茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

雨後清雅

2009年06月23日 | Weblog
今日の煎茶のお稽古は
紫蘭の葉っぱをお盆にしました
瓢杓という柄杓を使って
お水で遊ぶような
それはそれは楽しい夏のお手前です

花は紫陽花と百合と枝ものの青葉
紫陽花が「雨後」を表し
百合が「清」を表します
雅題は「雨後清雅」
梅雨といえば雨ばかりでうっとうしくて
という印象は
こうした工夫で
視点を変えることができます
雨が降れば雨の後が楽しみになります
素晴らしいですね
文人エライ

今日、先生が選んだ百合は
ひめゆりでした
今日がちょうど沖縄慰霊の日だからです
1945年(昭和20年)の今日
太平洋戦争の沖縄戦が終結したとされています
小学校一年の時
学校の図書室で
ひらがなの『ひめゆりの塔』を読んで
その夜怖い夢をいっぱい見たというお話を伺いました

私も
ずいぶん小さいときにこの映画を見て
「何」と戦っているのかと
母に聞いたことを思い出しました
「何」に彼女たちはおびえ
「何」に彼女たちは殺されなくてはならないのか
わからなかったのです

犠牲者は20万人にも及ぶといいます
一人一人の名前も
それぞれの死にゆく過程も
すべてを語り伝えることすらできない今
ただただ
人の心の弱さを思い
強くありたいと改めて思いました
人の命を奪うような解決策に
間接的にでも関わるようなことの無いよう
賢くありたいと思いました

こうして
静かにお茶をいただけることが
本当にありがたい
今、どこかで
人を傷つけようとしている人に
強くあって欲しいと祈るばかりです