茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

水の日

2009年07月31日 | Weblog
8月1日は「水の日」
7日までが「水の週間」で
各地で水を学ぶイベントが行われるようです
水のありがたさを知ろうという一週間
よし、水なしでひと点前トライしてみようって
まず手が清められませんでした
これではお茶、はじまりません

利休さんが剥ぎ取ったところから
あえてさらにさらにいろいろ剥ぎ取っていった場合
最後に残るのはなんでしょう
・・・水?
お茶と茶筅が無くても
お茶碗が無くても
湧き出でる清水を手で掬っていただく時
そこに
「茶の湯」があるような気がしました

その心を市中に持ち込む時
茶室ができて
道具ができて
最低二畳は必要で
水も沸かした方がよくて

ではお茶は?

水だけの世界が緑に彩られた時
そこには人の歴史が色づいているように思います
神農帝が毒消しに使った茶葉
騎馬民族が野菜代わりに携えた団茶
禅僧が眠気覚ましに利用した抹茶
文人が風流を語るに喫した煎茶

ただの葉っぱの効用を
古代から人はよく知っていました
養生の仙薬で延命の妙術
限りある命を持つ人が「茶」なら
永遠につながる神が「水」
やっぱり
茶の湯は水と茶があってのもの
よき茶を活かす水
よき水で点てられる茶

茶人という人は
名水を求めることに何よりも熱心でありました
ならば
水環境が悪化している現代の茶人は
ちょっと環境運動しないといけません
この一週間は
近くのイベントに立ち寄って
もっともっと水の勉強をしてみたいと思います

画像は
1日100万トンの水量を誇る東洋一の柿田川湧水

茶殻

2009年07月30日 | Weblog
あっちからもこっちからも
ミスドの抹茶チョコファジおいしかったと
ごほーこくいただいて
ますます
頭の中ファジファジしてきました
こーゆー時に限って
なかなかミスドがないものです

キッチンをふと見れば
チョコクランチがある
抹茶もある
練乳もある
ウイスキーもある

熱い抹茶を濃く点てて
練乳でマーブル風にして
チョコクランチをトッピンgoo~
どーしてウイスキーをいれたかって
もう魔がさしたとしかいいようがありません


ぜ~~~~~んぜん
おいしくない
味が全部バラッバラ
アイスクリームを入れさえすれば
きっとすべてがつながったような気がするのに
なんか
はでに悲しい今日

こんな気分を慰めてくれるのは
静岡にいる
茶野まこちゃんと茶野こころ君
まこちゃんちのお茶の間には
こどもに還って
「おかあさ~ん、おやつ~~~」と
言ってみたくなる雰囲気があります
「おかあさ~ん、抹茶ファジ~」

お茶を使ったメニューがいろいろ紹介されていて
(ちゃんと管理栄養士さんいるし
今日は
炊飯器で作る抹茶ケーキが紹介されていました
おお
これなら今すぐできそうです
ウイスキーはいれないいれない
茶殻入り大根サラダとか
抹茶のサンドイッチも
とてもおいしそうです

さて
この茶殻という言葉ですが
「茶殻入り」というのが
「茶葉入り」だと誤解を招くでしょうか
「茶葉」というと乾いた状態のものを使うイメージ?
すすり茶の紹介の時も悩みます
講座ではあえて
「柔らかくなったお茶の葉」なんて言うのですが
「柔らかくなったお茶の入り大根サラダ」ではねー
なにか
かわいいネーミングないかしら


2009年07月29日 | Weblog
茶道具には魚紋が割とあります
大きな魚が描かれた沖縄の水指
そこからお水を汲まれるのが
長い間とても気になっていました
なんか
生臭い・・・
city girl でした
夏茶碗に至っては
お茶碗の中にメダカが泳いでいたりして
なんか
白魚の躍り食いを思い出してしまい・・・
苦手でした

魚紋は
清き水とか流れている水をイメージする仕掛け?
でも、水清ければ魚棲まず、などというし・・・
いろいろ考えてきました

1953年
中国陜西省西安の東に半坡遺跡が見つかり
出土した陶器の文様に多く魚紋が確認されました
「人面魚紋」もあったそうです
遺跡は7000年も前のもの
魚紋盆は
日常の食器というより
富や繁栄を祈る祭器という性格もあったそうです
魚は神格化されていたともいわれています

中国語で「魚」は「余」と同音で
富・再生・調和を示すとか
こんな理由から中国の陶器に魚紋が多く
日本も影響を受けているのでしょうか

また
キリスト教においても
魚はキリストのシンボルで
「洗礼盤」はラテン語でpiscinaといい
直訳すれば「魚の池」を意味するのだそうです
ん?「水清ければ魚棲まず」はどうなっちゃうのだ?

