茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

春節祭

2011年01月31日 | Weblog
お稽古場でご一緒の中国からの留学生お二人が
水餃子を作ってきてくれました。
今年の中国のお正月は2月3日。
国へは帰らず日本で勉強を続けるお二人が
100以上もの餃子を作って来てくれたのです。
お稽古の後、お湯をわかして茹でて
熱々をお腹いっぱいいただきました。
重いのにお醤油とお酢と豆ちの瓶とニンニクもご持参で
おいしいタレをつくってくれました。

中国の餃子は
今日初めて気が付きましたが、
ひだが中央に向かっていて
真ん中できれいに合っています。
かわいい~。
二人が一生懸命つくっている姿を思い浮かべ
ありがたくうれしく
とても幸せなプレ春節祭でした。

中国では大晦日の夜、
24時になると家族みんなで
この水餃子を食べるのだそうです。
飲み物はお茶ではなく
お父さんはお酒、
他はだいたいコーラとかだそうで、
おまりお茶は飲んでいなかったというお二人ですが、
一人は湖南省、
一人は海南島のご出身という
どちらも茶産地の娘さんではないですかあ。
って、中国はだいたいそうですけど。

海南島はアジアのハワイといわれ
茶摘みは1月下旬にはじまり、
ほぼ通年可能なところ。
アッサム種を緑茶に仕立てた五指山毛尖(ごしざんもうせん)や
同じく五指山の水滴野生茶が
柔らかな甘みのお茶として人気があります。

湖南省は
君山銀針(くんざんぎんしん)という黄茶を作る
高い技術のあるところです。
銀針は茶葉を殺青した後、悶黄という工程があり、
完成までに4日ほども時間が必要です。
この間に非酵素的な酸化が進み
独特の甘みと香りが出るのです。 
やっぱり中国茶はすごい。

お二人のおもてなしのお心のお陰様で
ご出身を知り、お茶談義に花が咲きました。
謝謝です。

磐田

2011年01月30日 | Weblog
袋井で行われた茶学の会の例会に行ってきました。
テーマは「茶業変革期の新しいお茶」。
同会にはいつもいつも飛んでいきたいものの
遠くって指をくわえているだけでしたが、
茶ポーター仲間で車を飛ばしてくださり、
やっと参加が叶いました。
小泊先生の「次代」に関する御指南、
斉藤先生の「勇気」に関する御指南、
静岡のおじさまは、素敵でありました。

せっかく袋井に行くのですから
素晴らしい農家さんに会いたいと念じたら
鈴木さんにあってこ~いとお告げがあったので、
朝6時に厚木を出て
午前中に磐田のマルヒ茶園さんを訪ねました。

マルヒ製茶さんは、
  適正な病害虫防除、生産履歴の記録、点検、保管、
  衛生管理、異物混入対策、
  製品の残留農薬検査等の安心、安全な生産管理に取り組み、
  エコファーマーとして、
  農薬の使用回数を減らし、土づくりを基本とした栽培方法で、
  環境に優しいお茶作り、安心安全なお茶の栽培、製造を行い、
  自家栽培管理茶園の原料のみを使用し、
  流通コストの掛からない生産農家直売価格で販売している
農家さんです。

農薬を少しずつ減らしていって
「いけるじゃないか」とわかったそうです。
今まで必要だとしていたものをやめてみるのは
勇気と自信が必要でしょう。

鈴木英之さんは
農家はお金儲けのための仕事じゃない、
自分の仕事の向こうに
「おいしい」という駆け引きのない評価があり、
それを目指して働く事が出来、
そのための時間を自分で工夫することができる、
だから、農業という仕事が大好きであると言われました。
かっこいい!

静岡のお兄様も、素敵でありました。



ほうじ茶プリン

2011年01月27日 | Weblog
町田の京橋千疋屋さんで
ほうじ茶プリンアラモードをいただきました。
今までのほうじ茶スイーツは何だったのかと思うほど
ほうじ茶が全面に出たプリンでした。
ほうじ茶の甘みというよりも苦味がどん!と出ていて
それが生クリームととってもあっていました。
おいしかったです♪

ちょうど昨日も
ほうじ茶のクッキーをいただきましたが
香ばしく、さっぱりと甘くて
ほうじ茶、なかなかやるな!と
感動していたところでした。
焙煎強めのほうじ茶がお菓子には良い感じです。

