SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

BARNEY WILEN 「New York Romance」

2007年04月04日 | Tenor Saxophone

粋な気分を味わいたいと思ったらこのアルバムを取り出す。
バルネ・ウィランの名前を知らない方も、マイルスの「死刑台のエレベーター」は知っているだろう。あの時にマイルスと共演していたのがバルネだ。
明らかに彼のサックスからはパリの匂いがする。それくらいアメリカの音とは違ったムードを醸し出している。強いて誰に似ているかといえばスタン・ゲッツに近いような気もするが、音そのものは実にまろやかだ。だから彼のサックスにパリの優雅さを感じるのだ。

そんなバルネが27年ぶりにニューヨークで録音したアルバムが本作になる。
このアルバムで特筆されるのが、ピアノのケニー・バロン、ベースのアイラ・コールマン、ドラムスのルイス・ナッシュといったアメリカの実力者たちによるバッキングだ。特にケニー・バロンはこの時絶好調だったといってもいい。彼を聴くためだけにこのアルバムを買ったとしても何らおかしくない。
エンジニアはこちらも天才ルディ・ヴァン・ゲルダー。クリアな録音がさらに彼らの演奏を引き立てる。
そう、アメリカはバルネ・ウィランに最高の舞台を整えて待っていたのだ。またそれに応える彼もさすがベテランである。
このアルバムを聴く度に、彼のアルバムは全て手に入れたいと思ってしまうのだ。