「心に魚の棲む人」という言い方があるそうです
まっすぐな川にはなかなか魚は棲みつかないけれど
曲がりくねった川には魚がいる
だから
心に魚の棲む人は
蛇行、緩急、淀み、本流などがある人
褒め言葉です

「清いということ」を考えなさいと
魚の水指は言っているのかな
この金魚ちゃんも

ミスド

2009年07月28日 | Weblog
「ミスタードーナツで
 抹茶チョコファッジを頼んだのですが
 あまりの美味しさに写メしてしまいました」
と巨大チョコファッジ画像が届きました
「あまりの美味しさ」だなんて
い、行かねばと
さっそく本日
中野の商店街で見つけたミスドに並んだのに
「当店にはありまっせ~ん」ですって
(そんな言い方してないですが)
それで抹茶系のドーナツ
「ポン・デ・抹茶ミルククランチ」にしたところ

おお~、これも、おーいし~

  抹茶を練り込んだポン・デ・リング生地に
  玄米パフ入りの
  ミルククリームをサンドして
  抹茶チョコをコーティング
  玄米パフのカリカリ食感が楽しめます

だそうです
カリカリ感よりモチモチ感がたまらぬ一品でした
ミスドも10年ぶりくらいで
懐かしいひとときでした

時々こうやって
お茶関係のおいしかったとかひどかったとかの写メが届きます
うれしいかぎりです
「ひどかった」お茶というのは
とても飲みきることができなかったというコメント付き
そんな「ひどい」お茶ってどんな?
と思っても
さすがにこちらはトライしてみる気になれません
たしかに
ただのお水?みたいなウーロン茶とか大きなコップで出てくると
すっごく哀しくなります
そういうお茶のことかな

一つの商品を開発するためには
何度も何度も試食をするんでしょうね
参加したいな~
でも食べ続けていると
わけわからなくなってしまいそう
お茶のテイスティング調査でも
余りお茶を飲まない人と
よく飲む人、お茶仕事にしている人とでは
おいしいと感じるお茶のランキングが違うそうです

商品化するって難しいのでしょうね

食物繊維

2009年07月27日 | Weblog
すすり茶の講座に来て下さった方から
うれしいお話を伺いました
彼女自身すごく面白かったので
別の機会にお母様を連れてきて下さったのです
お母様はお茶大好きで
70年この方お茶のない日なんてないわという生活をされています
そんなお茶大好きママですが
「お茶の葉を食べる」というのは初めて
目から鱗、文明開化、未知との遭遇だったそうです

その日から
お母様はもうお茶の葉が捨てられなくなってしまい
食卓にはいつも
なんかしかお茶の葉が並んでいるとか
佃煮、お浸し、ふりかけは当然
最近はお茶の葉を使い切りたいがために
クッキーやパンなども手がけ
お料理のレパートリーがどんどん広がっているそうで
うれじい~~~


その結果
とってもお腹の調子がよい!という実感
お茶の葉を食べる効用を
皆さんで体感してしまっているのだそうです
み、見習わねば!

茶葉の持つ不溶性食物繊維は
100g中43.5g
食後にご夫婦でお茶を飲むのに5g使ったとして
その時の食物繊維は2.2g
これはどういう量かと言いますと
バナナ一本(100g)には1g
リンゴ一個(300g)には3.6g
さつまいも一本(130g)には3.1g
ごぼう一本(110g)には3.7g

毎日リンゴを一個食べているような生活が
続いているのですね
ビタミンE、βカロテン、ミネラル類も
摂れていますし
どんどんお元気になっていただきたいものです

お茶の防臭効果や消臭効果
除菌殺菌のお話などもしたら
またまた生活が大変なことになりそうですね
くくく
遊びに行くからね~

一座建立

2009年07月26日 | Weblog
『天地人』で今宵利休さんが自刃なさいました
NHKでの利休さんキャラは
陰の黒幕風ではなくて
聖なる茶人でした
命を賭して守った「利休の茶の湯」
世の中に権力に屈さずに果てた人は山のようにいるでしょうが
利休さんの死は
茶の湯が神聖なものという物語を定着させ
今でもその型を学ぶことが
精神修養の場となって続いているのですから
70歳となった利休さんにとって
悪くない最期だったかとも思えます

