茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

茶を煮る

2009年11月05日 | Weblog
『江戸漢詩選5 僧門』にある
売茶翁の詩を全部読んでみました
その中で
お茶をいれる表現のところだけを
拾ってみると

路傍烹茗瓦炉薫
 道ばたで茶を煎じていると
 茶釜から香ばしい香りがたつ

松下点茶過客新
 松の木の下で茶を淹れていると
 新しい客がやってくる

茶烹唐製自家郷
 茶は故郷から
 中国製のものを取り寄せて使う

竹炉煮茗鬻行人
 竹で作った炉で茶を煮て
 通りがかりの人に売る

煮茶渓畔汲清冷
 茶を煮るために
 川の畔で清らかで冷たい水を汲む

などなど
売茶翁の詩には
烹茗、点茶、茶烹、煮茗、煮茶と
いろいろな表現があります

点茶も「茶をいれる」という訳になっています
売茶翁は抹茶の世界を批判していたといわれ
抹茶を点てることはなかったらしいですが
場所が場所ですから
良い抹茶をもらうこともあるでしょうし
飲み物としての抹茶を点てることもあったのでは
なんて思いましたが
研究者の方によると
そういうことはなくて
やはり「茶をいれる」ということなのです

故郷(佐賀)から取り寄せた中国茶とは
なんだったのでしょう

「通天橋開茶舗」という詩にビビッときました
茶具携来黄落中
竈焼松卵煮松風
 茶の道具をもって落葉の中をやって来た
 松かさを燃料に竈に火をおこし茶を煮ると
 松風のような音がする
松ぼっくりを拾ってお湯を沸かして
お茶を煮るなんて
やってみたい
そう、松は良く燃えます
きれいに燃えます


画像は田能村竹田『高客喫茶図』の一部です


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1 コメント

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高客喫茶図について (buddy)
2016-02-24 06:16:35
竹田の喫茶図を検索していて、貴ブログを拝見しました。高客喫茶図の全体を見るには、どうすればよろしいのでしょうか?お教えくだされば幸いです。図では屋外と分かりますが、客の人数、腰掛などがあるのかどうか、水をくむのに近くに川や泉があるのかどうか、などを知りたいのです。
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