SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

PAUL CHAMBERS 「GO...」

2007年04月28日 | Bass

ポール・チェンバースは1969年1月、肺結核で亡くなっている。しかし死因は間違いなく「過労死」に違いない。
彼は50年代半ばからものすごい数のアルバムに参加している。他のベーシストはいったい何をしていたんだと思うくらいだが、それほど登場回数が多かったのは、彼の演奏技術もさることながら、性格的にも多くのジャズマンやプロデューサーから慕われていたからだろう。そういえば彼の身体は大きかったが顔は童顔で何となく愛嬌があった。

このアルバムは長年の愛聴盤である。
不思議と何度聴いても飽きがこない。メンバー全員が伸び伸びプレイしており、ジャズの楽しさがフルに味わえる。
しかもそれぞれの音がずいぶん響いて聞こえる。これは必ずしもいい録音といえるのかどうかはわからないが、少なくとも私はこのくらいのエコーがかかっている方が好きだ。音全体に奥行きがあってこれが臨場感と躍動感を生んでいる。
メンバーの中ではウィントン・ケリーが断然いい。
いつも以上にコロン・コロンと鍵盤の上で指が転がっている。こういう演奏を聴くと彼の存在感はますます大きくなる。楽しいジャズに欠かせない人だ。2曲目の「JUST FRIENDS」に至っては、これを聴いていたスタジオ内の女性がレコーディング中にもかかわらず、思わず「ケ~リ~~!」と叫んでいる。
いいぞ、いいぞ、こうこなくっちゃ。