先日「貴人清次」のお稽古をしました
身分の高い人が見えたときのお点前が「貴人点て」
その人がお伴を連れてきたときが「貴人清次」というお点前になります
最初にこのお稽古をした若き日
茶室の中は身分に関係なく平等であるはずなのに
茶室に入るときは俗世の考えは捨て去って入るはずなのに
どうして
貴人さんにはお茶碗を台に乗せたり
亭主は頭を下げて控えたりするのか
そんな差別ありありのお点前の意味が
わかりませんでした

「差別」ではなく「区別」ということかな
茶室は「教育」の場ではなく「和敬」の場ということかな
などなど年々いろいろに思ううちに
この道具は右左
この道具は左右
これは上から下
こちらは下から上
様々な約束事が愛おしく感じられるようになり
それに従うことが清々しい気持ちでいられるようになり
「竹有上下節(竹に上下の節有り)」というお軸も
とってもいいなあと考えるようになりました

人それぞれに人生がある
人それぞれに役割がある

和敬という方法で平和を建立しようという願いに
付いていきたい
定めのないいつかを待てるようでありたい

桑の葉抹茶

2009年07月25日 | Weblog
メタボという言葉に敏感なお年頃で
「桑の葉抹茶がいいわよ」と聞いた時は
桑の葉の粉末の煎じ茶かと思ったのですが
ちょいと調べてみたら
ちゃんと抹茶を作るための碾茶炉で作られているのです
しかも所は浙江省紹興
すっご~い

手がけていらっしゃるのは
茶どころ八女のお茶師さん
完全無農薬の茶作りをしてみたいと思った時に
汚れのない土地を探すのが一苦労で
中国まで行ってしまったと言います
中国と言えば
無農薬のお茶ですと言われても信じられないというような
イメージが定着してしまっていますが
あの広大な農地を思えば
農薬未体験ゾーンはいっくらでもあるでしょう

紹興酒で有名な水の都は
お茶作りにも適していて
夢の完全無農薬茶栽培が実現したそうです
そのころ
紹興はシルクでも有名であることから
桑の栽培も始め
その効用を知るや
桑の葉抹茶の製品化にいたったということです

桑の葉の効用については
例の『神農本草経』にすでに記されており
また
かの栄西禅師の『喫茶養生記』にも取り上げられています
『喫茶養生記』は別名『茶桑経(ちゃそうきょう)』ともいわれていて
上巻には茶の効用
下巻には桑の効用が収められていたのです

長い間桑の葉は煎じ茶として利用されてきましたが
葉っぱ丸ごと摂ることができるようになるなんて効果絶大!
その陰に
京都から運ばれた碾茶炉が活躍していたとは
神農帝も栄西もカンドーですね
しかも緑茶の抹茶とのブレンドだなんて
800年の時を経て
『喫茶養生記』が一服の抹茶になったわけです♪

健康にもいいですけど
桑の葉丸ごと摂ったら
博多人形のお肌みたいになるかしらん

ロシア

2009年07月24日 | Weblog
逗子長嶋屋さんの今日のお菓子です
ご銘は「向日葵畑」
向日葵というお菓子は何度か経験がありますが
「ひまわりばたけ」という響きは
一気にソフィア・ローレンの世界に
連れて行かれました
スクリーンいっぱいどこまでも続くひまわり
20代の時に見た映画「ひまわり」の印象は鮮烈でした
あの頃
何かの機会に何度か「茶道」に誘われることがありましたが
お茶なんて「けっ」てなものでした
人生というのはわからないものですね
あの映画が一面の茶畑だったら
だめだったのでしょうか・・・
だめだったのでしょう・・・

ロシアは
お茶をたくさん飲む国です
インド、中国に続いて
お茶の消費量が高く
茶畑もどーんとあります
19世紀末に
コーカサス地方の黒海沿岸で
お茶の栽培ははじまり
旧ソ連の頃は相当な量を生産していました

最近はもっぱら紅茶を輸入していますが
昔は日本の緑茶が輸入されていました
大正から昭和にかけて
日本の緑茶輸出の3割ほどはロシア向けでした
中国茶に慣れていたロシアの人達に
日本の煎茶は余り評判がよくなかったので
対ロシア向けに
中国茶に似た釜炒り茶を輸出するようになり
日独伊三国同盟締結とその後の世界大戦まで
順調に貿易は拡大していたのです

そんな輸出向け釜炒り茶は
北アフリカやモンゴル、そしてアフガニスタンにまで
輸出されていくようになりました
中世の頃から
渡来人に学び九州に根付いていた日本の釜炒り製法が
近代になり
北鐵代償物資取引商品としてロシアに入っていき
商品として技術として世界にひろがっていきました
地球に広がる一面の茶畑~!?
世界の茶栽培面積は2,561,000haです(2005年)

