SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

SCOTT HAMILTON 「PLAYS BALLADS」

2007年04月20日 | Tenor Saxophone

先日美味しいコーヒーを飲ませるいいジャズ喫茶があると聞いてさっそく出かけた。
お店はとても清潔でそこそこに暗く、ご主人のいるカウンターの後ろの棚には有名なバーボンやスコッチなどが整然と並んでいた。
私はカウンターから見て右奥の席に座ってメニューを広げた。ご主人が拘っているだけあって、十数種類のコーヒーが細かな解説と共に並んでいた。周りを見渡すと奥で雑誌を読んでいる男性が一人、カウンターに30代と思われるカップルが一組いるだけだ。
ご主人がやってきて「何にしましょう」と耳元で囁くように聞いてきたので、苦いジャワロブスターを頼んだ。
と、まぁここまではいつもの流れだが、問題は店内にかかっている曲だ。お店に入った時はコルトレーンだったが、そのうちにスタン・ゲッツの「PEOPLE TIME」がターンテーブルに置かれた。さすがにこれには参った。このアルバム、確かに名演であるには違いないがやたら重苦しいのだ。これではせっかくのコーヒーがまずくなるだけだと思い、適当に切り上げて店を出た。
後で聞いたところによると、このお店は笑い声を立てたりおしゃべりの声がちょっとでも大きいと、すかさずご主人がやってきて、「静かにしてください!」と注意されるのだそうだ。

ジャズ喫茶のご主人たちにいいたい、お願いだからこのスコット・ハミルトンのような大らかな気持ちになれるレコードをかけて、広い心で経営してもらいたい。ジャズの品位を下げないためにも。