千葉市のプラネタリウムでN響主席らで構成された「ラ・クァルティーナ」の演奏を聴いてきた。
このチラシを見たのは、近所を走る普通のバスの中だった。
紐にくくられてバスの入り口近くにつるされていた。
240席程度の千葉プラネタリウム。座席は全てリクライニングシート。
大人1500円、高校生600円、小中学生300円。
そこでN響の主席・藤森亮一さんと3人のフォアシュピーラーが演奏するという。
「えっ! こんな恵まれたコンサートあっていいのか?」と思ったけど
現実にあるのだと思い直し、ローソンチケットを購入しておいたのだった。
今日は3.11。昼から様々な特別番組が放映されていたけど
コンサートもバッハのアリアから始まった。
4人で演奏するG線上のアリアの響きは天上のように調和し、
桑田歩さんのベースの美しさに聞き惚れた。
(自分でも何回か演奏したことあるけど大変難しい・・・)
会場はプラネタリウムということもあって、音楽に合わせて
円天井には様々な星座や宇宙の写真などが映し出されていった。
その分、会場の光は殆ど落とされていて、オペラの演奏席のように
楽譜を照らすライトだけが4人の姿をぼんやりと照らしている。
演奏を見るのはあきらめて、音楽の響きに聞き入った。
とてもアマチュアでは聞くことができない、見事に調和したアンサンブルだった。
小さな会場を埋めている人の多くは、プラネタリウムのある科学館の
会員らしく、会員パスで入場している方もいる様子だったが、3回目となった
「ラ・クァルティーナ」の演奏を誰もが楽しみに来ている様子だ。
もっとも、その驚くほどソフトな響きに心地よい眠りに着く人も多かった
前半はクラシックだったが、休憩後はタンゴ尽くしのプログラムだった。
チェロアンサンブルとタンゴは非常に相性がいいと感じた。
チェロが4人のはずなのに、バンドネオンやギターが混じっているのでは?
と何度も感じたくらい不思議で素敵な響きだった。
真面目なN響・・・というやや固定観念があったからか、
こんなにお洒落な演奏をするんだ~と驚いた。
閉演後は、ショップの前に4人がテーブルについてCD購入者への
サイン会が行われた。
めったにない機会なので、全員のサインをCDに書き込んでもらい
藤森さんには握手してもらった。
「主席チェリストの手ってどんなだろ~」と密かに思っていたけど
鍛えられたプロの手は、柔らかく厚い掌だと感じた。