茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

お茶の色

2012年09月24日 | Weblog
今日は楽しい高校茶道の日。
秋休みということで丸一日かけて
ちょっとお茶で遊ぶことにしました。

持ち寄ったお茶は6種、
媒染液は2種です。
上段がみょうばんの媒染液を使ったアルミ媒染。
下段がおはぐろの媒染液を使った鉄媒染です。
お茶は、右から
矢部の釜炒り茶、
雲南省の黒茶、
インドのCTC紅茶、
和束の碾茶、
清川のお茶の枝、
佐渡の番茶です。

こんなに様々な色が揃いました。
黒茶はなかなかいい味を出しています。
アルミ媒染はウコン布のようです。
釜炒り茶の鉄媒染もまたたまりません。
でもでも
ため息が出るほどに美しかったのが
お茶の枝を煮出した時の色です。
やさしい透き通ったピンクです。
桜の花びらのような、アセロラの飴のような・・・
いつまでも眺めていたい美しいピンクでしたが、
残念なことにその色が留まりません。
媒染液の濃度を濃くしたりしましたが
ほんのりというまでも染まりませんでした。

おはぐろ媒染液というのは、
酢と水、同量に古釘を加えて煮立て、
水分が半分になるまで煮詰めたら
約1週間ほど保存しておいて
それから釘を取りだして漉したものです。
この原液を希釈して使います。

みょうばん媒染液は
スーパーの食品売り場かドラッグストアで
みょうばんを買ってくればすぐに使えます。

三脚台に石綿金網を置いてビーカーをのせ
ガスバーナーに火をつける午後、
いろいろなお茶の香りが交互におそってきて
仕上がりへのワクワクが高まります。
青も緑も出てきません。
ピンクや黄色や紫がどこからか現れてくるのです。
お茶って面白い。

先生、ご協力ありがとうございました。
男子が中華鍋を振るって作ってくれた焼きそばも
とってもおいしかったです。

2012年09月23日 | Weblog
青茶(烏龍茶)をつくりました。
摘採から乾燥まで丸一日かかりました。
最初に葉を天日に晒して水分を蒸発させますが
これを晒青といいます。
次に室内でさらに萎凋し
数時間おきに撹拌しました。
これが揺青。
ここまでで10時間以上かかって
もう夜中です。
でも、葉っぱはまだだよと言っています。

室内は林檎の香りでいっぱいです。
このお茶の葉の中に
こんなに甘酸っぱくてさわやかな香りがいたなんて。
数時間ごとにその甘さもいろいろに変わり
その度に感動のため息をついています。
よくわからないながらも
葉の周辺や葉脈の色が変わってくるのを見ながら
お茶の合図を待ちます。

お茶畑の向かいにある
陶芸の先生の工房を使わせていただいての作業です。
この日は村内放送があって
ツキノワグマが出たからみんな気をつけなさいとのこと。
お茶の香りに誘われてクマ来るかな・・・
お茶の横でうとうとしているとこわいかな・・・
ということで
工房の前に駐車してある車に移って
運転席を倒して横になることにしました。

うとうとしていると車が揺れて目が醒めました。
クマかイノシシか地震か?
なんだったのだろうと辺りを見回している時
工房の屋根の上辺りに
青い閃光を見たのです。
きれいでした。
小さな小さなオーロラのようでした。
不思議な体験というのはいくつかあるものですが、
私にとってこれもその一つとなるのでしょう。

そんな夜も白々と明ける頃
お茶を炒って発酵をとめました。
殺青です。
それから乾燥させることしばしですが
途中でお味見、夜明けの烏龍茶です。
葉は、何色かといえば
青です。

お彼岸の朝の、青い、青い、青い不思議な一日でした。

長い間会っていなくても
いつも心の中で大きな存在であり続けている人が誰にもあると思いますが、
私にとってそんな大切な方が
半年も前に亡くなっていたのを最近知りました。
お年賀状に添えられた
「ブログの更新がなくて寂しいぞ」
という言葉が最後のメッセージになったのです。

PCのコミュニケーションチャネルは
電気の無駄遣いな気がしていたのですが、
また、少し向かいあおうかなと思ったりしました。