たない場合、新型インフルエンザは爆発的に世界的に拡大し、大きな健康被害と社会的、経済的影響をもたらすと懸念されている。大流行の危険が差し迫った状況が「フェーズ5」。20世紀以降、インフルエンザの世界的な大流行は3回。1918年に発生したスペイン風邪は世界中で推定4千万人が死亡、57年にアジア風邪、68年に香港風邪が大流行した。

(共同通信、2009年5月5日15時37分)

**** 共同通信、2009年5月4日21時8分

A型の季節性患者は推定17万人 

新型感染の疑い今後も

 簡易検査でインフルエンザのA型と判定され、新型インフルエンザが疑われる人が相次いでいる。国立感染症研究所によると4月下旬の季節性インフルエンザの国内推定患者は約17万人。

 同研究所は「まだまだ季節性の患者が出ており、A型とされても新型の可能性が高いとは言えない」と指摘。今後も一時的に新型の感染が疑われるケースが出そうだ。

 感染研によると、4月20日からの1週間に全国の定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者は約1万6600人で、推定患者数は約17万人。B型が多く、全体的に流行は下火になってきている。

 4月中旬のデータで発生が目立つ地域は首都圏のほか、北海道、秋田、長野、鹿児島各県など。

 インフルエンザで大規模な流行をするのはA型とB型。国内では11月下旬-12月上旬に発生が始まり、翌年1-3月に患者が増加、4-5月に減少するが、夏に患者が発生することもある。

(共同通信、2009年5月4日21時8分)

**** スポーツ報知、2009年5月5日6時1分

新型インフルは人類VSウイルスの戦い 

中田市長よ、事の重大性を認識せよ

 「人類とウイルスの戦争なんだ」―。世界中で猛威を振るう新型インフルエンザ。日本上陸阻止のため舛添要一厚労相(60)は連休返上で、対応に追われている。早朝や真夜中の緊急会見など、いつにも増してテンションが高い様子だが「危機管理にやり過ぎはない」と断言。その上で「人の命がかかっている話。事の重大性を理解していないのでは」と感染の疑い例の公表をめぐって対立した中田宏横浜市長(44)に疑問を投げかけた。

 ―新型インフルエンザが日本に忍び寄っている。

 「とんだゴールデンウイークになってしまった。感染国が拡大しており、まだワクチンも存在しない。新型は、鳥インフルに比べて弱毒性ではあるが、人から人へと感染するため、大変な脅威だ。まさにこれは見えない敵、人類とウイルスとの戦争だ」

 ―予防法は?

 「ワクチン開発まで半年ほど要するが、まずは季節性インフルと同じ対策を取ってほしい。つまり、手洗いやうがいの励行といったこと」

 ―大型連休の終盤に帰国ラッシュを控える。

 「そこがひとつのヤマ場で、政府は空港や港での『水際対策』を強化している。それでも、ウイルス侵入は前提にしなければいけないが。帰国者には機内検疫での『質問票』を正直に申告してもらいたい。面倒でも自分や周囲の人たちを守ることになるからだ」

 ―新型インフルは謎が多い。

 「最大の疑問はなぜメキシコで流行し、死者が集中している点だ。医療体制の不備や劣悪な衛生状態など、原因には諸説あるようだが…。日本でいまだ感染者が出ていないのは、日本人が毎年のように予防接種を受けるなど、意識が高いこともあると思う」

 ―感染の疑いがあった横浜市の男子生徒の検査結果発表(結果は陰性)をめぐる真夜中の緊急会見が「見切り発車」と指摘されている

 「横浜市の衛生研究所での遺伝子検査で『疑いあり』の結果を受け、私の判断で会見を設けた。ところが、直前に市側から『結果は解析不能』との報告があり、その後一切連絡が取れなくなった。可能性は五分五分。しかし、感染拡大は時間との戦いでもあるから公表に踏み切ったんだ」

 ―横浜市の対応を「危機管理がなってない」と批判した。

 「『市に電話が殺到して連絡が取れなくなった』なんて言い訳にもならない。中田市長は『大臣は落ち着け』と反論したが、事の重大性が分かっていないんじゃないか。人の生き死にがかかっているんだよ。今回は陰性で済んだが、情報を公表もせず、陽性と判定されていたら、それこそパニックになったはず。自治体トップにはより高い危機意識を持ってもらいたい」

 ―大臣を始め、過剰に反応することで、国民が必要以上に不安を感じるのでは?

 「危機管理は最悪の状況を想定して取り組むものだが、日本人はとかく楽観主義だ。私は海外経験が長かったが、外国人は自分の身に降りかかる脅威に対する意識が高いように思う。もちろん国民には冷静な対応を求めるが、危機管理に“やり過ぎ”はない」

 ―もし国内で感染者が出たら選挙どころじゃない?

 「もしパンデミック(大流行)状態になったら、集会は開けないし、衆院解散・総選挙の時期に影響は出るかもしれない。ただ、私の役目は国民の生命と健康を守ること。今は政局の話は抜きだ」

(スポーツ報知、2009年5月5日6時1分)