今朝のラジオ深夜便、午前1時台と4時台は安野光雅さんのインタビューの再放送。安野さんは島根県の津和野出身の画家。トリックアート的にだまし絵をうまく使い見るものを独自の世界へいざなう。安野さんの記事を朝日新聞で先日見てまだまだ元気だなあと思っていたらその後亡くなったことを知った。実はもう40年も前のことだろうか東京新宿の喫茶店でお会いして、その翌日飯能市の別荘でじっくりとお話を伺ったことを思い出した。暖炉のあるこじんまりした別荘だが、揺らめく炎の前で半生や絵にかける思いを語ってくれていたことを思い出す。
90を過ぎても元気で創作意欲溢れる安野さん。最近も新作を出し、意欲はまだまだ衰えないものだった。何か尋常な取り組みというよりはトリックアートのようにどこかでコロッとひっかける洒脱なアイデアが隠されている。人生もそうした視線で楽しもうという気配濃厚の人だった。ラジオ深夜便のインタビューで遠い昔を思い出したひと時だった。亡くなったのは去年のクリスマスイブだった。94歳と長命だった。