茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

百音

2013年10月19日 | Weblog
昨日、この元気な10月の新芽を摘んで
今年最後のお茶作りをしました。
さすがにお茶もおねむの季節です。

畑は今、お茶の花が咲き乱れ、蜂達が群れ飛んでいます。
その蜂達の中に入ってお茶を摘んでいる自分が不思議でした。
去年は、蜂を一匹目撃しただけでも、
もうこわくてこわくて畑に入れませんでした。
それから一年の間に何が起こったのでしょう・・・。

ブーン!と耳元を駆け抜けていっても、
服にとまっていても、
進行方向前方にブンブンいても
「ちょっと通るよ~」な感じでさくさく行けちゃいます。
テレビでよく見る、蜂の中、平気でニコニコしている養蜂園のおじさん、
それが今の私だ~と感じました。

約七ヶ月、茶畑にいた時間は長いです。
お茶を摘もうと手を伸ばすと、ささっと逃げる虫達がいっぱい。
とにかく、たっくさんの出会いがありました。
バッタと目が合うという感覚、
お互い間を計っているという感じ、
(たとえば、蜘蛛が「ここに今、巣つくってんだよ」という構えでこちらを見るけれど、
 「いや、その芽、摘みたいんだけど」みたいな・・・)
お腹の大きいバッタに道ゆずったり、
獲物を狙うカマキリの呼吸が気になったり。

今まで聞こえなかった音が聞こえるようになっているようです。
今までより見える世界に色が増えたようでもあります。
まだ聞こえないもの、まだ見えていないものを感じるようにもなりました。
ですから、
来年は、もっと、お茶の声が聴こえるようになると思います!

 
大切な人が逝ってしまったり、
子どもが巣立ったり、
戦争もなくならないし、
大きな災害も相次ぐのに、
お茶のおかげで夢を繋いでこれました。

虫の息、鳥の声、川のせせらぎ、やさしい雨や嵐、
そんな百の音が
勇気を思い出させてくれているようです。




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