最近でもなく、去年の暮れあたり読んだものですが
コーマック・マッカーシー「血と暴力の国」扶桑社
作者は1992年全米図書賞・全米書評家賞を受賞した「すべての美しい馬」で初めて知りましたが、なんとも言えぬ独特の作風で好きな作家のひとりです。
最初、作中の会話の部分にカギカッコがないのに戸惑いますが、すぐに慣れます。
心理描写が一切無く、状況描写のみの乾いた雰囲気なのに印象に残る叙情があります。
今までのものは、純文学風少年成長小説(ダサイ表現で自分でも情けなくなりますが)なのに対し、作品スタイルは同じですが今回はノアール的で、ある意味私にとっては読みやすいです。
ストーリーはベトナム帰還兵のモスが、メキシコ国境近くで麻薬密売人同士の銃撃戦あとの現場に出くわすところから始まる。
残された車両には莫大な現金が残されていた。その後、危険な殺人者のシュガーに追われ、またそれを老保安官のベルが追うという単純そうな流れではありますが、言葉に深みのある会話や含蓄のある外形描写が結局はいつもの深い読後感になってしまいます。
このモスを追う殺人者の武器が変わっていて、家畜のに使う圧縮ボンベを額に当て打ち抜くという、
文章ではなかなか想像力が働かないので、是非早く、映画で見たいものです。
そう、今回のアカデミー賞に8部門もノミネートされ主要4部門で受賞した「ノーカントリー」がこの本の映画化したもので、これでこの作家も皆が知るところとなるのかと思うと、うれしいような悲しいような、
この殺し屋の役のハビエル・バルデムという人が助演男優賞を取りハンニバル・レクターの再来だとか、
楽しみです。
コーマック・マッカーシー「血と暴力の国」扶桑社
作者は1992年全米図書賞・全米書評家賞を受賞した「すべての美しい馬」で初めて知りましたが、なんとも言えぬ独特の作風で好きな作家のひとりです。
最初、作中の会話の部分にカギカッコがないのに戸惑いますが、すぐに慣れます。
心理描写が一切無く、状況描写のみの乾いた雰囲気なのに印象に残る叙情があります。
今までのものは、純文学風少年成長小説(ダサイ表現で自分でも情けなくなりますが)なのに対し、作品スタイルは同じですが今回はノアール的で、ある意味私にとっては読みやすいです。
ストーリーはベトナム帰還兵のモスが、メキシコ国境近くで麻薬密売人同士の銃撃戦あとの現場に出くわすところから始まる。
残された車両には莫大な現金が残されていた。その後、危険な殺人者のシュガーに追われ、またそれを老保安官のベルが追うという単純そうな流れではありますが、言葉に深みのある会話や含蓄のある外形描写が結局はいつもの深い読後感になってしまいます。
このモスを追う殺人者の武器が変わっていて、家畜のに使う圧縮ボンベを額に当て打ち抜くという、
文章ではなかなか想像力が働かないので、是非早く、映画で見たいものです。
そう、今回のアカデミー賞に8部門もノミネートされ主要4部門で受賞した「ノーカントリー」がこの本の映画化したもので、これでこの作家も皆が知るところとなるのかと思うと、うれしいような悲しいような、
この殺し屋の役のハビエル・バルデムという人が助演男優賞を取りハンニバル・レクターの再来だとか、
楽しみです。