茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

幸せでいる責任

2014年03月18日 | Weblog
今日は、茶道教室をさせていただいている大学の卒業式でした。
この一年、アジアの国々から留学している皆さんと
時に筆談を交わしながらお茶のお稽古を重ねてきました。

ひとコマ45分が月に2回でワンクール半年、
しかも10名。
言葉もどれくらい通じているかな?という状態でのお稽古です。

何を伝えよう。どの部分を扱おう。
考え続けた一年でした。
どれだけ伝えられたかわかりません。
たくさんの反省を抱えながら、
でも、とても楽しかった一年を振り返りつつ、
式に参加していました。

「一期一会」とか「和敬清寂」とか
四つの漢字だけでものすごいメッセージがあると
感動していたのは漢字の国の学生でした。
陰の足でとか陽の手でという言葉に
陰陽って何ですかと聞いてきたのも道(タオ)の国の学生でした。
私の中にある先入観をたくさん正してもらったこの一年でした。

台湾総領事館からの来賓の方のお言葉が心に残りました。
この門出に当たり、
ご家族や先生などお世話になった方へ感謝するために
「あなた方には幸せでいる責任があります」
とおっしゃられました。

幸せでいる責任・・・
式典の間、ずっとこの言葉が心に響いていました。

誰一人、紙を読まない卒業式は、初めての経験でした。
とても心のある卒業式でした。
夢を持ち、努力を重ねている若い命が
本当に愛おしく感じられました。

小さな選択から大きな決断まで
日々、岐路の連続です。
迷ったときは、美しい方を選べるようであってほしいと
そう願ってさよならをしました。