日影茶屋

2009年07月23日 | Weblog
今年初めての花火です
葉山の森戸海岸の花火

国際湘南村という山の上から見ていました
眼下にはずい~と三浦半島の海岸線が続いています
葉山というのは三浦半島の入り口に位置するので
鎌倉時代には三浦一族の要塞の場でした

もともと風光明媚な場所で
良質な湧水にも恵まれ
新鮮な魚がばんばん捕れるので
旧石器時代の遺跡も多くある
本当に豊かな地域です

鎌倉時代には
この森戸一帯は
源頼朝の別荘だったそうです
頼朝が訪れたときに鐙が緩んで摺れたという場所が
有名なラ・マレード・チャヤのある鐙摺(あぶずり)です
江戸時代になって
三浦半島全体が天領(幕府の直轄地)になると
このあたりはプチ観光地となります
「日影茶屋」は日本で初めての茶屋ともいわれていて
海で遊ぶ人々の休憩の場所でした
お茶をするだけでなく着替えたり宿泊したり
海の家のような民宿のような


やっぱり出てきたお茶は
大きな煮出し薬缶でつくった
お番茶なのでしょう
旅籠とよばすに茶屋と称したその場所からは
富士山が大きく見えるのです



番茶

2009年07月22日 | Weblog
暑い日の冷茶もさることながら
熱々のお番茶もたまりませぬ
お塩をちょっと入れてみたり
梅干しや塩昆布を入れてみたりすると
汗をかく夏の水分補給にももってこいです

番茶というのは
新茶に対して番外編のお茶とか
遅い時期に摘んだ晩茶からきているとか
いろいろですが
つまり
新茶の新芽ではないお茶ですね

新茶の時季の積み残しとか
6月過ぎに摘んだ二番茶三番茶とか
ちょっと葉っぱが大きく強くなったお茶が一般的です
でも品質が落ちるかといえば
落ちるどころか
カテキンの量は増えますから
お腹を壊しやすい梅雨から夏には
熱々のお番茶をいただくのは理にかなっています
成分が減るのはカフェイン
ですからお番茶は子供によいといわれています




水の硬度

2009年07月21日 | Weblog
イギリス館の今月のテーマは「水」
あづい~とお集まりの皆様に
2種のウェルカムティーをお出ししました
同じ茶葉で
氷出ししたものと
熱く淹れて氷に注いで急冷したものです
氷出しの方はまろやかな甘さ
ロックでお茶の方はお茶の味が濃い冷茶でした
皆様のお好みは半々くらいでした

次に同じ茶葉を5種のお水で淹れてみました
今日は産地ではなく硬度の違いで遊びました
硬度とは
カルシウムやマグネシウムの量を表す数値で
100以下を軟水とよんでいます
日本の水道水の基準は
硬度300以下で
その値は地域によっていろいろ
水道局の水質検査によると
横浜の水は42~61となっています

教科書的には
お茶は軟水で淹れましょうなのです
硬度が高くなると
白く濁って見た目も悪いですし
味も香りも落ちるからです

でも実は
超硬水で淹れたお茶も
私は嫌いでなかったものですから
皆さんはどうかなあと
今回は楽しみにしていたのですが
「硬水でお茶」は
結構評判がよかったです

硬度30くらいの某軟水はgoodでしたが
同じ硬度の軟水でも別のブランドはbooでした
Volvicは外国の水だから硬水と思い込んでいましたが
硬度60の軟水でなかなかgoo
そしてそして
硬度1400のゲロルシュタイナーが
見た目は確かにおいしそうではないけれど
「夏はいいかも」と支持をいただきました

ひそかに炭酸煎茶が好きな私
あ~よかったと安心しました
そして何よりも
「なんでもやってみればいいのね」
という発見をしていただけたことが
とってもうれしかったです
そう
お茶の淹れ方に決まりなんてないのですから

愛の対語

2009年07月20日 | Weblog
北鎌倉の円覚寺さんで
中西進先生のお話を聞いてきました
演題は「失われた万葉の心」
日本にお茶が伝来するようになる頃
万葉の人の心はどんなだったのでしょう

あが恋はまさかもかなし草枕
  多胡の入野の奥もかなしも

たまきはる命は知らず松が枝を
  結ぶ情は長くとそ思ふ

「かなしい」という表現は
大和の言葉ではなく東国の方言でしたが
万葉集の編者大伴家持は
この言葉を見つけ出し
万葉の世界を編むキーとして持ってきたそうです

「恋」は「乞い」
相手の魂を乞う想い
愛する人の不在が
「まさか(今)」も「奥(未来)」もかなしい
かなしいと感じるのは
愛を抱きしめているから
この「愛を抱く」心こそが万葉の心だそうです

