茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

ふわっとした抹茶

2009年06月22日 | Weblog
カプチーノのように
ふわっと泡だったお抹茶は
舌触りもクリーミーで
甘みが増すような気がします
お稽古をしていても
みんな
このふわ~を目指しています
やはり明らかにおいしいからです

『茶の湯の科学入門』(堀内国彦著淡交社)には
茶筅強く使うと
茶葉のサポニンの界面活性作用により泡が立ちやすくなり
この泡が茶に含まれる刺激の強い物質を囲むので
お茶がまろやかになる
といった説明があります
科学的に「ふわ~→甘い」でよろしいようです

ですから
イベントでお抹茶を紹介するときも
このふわ~をお伝えしたいと思うのです
でも
これはなかなか熟練の技
そう簡単にはクリーミーなお抹茶はできません
とすると
お抹茶と茶筅があっても
「うで」がなければ
おいしい抹茶が飲めないと言うことになってしまいます
これではお抹茶の販促になりません
ただでさえお抹茶というと
お茶碗は何回まわすのかとか
お茶は何回で飲むのかとか
そうしたルールを気にしてしまう方が多いのですから
ますますお抹茶は遠いものになってしまいます

国際交流の時も悩みました
おいしいお抹茶をお点てして飲んでいただくか
各自茶筅を振ってもらって自分で点てたお茶を飲んでいただくか
「体験」は楽しく盛り上がるのですが
お茶を口にしたときの皆さんの反応が
私的にいまいちなのです
ふわ~としたお抹茶を口にしたときは
目が違う
星マークいっぱいで「オイシー」と喜ばれるのです

気楽に抹茶を飲んで欲しい
ふわ~でもぱしゃぱしゃでも
でも
茶農家さんが少しでも甘くおいしくと
努力して育てた茶の葉のことを思えば
少しでも甘くおいしく飲んでもらうように伝えることが
やはり私の仕事だろうと思うのです
茶筅一本、さらしに巻いて、世界に旅立たねば!
(古っ)

茶禅一味は必然なんだと思う今日この頃です
何を考えながらお茶を点てるか
それが「ふわ~」の秘訣だと思うからです