Diary of Caviargirl

ホラー、ゾンビ、チェコ、虫、ヤドカリ、コマ撮り、ピンクな物事…キャビアガールの好奇心日記。

姑獲鳥の夏

2005-07-23 01:14:32 | movie
今朝、銀座で『姑獲鳥の夏』を観ました。

そこそこ期待していたのですが、いやー、正直かなりつまらなかったです。
実相寺監督、はっきり言って演出古すぎです…。
決めセリフのあと風鈴"チリーン"とか、謎解きシーンで話者にスポットライトとか、怪現象を表すのに虹色のスポットライトぐるぐるとか、障子やらいろんなところに姑獲鳥の図版をやたら投影するとか、特撮TVのような姑獲鳥の造形とか、もう観てられませんでした。安っぽくて(わざとなのかな?)
脚本もなんか…。最初にあんなに京極堂につらつら難しいことを話させたら、観客ひきます。
なんか年寄りスタッフで作った映画だなあ、という感じがひしひしと伝わってきました。
かといって、昭和20年代の街の作りも中途半端であまり魅力が感じられない。
確かに昔から変わらない監督の美学は描かれているのだと思いますが、40年前と変わらない表現使われても困ります。

実相寺監督は、けっこう好きな人だったのでショックです。
TVシリーズ『怪奇大作戦』では、名エピソードをたくさん作っています。
しかし、もう時代についていけなくなってしまったのでしょうか。

キャストは脇役まで豪華で、三谷昇(最高!)から松尾スズキまで揃えています。
京極堂を演じる堤真一は、私は今まで特に魅力を感じたことがなかったのですが、不思議な色気がある人ですね。つかみどころがない感じで。
しかし、私はどうしても永瀬正敏(関口巽役)が好きになれない! なんかとろくて、もったいぶってて鼻につきます。
小林少年ファッションで中禅寺敦子(京極堂の妹)役を演じる田中麗奈もいまいち。個人的には、看護婦役の三輪ひとみ嬢を敦子役にしてほしかったです(三輪嬢は、実相寺監督の『D坂の殺人事件』で小林少年役を演じていて、それがかわいかった!)。
ちなみに、いちばん怖かったのは、いしだあゆみでした。

呪われた産婦人科のどろどろした感じとひんやりした感じを期待して行ったのに、残念。
『妖怪大戦争』に期待するとします。

近くの席にいた二人組の女性は、終わった後、
「えっ、えっ? 何これ? 何なの? まったく意味わからないんだけど。 どうすればいいの、これ?」
とひたすら疑問形の悲鳴をあげていました。
その気持ち、よくわかるよ。

※写真は、松屋の下で買った、デザートカンパニーの"ずんだわらび豆腐"。黄緑色が美しい。