SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

CHARLIE PARKER 「THE SAVOY RECORDINGS」

2007年04月26日 | Alto Saxophone

聴かなくてもいいが、持っていなければいけないアルバムがある。それがこれだ。
一応、パーカーのことはちゃんとわかっているという顔をしていなければ、一般的に正しいジャズファンとはいえない。好き嫌いの問題ではないし、そんな理不尽なとかいわれても、それが現実なのだから致し方ない。
じつはこうしたことがジャズをオタクっぽくさせている最大の原因だ。
私自身、チャーリー・パーカーはこのアルバムを含め数点は持っているものの、ほとんどちゃんと聴いたことがない。ただ頭の中にパーカーがいかにすごい人なのかといった極々当たり前の知識があるだけだ。

で、久しぶりにこの立派な2枚組のケースを開けて聴いてみた。
音はやっぱり悪い。演奏の後ろでパチパチ・シャリシャリいっている。最初は1944年の録音ものだからそれも致し方ない。
4曲を聴いて次は45年の録音だ。メンバーも替わってマイルスやガレスピーらが登場してくる。曲によっては明らかにノイズが減っている。聴きやすくなった分だけパーカーのアドリブは快調に聞こえるし、アンサンブルもきれいに聞こえる。
6曲を聴いて次は47年の録音。ドナ・リーから始まる4曲ではバド・パウエルも参戦してくる。何だか全員、前に前にせり出してくる感じがする。ビ・バップは本当に熱い。全員が思う存分アドリブを楽しんでいる感じがして、古くなっていた頭の中は少しずつ新しいものに変化していくのがわかる。
2枚目に移って今度は47年プラス48年の録音になる。ここではデューク・ジョーダンやジョン・ルイスが登場し、ちょっと落ち着きを見せる。全体にゆったりした演奏に聞こえるのは、そうした脇役たちのせいかもしれない。

いやはやとにかく楽しませてもらった。初めて聴いたアルバムのような気さえする。
こういうブログを書いていなければ、この作品はいつまで経っても「ただ持っているだけ」のアルバムだったかもしれない。
今度はパーカーの演奏だけに集中して聴いてみよう。きっと何か新しい発見があるはずだ。