は、ウサギの疾患全般のうち、多分6~7割を占めているんじゃなかろうか(当院比)。飼主が比較的気付きやすいのは歯牙疾患と便秘ですけど、なんか知らんがついつい「様子を見る」人が多い。で、オダブツ、あるいは病院に来た時すでに「オダブツ寸前」という状況になってしまっていること多し。で、飼い主逆ギレという・・・・・。ワタクシどもはカウンセラーじゃないんですけど。
草食獣全般にいえることだけれども、消化管の構造が我々人間や犬猫等々の雑食~肉食獣とは抜本的に異なる。でなければ、あんなカサカサした牧草なんかでむくむく太れる筈がない。哺乳類でいえば、牛や鹿等々のいわゆる「反芻獣」と、ウサギや馬・バク・象のような草食獣は構造が異なるのだが、ウサギの消化管を簡単な図版にすると、こんな感じ。
とにかく盲腸がでかい。腹部臓器の3~4分の1を占めている。ウサギは胃や小腸で直接草を消化できているわけではなく、一旦盲腸内の細菌でもって草の線維等々を分解する。で、それが「盲腸便」という軟便で出てくる、のをもう一回食べて(こんなことを夜な夜なコッソリやってるんですよ)それを改めて消化吸収している。小腸は非常に長い。こんな巨大な消化管を腹部に押し込めているから、腹が大きくなるんですね。ので、胸腔が常に圧迫されてて狭い。これは、手術の際に呼吸を確保するのに大きな障害となる。矮小になればなるほど、危険が増すわけ。
もうひとつ、ウサギの重大な消化管の問題は、ズバリ「嘔吐できない」です。吐き戻しができないから、一旦飲み込んでしまった物は排泄するよりか排出方法がない。これが、ウサギの主たる消化器疾患である「胃うっ滞」の大きな誘因になってます。
また次回。
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