ほうじ茶は
夏の大きくなった葉を焙じるものもあれば、
一番茶や玉露の茎などを焙じるものもあり、
種類によって甘みも香りも幅があります。
火の入れ方も段階があり、
いろいろ試してお気に入りを見つけると楽しいですね。
焙烙でおうちほうじ茶は楽しいです。

900日も続いていたブログに5日も穴をあけてしまうほど
実はただ今相当に落ち込んでおります。
大きなプリンアラモードは
そんな自分への象牙の舟に銀の櫂。
はあ~~~。
あとは月夜の海に浮かんで、
さあ、玄氣をとりもどさねば。
皆様、ご心配をおかけいたしました。
無事であります。
が、葉っぱかけてくださいませ~。

空白の5日間はいろいろに行事もあり
書き留めておきたいこともありますので、
おいおい足していくいもりです。

インターン募集

2011年01月20日 | Weblog
おぶぶさんが、
農で起業したい人を
インターンとして募集しています。
締め切りは今月末です。
え~~~、
一年前に募集してくれたらおしかけたのにい~。
年齢で断られちゃうけども・・・


 正直、キツい。ぬるくない。
 2年間で、あなたの精神と体と脳(知識)を
 飛躍的に変える、魂のインターン。

だそうです。
いいな、いいな。
3月スタートの半農半WEBの2年間。
春夏(上半期)は農作業、
秋冬(下半期)はWEBを駆使した業務経験を
2ターム(2年)繰り返すインターンスタイルとな。

•農業で起業したい方
•国内農業に大きなビジネスチャンスを感じる方
•地に足をつけつつ、グローバルに生きたい方
•素人から新規就農で農業を目指す方
•都会の喧騒から抜け出し、新たなライフスタイルを追い求める方
•農家である実家を継ぐが、新たな視点・方法が必要と感じている方
•インターネットを活用し、農業をしながら田舎から世界や都会とつながりたい方
•情報発信しながら農業するデジタルとアナログのスペシャリストになりたい方
•宮沢賢治の世界観に共感する方     など

素敵な仲間がまた1人おぶぶさんに加わるのですね。
楽しみ楽しみ。

左利き

2011年01月19日 | Weblog
茶道部に
左利きさんがやってきました。
「左で点ててもいいですか」
という質問には、
「ぜーんぜん、問題ないです」
と答えました。

「お客様に美味しいお茶をさしあげること」が
本来なわけなのですから、
利き手に茶筅を持ち替えて、
心を込めて点てることが一番です。
「ただ、少しずつ右手で点てる練習をすれば、
 いつか右でOKになるわよ」と
加えると、
「え~~~ムリ~~~」。

素晴らしいのは、
お菓子をとるときです。
お箸を右で上からとって回転させて
左で持ち直しています。
シュキーンシュキーンと声も出ています。
そして、
「この場合、左手前からですかね」との質問。
すばらし~~~。
後の方のお菓子に手がかからないという意味で
そういうことになります。

お道具組みが右利きでできているわけですから、
左では何かと扱いが悪いです。
お炭手前なんぞ、大変です。
ならば、
左利きの人がお炭をついだり、
お茶を点てるなら
左利きで扱いがよいように
道具を組み直せばよいのではないかしらと
思ったのですが、
混乱してきました。

道具の扱いの右左には
陰陽がありますが、
あれ?
茶碗は陽の道具で、
中に陰のお茶が入っていて、
左手が陽で
右手が陰なら、
右手でお茶碗を押さえて、
茶筅を左で振るというのは
正しいのでは?

逆勝手ならぬ
「左利き勝手」でお点前をすると
なにがどうなるのか、
ちょっと組み直してみたくなりましたが、
その時々の陰陽の意味が
大いに混乱してきました。
う~ん。


『番茶と日本人』

2011年01月18日 | Weblog
昨日から、
ラジオ第1 放送で
中村羊一郎先生のお話が始まりました。
木曜日まで4夜連続です。
午後11:20スタートの番組「ないとエッセー」で                     
「日本の茶、アジアの茶」というタイトルでのお話です。

中村先生は、
静岡産業大学教授で、
「番茶」をめぐり
民俗学的、文化人類学的に研究をされています。
昨日のお話は、
戦国期に庶民の日常茶として
番茶が飲まれていたことが
宣教師の記録にあるということ、
今日は、
ばたばた茶のお話、
明日は雲南・ミャンマーです♪

