なんとなくクラシテル

獣医という仕事をしている人間の生活の例の一。
ほとんどが(多分)しょーもない話。

那須

2014年02月06日 | 
に行って泊まって帰ってきたら。新聞の1面がぶっ飛ぶ内容。今日は、その記者会見をとりあえず見物。

 最初は、旧石器捏造事件と「鶴の恩返し」話(つまり、部屋に籠って、作業を見るな!!というあたりが)が混ざったような話かな、と思ってたんですけど。それどころか、旧石器捏造事件とオウム真理教事件を足したような話じゃないか、と理解して、ジャーナリズムはいったい何をやっているんだ!!と激怒している。

 旧石器捏造事件を起こした人物も、よく似た行動をとってたなあ。「昔の地形を調べる」とか言って、何時間も、発掘現場周辺をひたすら歩き回ったり。旧石器捏造は、はじまりから発覚まで確か20年近くかそれ以上の年月が経過してた。その人物をマスコミも含め、周囲はそれなりに信用してたし。それもそっくり。

 ずうっと毎日新聞の読者なんだけど、その理由は旧石器捏造スクープが大きい。スクープの内容は今も鮮明だ。今回の件と何が違うかというと、旧石器捏造事件の時は、毎日新聞がきっちり取材調査を進めて、証拠固めを完璧にしたうえで本人に切り出して認めさせる、ジャーナリズムの力量をとことん感じさせるものだったんですよ。今回は全然そんなのと違う。週刊文春を読んだわけじゃないから(買おうとしたら、売り切れてました)文春側がどうやって手に入れた情報なのかはよくわからないが、リークした人物を元々取材していたわけでもなさそう。向こうから持ってきたリーク話で、それを文春は掲載した、ということだけっぽい。つまり、取材する側は何もしていないわけ、なんだと思う。文春はホクホクしてるでしょうけどね。ひさーしぶりに、思う存分ぶっ叩ける相手を見つけたわけだから。

 オウム真理教とそっくりだと思うのは。やたら感動話を仕立てあげて、それにマスコミが乗っかってこぞって持ち上げていた、という状況。今回はNHKがそれを先導したわけだけど、確かオウムの時も、そんなようなことをNHKも民間放送もやりまくってましたよね。今回は、たまたま対象者が新興宗教の教祖様じゃなくて、一介の作曲家だっただけ。それでも、甚大な精神的被害が出ている。TV各社はどうするつもりなんだ??で、今回は毎日新聞も思いっきり片棒を担いでましたよね。バカらしくて、その特集コラムは読まなかったんだけどさ。

 何らかの障害を抱えてる作曲家なんかいっぱいいるんだけど。ベートーヴェンがもてはやされるのは、彼の曲(「運命」って、別にベートーヴェンがそういう名前を付けたわけじゃないんです)から「ご立派な人生」を日本人が勝手に捏造しているからなんですよね。フォーレだって晩年は聴覚をなくしてた。バッハは失明した。シューマンは精神に異常をきたした。こういう話はしかし、曲と絡めた感動話にならないから、みんな興味を持たないんでしょうね。

 元来クラシック音楽なんて、最も社会的影響力がない仕事ジャンルのように思うんだけど、TV等々のせいで、影響が肥大してしまった、ということ。で、一見関係のなさそうな、フィギュアスケートやら、オリンピックやらにまでその影響が波及してしまった。社会活動(=仕事と解釈しているが)って、どんなジャンルでも、社会に対する影響があるんだと自覚しなければだめだ、というのを改めて真剣に考えてしまうが。

 にしても、以前からつくづくウンザリしているのは。マスコミの人間って「芸術家先生様」に弱いのよね。すぐにへいこら、卑屈になる。何か事件があると、必ずと言っていいほど「作家の誰それ」にコメントを頼む、というのもその卑屈さと関係ありそうな。作家なんぞただのもの書きで、一番世間知らず人種の一だと思うんだけどなあ。音楽家だって同じさ。

 この人物についていえば。記者会見を見ても、何考えてるんだかさっぱ分からんとは思う。へんてこな主従関係ができてたことは間違いないが。感想としては。自分の曲をホイホイ他人に譲って平気でいる、創作活動なるものを舐めてる人物には間違いなさそう。でなきゃ、こんな時期に公表しないでしょ。「堂々と戦っていただきたい」だなんて、無礼きわまる。命令するなよ。何様だ!!

 でね、他人を支配するのが上手い人物は、泣き落としがかなり巧みです。「死んでやる~~」は、そういう人物がよく使う手口。死にゃせんですよ、こう言う人間は。騙されちゃあイケマセンぞ。

 
記者会見全容
コメント
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