白鳥を抱く人







本日一枚の作品がセラヴィにやって来ました。
小林裕児先生の作品です。
いつものようにまったく上手く撮れて居ない事が
口惜しいです。

太陽のような暖かなオレンジの色を背に
恋人同士のような二人が白鳥を抱えます。
不思議な絵です。

真正面から見ると
幸せそうに白鳥を抱え走るような恋人同士の姿。
でも脇から見ると
一人で白鳥を抱え笑う男性
また別の方から見ると
一人で白鳥を抱え微笑む女性。

桜の木をくりぬいて作った板は
不思議な世界を作り出します。

絵に付いたガラスの羽は
真正面から見ると2枚

でも脇から見てもきれいな影が
もう一つの羽を作り出し
2枚の羽となります。

ガラスに銀箔が入った羽の陰が
ただのガラスの陰を
複雑にし、もう一つの羽をリアルに映し出します。

彼の独特の赤の色が写真では伝えらず残念です。
漆に使う水銀の多く入った赤。
独特の朱赤です。

男性の髪から出ているものは
形にならない「言葉」や「気」
伝えられない想いです。
先生は良くこんな風に強い想いを絵の中で形にして描かかれます。

女性の口角の上がった唇と爪は象徴的な見事な朱赤。
とても明るく、よどみや、迷いのない美しさと強さを持ちます。
赤い爪を持つ二つの手で抱きかかえるものは。
「幸せ」・「夢」・「希望」の象徴のような白鳥です。

不思議な世界に暫く見とれました。
心奪われました。

先生に、先日渋谷の文化村の個展でお逢いしました。
ずっと心に残っていた作品の事を先生に伺いました。
その作品は今韓国での個展に行っていることを知りました。
是非、帰って来たらもう一度見たいとお願いしました。

私が気に入ってもセラヴィに合わなくては何もならないので
本日無理を言って先生直々に届けてもらいました。

この作品は
初めて小林先生の個展で出逢った時
一目惚れしたのですが諦めていました。
「無理だろうなセラヴィには・・・」
セラヴィと気の合わなそうなものを
初めて好きになり自分でもビックリしました。

諦めきれず先生に伺えば
あれから一年近く経つのに
まだ在るという・・・
評判がとても良いのに不思議だよねとおっしゃる。
「セラヴィを待っていたのかも?」
なんて思ったのです。

「セラヴィに合わないはずがない」という
ヘンな確信が湧き始めました。

その時は来ました。

セラヴィはなんともすんなりと
その作品を受け入れてました。
何の抵抗も無く
待っていたように・・・

遊び心の中に
優しさと慈しみと愛が溢れます。

この絵は
思い出の作品となります。
たぶんとても大切な作品となります。
管理人とセラヴィが共に生き
これからもまた
共に歳を重ね生きて行く証のような作品です。

時は静かに動きます。
24年前からの絵がセラヴィには飾られてます。
何十年も掛かり集めた絵はセラヴィを作り出しました。
それでも、
それが少しづつ替えられています。
スタッフですら
解らないほど自然に替わっています。

絵を選んでいた管理人の決め付けだったのかもしれません。
「ここには合わない。この部屋にしか合わない」って
勝手な思い込みだったのです。
管理人よりずっと大きな許容量をもっていた
セラヴィのことを忘れてました。

来年の冬休みには
絵を一度全部はずし移動しようと思ってます。

ガラスの羽が
多くのお客様に
夢と希望と幸福を与えてくれる作品になれば良いと思います。

ただこの作品は
かなり主張が強く・・・

後の評価はお客様にお任せいたしましょう。
ここは皆様の別荘ですから

でもこのブログでは評価は出来ません。
セラヴィに飾ってあるこの作品を
セラヴィと共に肌で感じていただかないと

先生はどの個展会場に飾るより
此処が良いねとおっしゃって
セラヴィが「待っていた」と同じようにおしゃってました。

是非
体感なさってご評価ください。
レストランが明るく幸せに満ち満ちてますよ(^^)v


YUJI KOBAYASHI  小林 裕児 http://www.yuji-kobayashi.com/
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