少ない産婦人科医の地域における配置を考える場合に、利便性を優先して産婦人科医を分散させるのか?あるいは、安全性を優先して産婦人科医を集約化させるのか?はまさに究極の選択です。
従来、日本では、妊産婦の病院へのアクセスの利便性が優先されて、少ない産婦人科医が多くの病院に分散して配置され、(一人医長などの)非常に不十分な体制で分娩が多く取り扱われてきました。
しかし、日本でも、もはや今までのような不十分な体制では分娩を取り扱えない社会的状況となってきました。
厚生労働省の「医師の需給に関する検討会」が、今後は方針を転換し、地域拠点病院への重点化、集約化が必要と提言する報告書案をまとめたとの報道です。
また、臨床研修修了後の「後期研修」で診療科ごとの定員を設けることなども検討されているようです。
****** 共同通信、2006年6月28日
産科「利便性より安全性」 拠点病院への集約化提言
医師不足問題の解決策を議論している厚生労働省の「医師の需給に関する検討会」は28日、減少が深刻とされる産婦人科について「緊急事態に対応するため(地域の拠点病院などへの)重点化、集約化が必要」と提言する報告書案をまとめた。地域の産婦人科医が減ると「利便性が損なわれる」としながらも「安全性を重視するべきだ」としている。
(以下略)
(共同通信より引用)