茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

成り上がり者

2009年06月28日 | Weblog
笹野高史さんの秀吉がとても好きです
「自分は成り上がり者だから
 自分を信頼している家来など無い・・・」
そんなセリフが今日はせつなかった
でも
そんな哀しみが
秀吉という人の審美眼に磨きをかけていったのかもです

「成る」という言葉も「上がる」という言葉も
大変素晴らしい言葉なのに
「成り上がる」は蔑視の言葉
いえ、努力しない人のひがみの言葉?
対極にあるのは・・・
セレブ?
celebrityという言葉は
本来「習慣や儀式を十分守ること」
何百年にわたって続く名門という
すでに「成って」もう「上がりきって」いる地位
でも最近使われている「セレブ」も
「あの人の努力じゃないし」みたいな蔑視とひがみの言葉?
お互い様ですね~

陸羽という人も
自分の努力で立派に道を究める人に「成り」
「茶神、茶聖、茶王、茶仙、茶祖」といわれるまでに
名を「上げた」人です
世界で初めての茶について記した書『茶経』の作者ですが
お寺のお坊さんに拾われて育った捨て子だったのです
素晴らしいお茶を点てると評判の小僧さんでしたが
そのお坊さんの仏教の教えに疑問を抱き
儒教を学びたくて寺を出たのが12歳の時
劇団で仕事をするうちに
彼の才能を見いだした人に学問の機会を援助され
文人に交わり
茶學以外にも詩、書道、史学、地学、文学でも
名を上げていきました

少年老い易く学成り難しですが
古今東西
きちんと努力をして「成った」無名の偉人が
たくさんいるように思いますが
名が「上がる」のは必然でしょうか
他人様の目のことはおいておいて
自分の素敵な今日のために
「成る」べく
一日一日をしっかり生きたいと思います