茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

お茶の魅力

2009年06月12日 | Weblog
開成町のあじさい祭りのイベントで
「瀬戸屋敷」という奇棟造りの茅葺民家で
すすり茶のご紹介をさせていただきました
富士山の白い雪
酒匂川に立つ鮎釣りの人々
田んぼには雲が映って
畦にはずっと続くあじさい
こうした美しい田園風景の中
水車の水音が届く奥の間で
設えを考えていました

ダイニングテーブルを入れるのも面白うそう
ちゃぶ台のオープンカフェふうも面白そう
寺子屋ふうも面白そう
煎茶席ふうにすると
お茶=茶席
お茶=正座
というような堅苦しさを引きづりそうだったので
古民家の生活感の中で
すすり茶をさりげなく試していただけるような
工夫をしたかったのです
縁側に座布団を置いておいて
適当に人が集まったらさあ一服みたいな

でも、結局は
ちょっとお煎茶席ふうな「和」な感じにしました
それはお客様がそれを求めていた
というような印象があったからなのです
蓋碗でお茶をいただくこともびっくり
お茶の甘さにびっくり
お茶の葉を食べてびっくり
たくさんのびっくりがあって
皆さん、本当に喜んでくださるのですが
でも一番多いご感想が
「ちょっと違う時間」がいい
たった15分
ちょっと違う空間に身を置いて
こうして3煎のお茶をいただくことで
こんなにほっとするなんて、とおっしゃいます

喉が渇けば水を飲み
心が渇けばお茶を飲む

お茶って
本当にただの飲み物ではないのですね
今日のお客様は年配の方が多かったのですが
お茶とじっくり向かい合って
お茶と良い時間を過ごされて
「あ、そうだった」と
なにか思い出したかったものに気づいたような瞳

皆様の「ありがとう」が本当にあたたかく
私もとても気持ちのいい一日を
過ごさせていただきました
本当にこちらこそ、ありがとうございました