つれづれ日記

チェリスト秋津のつれづれな日記です。

ためになる話(その1)

2009年02月05日 02時59分30秒 | Weblog
以前、NHKの「プロフェショナル」でのお話で、とてもいい話があったので、お話ししたいと思います。

そのお話は、海難救助隊の隊長さんのお話でした。

「気持ちだけでは救えない。でも、気持ちがないと救えない」

この話は、私たち演奏家にも、そっくり当てはまる話です。

「気持ちだけでは伝わらない。でも、気持ちがないと伝わらない」

とでもいいましょうか? 要するに、この音楽が好きだ。こういう感じで演奏したい!  とかいったところで、楽器を弾く技術をマスターしないとどうにもならないのは明らかですよね。  しかも、楽器の演奏技術をマスターすることと別に、楽譜の読み方や時代による演奏スタイルを勉強する必要があるために、ひと通り勉強したら理屈っぽくなりがちです。そこに、本来あるべき感性の世界や、人間の感情を読み取ることが置き去りになりがちです。
要するに、言っていることは解ったけど結局どう思っているの? ということになっているのです。
例えば、「今日は本当に楽しかった!」という文章をただ正しく発音しただけでは、何も感情が伝わらないのと同じで、そこにどういう風に楽しかったか? という感情を、声の大きさや、言葉のスピードやトーンを変えて話すと、いろんな伝わり方をするのと同じでしょう。

音符に命を与え、そこに感性や感情を乗せ、巧みに楽器をあやつり、演奏することが出来た時、初めて聴いている人の心を揺さぶることになるのです。

あーあ、でも、もしかしてプロと言われている人たちの中には、ホントによくそこまで気のない淡々とした演奏が出来るなあ? この人、音楽がホントに好きなのかなあ? と首をかしげてしまうようなこともよくあります。
それだったら、アマチュアの方々のほうが、まず先に本当に音楽を好きで愛している事が解るだけに、教えていても楽しいし、広い意味で世の中が平和になるかも知れませんね。 

どっちが幸せなのかな? て考えた時、自分がちょっと心配になってきたりして・・・?

では、また。