茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

夏越の祓(なごしのはらえ)

2009年06月30日 | Weblog
2009年も半分が過ぎました
今日は夏越の祓(なごしのはらえ)
神社に設けられた茅の輪をくぐると
この半年間の罪穢を祓われるそうな
まあなんて便利な~という感じですが
701年の大宝律令によって正式に定められたという
立派な宮中の年中行事です

なにか罪が思い当たる人も
何も悪いことはしてないぞという人も
この半年の言動を振り返り
次の半年を新たな気持ちで迎えるのに
良いけじめとなりますね

今日はまた
「水無月」という名の和菓子を食べる日でもあります
これは白いういろうに小豆を乗せた
三角形のお菓子です
小豆は悪霊ばらいの意味があり
(節分の鬼払いに豆をまくのと同じですね)
三角の形は暑気を払う氷を表しています

冷蔵庫のない時代
京都の北山では地下を利用して
冬の氷を夏まで保存していました
その場所を「氷室(ひむろ)」といいますが
旧暦6月1日になると
御所では氷室の氷を取り寄せて
暑気払いの儀式を行い
この氷の解け具合でその年の豊凶を占ったといいます
(『延喜式』)

この日、氷を口にするということは
夏の間、健康が保てるという意味がありましたから
臣下にも氷片が振舞われたようですが
当然貴重なものでしたから
庶民の口にまでは届きようがありません
そこで
庶民の暑気払いのために
氷を型どったお菓子が作られるようになったわけです
めずらしい三角形の和菓子
とても歴史のあるお菓子なのです

ちなみに茅の輪は
「水無月の夏越しの祓する人は、ちとせの命のぶというなり」
と唱えつつ
正面からくぐって、左回り・右回り・左回りと
八の字を書くように3度くぐり抜けるのですよー