茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

一期一会

2009年06月03日 | Weblog
昨日の港の見える丘公園は
熱い陽射しのもとで
バラの香がよけいに強く感じられました
海風は涼しく
ベンチには本を手にする方の姿がありました
前回もそう思ったのですが
一人でおしゃれをして
バラを見て
ゆっくりベンチで本を読んでいる
そんな方々がけして少なくないのです

イギリス館に置いた「どうぞお立ち寄りください」という
案内をご覧になって来てくださった方々も
皆さんお一人でした
そして
「これだけご準備するのは大変だったでしょう」
「横浜のことがよくわかりました」
「お茶がこんなに歴史を語るなんて思いもよらなかった」
「戦後の横浜を思い出した」
「おいしいお茶を本当にありがとう」

あたたかい言葉をかけてくださって
なんだか昨日という一日は
お茶のご紹介をしたというより
とても励まされた、不思議な一日でした

窓越しの枇杷が色づいていて
また母を思いました
私が嫁いだ後
自分に課すように「一人を慎む」とよく言っていました
一人でも
一日だらりと過ごしたり
食事をいい加減にしたりしない
一人でもきちんと過ごす
そう言って母は俳句を始めました
頑張っていた・・・
私のお茶もきちんとした老後のためかもしれません

初めてお会いする方で
もう二度とお目にかからないかもしれない方に
お茶をお淹れして
相対してお話をする時間
戦後の横浜の話をたっぷり聞かせてくださったり
来月は枇杷のむこうに合歓の花が咲くと教えてくださったり
いろいろお話をうかがっているうちに
胸が熱くなることもありました
お立ち寄りくださった皆様
本当にありがとうございました

お茶って
しみじみ
ありがたい