『番茶と日本人』
吉川弘文館
1998年7月発行
 お茶は、
 日常茶飯事といわれるほど日本人の暮らしに根づいている。
 かつての庶民の茶=番茶を求めて
 国内外を行脚し、
 産地・製法・利用法を比較分析する。
 列島文化の成立ちを
 グローバルな視点から描く日本文化論。
   (Amazonより)


『中村羊一郎のお茶しませんか』
羽衣出版
2010年9月発行
 庶民の番茶文化研究の第一人者が、
 日本とアジアにわたる現地調査の折々に、
 見たこと、感じたことを、
 やわらかい筆致で描いたエッセイ集です。
 そもそも、「お茶しませんか」という言葉は、
 なぜ、生まれたのでしょうか?
 茶・食・酒との関係は?
 番茶の世界にとどまらず、
 手揉み茶の歴史や、茶輸出の実態、酒と茶の戦いなど、
 まさに全方位のお茶談義を展開します。
 お茶の現場と人との関わりを見事にとらえた
 口絵カラー写真は必見です。 

花びら餅

2011年01月17日 | Weblog
「うわあ~、
 餃子ですか~」
中国からの留学生が2人とも
花びら餅を見てそう叫びました。
「中国でも
 お正月は水餃子を食べます~♪」

これは
お正月にいただくお菓子で
花びら餅というのよ。
餡はいつもの小豆でなくて、
味噌餡だけど大丈夫?

「味噌~、
 おいしです~。
 え、これはごぼう~?
 甘くておいしです~。」

むかし天皇陛下とかが食べてたお雑煮を
お菓子にしたものがこれなの。
お雑煮には鮎があったのだけど、
お魚をお菓子に入れるわけに行かないので
代わりにごぼうにしたの。
(すごい説明・・・)

「ごぼうはお魚ですか~。
 中国でも、
 お正月に魚食べます。
 「魚」という字の読みが
 「余」という字と同じなので
 良いことが余るほどあるようにという意味で
 お魚食べます。」

きゃ~、なんか似てる~♪
と面白い盛り上がりになりました。
ちゃんと説明すると、
平安時代以降、宮中の正月儀式に使った
猪・鹿・鮎の塩漬け・大根・瓜などに、
室町時代以降、鏡餅も使われるようになり、
円くのばした白餅に
紅い菱餅や鮎や味噌をのせ、
火にあぶって食べるようになったものが、
宮中雑煮と呼ばれるようになり、
それを京都下鴨の御ちまき司川端道喜がお菓子に表し
正月供物として現在でも使われているのですが、
裏千家十一世玄々斎が、
禁裏より許されて初釜に起用したのが、
お菓子としての、花びら餅の始まり
ということになります。

お菓子屋さんには、
左のように上が輪になるようにありますが、
裏千家の初釜では
手前が輪でごぼうが見えるように
盛られていたそうです。

地の塩

2011年01月16日 | Weblog
中村草田男という俳人は、
死の前日に病床で洗礼を受けて
クリスチャンになったのだそうです。
「地の塩」とは、
新約聖書マタイ伝福音書5章13節に見られる
イエスの山上の垂訓の中に出てくる言葉で、
 あなたがたは、地の塩です。
 もし塩が塩けをなくしたら、何によって塩けをつけるのでしょう。
 もう何の役にも立たず、外に捨てられて、
 人々に踏みつけられるだけです。
から、出ているものです。     

当時、塩は、
食品の味付けと保存に使われる貴重なものでしたから、
イエスの言う地の塩は、
人が人としてプライドを持って生きるのに必要なもの、
社会の腐敗を防ぐものであるとし、
それらを草田男は「勇気」である
と詠んだといいます。

今日はお煎茶の初釜
「初煎会」がありました。
お家元による台子のお点前の後、
お弟子さん達の煎茶の花の披露があり
最後に玉露のお点前がありました。

煎茶のお花は、
雅題とともに観賞します。
この花を選ばれた方は、
お庭の白梅に
草田男の詩を思い出したのでしょうか。
クリスチャンの方なのでしょうか。
凍るように寒い朝も、
美しく凛と咲くその柔らかな白さに
どこからともなく元気が湧いて
この歌を添えたいと思われたのでしょうか。
日々忙しく過ぎる日常の中で、
ふと見つけた小さな花の白さに
迷いごとが吹っ切れた経験がおわりなのでしょうか。

そんなことを考えながら
お花を見るのが好きです。
見えたことのない草田男と
この花を入れられた方と
私と
白い梅を介して
ふと繋がったような気がするのです。