そしてそれは
永遠なるものへの信頼に裏付けられている
「たまきはる命」は「魂極まる命」
命の終わりではなくて無限の命
「命」は鼓動ではなくて
命に向かう恋という表現もあるように
存在を永遠たらしめるもの

だから「愛」の対語は
「憎悪」とか「無関心」とかではなく
「死」
「愛(エロス)」とは永遠への欲求

蝉時雨の降りしきる方丈は
夏期座禅合宿の人であふれていました
(私はちょこっと参加者)
霞ヶ関はダメだけれど円覚寺はすごいね
日本人は大丈夫だねと中西先生
様々な年代の人が
とても真剣に中西先生の一言一言に
それぞれの人生を重ねているようでした

その愛を通して
自分は永遠たるのか
人への愛も
職への愛も
国への愛も
かなしいほどに抱きしめられる強さ

万葉人の信じた永遠のその先で
今、たくさんの人が愛をかみしめているから
・・・大丈夫

そっか

2009年07月18日 | Weblog
これは車の後部座席
真ん中のテーブルを利用して
急須でお茶を淹れたところでーす
先日、長ーいドライブのはじまりに
濃ーいお茶を淹れてあげるね♪と
取りいだしましたるお茶道具
「えー、まさか急須でお茶とは~~~」
うれしいリアクショーン

みんな
私がお茶を持ってくると期待している
水筒にお茶ではつまらないし
よし!急須でお茶を淹れたろうでないかい!
なんて
そんな動機ですみません
でもでもでも
これ
なかなかいいです

車ですから
荷物、問題ないですし
お菓子をいただいて
濃いお茶をいただけば
安全運転まちがいなし!
「そっか」
そうすればいいんだねと
みんな、とても、納得してくれたりして
揺れが
それなりにスリリングでしたが
それも楽しいし!
是非皆様もお試し下さいませ

今日も夕方ちょっとした集まりがあったので
大きな水筒に茶葉と氷を詰め込んで持って行きました
煎茶茶碗も10個持って行きました
茶こしも布巾も持って行きました

あちーあちーと
汗びっしょりで集まってくる皆さんに
キーンと冷えた緑茶をお出しすると
「なにこれ・・・」
ということになります
一口の緑茶が
口の中をさっぱりとさせ
その濃さが
乾きを落ち着かせるのでしょう
ペットボトルだったら
一気に一本あけてしまいそうなのに
一碗の緑茶の威力たるや
すっごいです
「そっか」
そうやって水筒でもちあるけばいいんだねって
そんな言葉がとってもうれしかった今日でした

パリ博

2009年07月17日 | Weblog
ラリック美術館のテラスには
静かに雨が落ちていて
「すすり茶」講座はレストランでの開催となりました
アールヌーヴォーの世界に浸ったあと
お茶のお席につかれた方に
足柄茶のティー・ヌーヴォーがお届けできたかな

1970年大坂で万博が開催されましたが
その第一回目は1851年のロンドンに遡ります
日本は
第二回目のパリ博から参加しています
20名ほどが横浜港を発ち
2ヶ月の船旅を経てパリに入りました
万博会場で人気を集めたのは
茶屋風の日本家屋
本物の柳橋の芸者さんが煙管で煙草を吸ったり
お茶をたてたり
日本の日常生活を演じてみせたといいます
仕掛け人は浅草天王町の商人清水卯三郎
かっこいいですねー
卯三郎さんも芸者さんも!
その浮世絵の世界の中に
お茶があった!
これぐらいの仕掛けをしたいものです

日本に「お茶」が根付いたのも
尊敬すべき禅僧の日常に抹茶があったし
仰ぐべき文人の傍らに煎茶があったわけです
日本のアールヌーヴォーは
着物も音楽も書も美術も料理もお茶も
中国からの風に促されてきました

足柄のすすり茶は
蓋碗という明の時代の茶器と
温度を変えて3つの味を楽しみ
最後は茶葉を食べてしまうという
科学的にお茶の味わいを楽しみ尽くした
お茶の効用を解き尽くした
とっても新しい方法が一体となった
まさにティー・ヌーヴォー!

「甘~~~い」
お客様の驚いた瞳は
たぶん150年前のパリ博にもあっただろう喜びに満ちた驚きの瞳
足柄のすすり茶は本当にティー・ヌーヴォーだと
またまた確信してしまった一日でした