SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

OSCAR PETERSON/STEPHANE GRAPPELLI QUARTET 「vol.2」

2007年04月12日 | Violin/Vibes/Harp

ジャンゴ・ラインハルトと聞くと、ずいぶん昔の人という印象があって頭の中もセピア色になっているが、ステファン・グラッペリと聞くと、それほど古い人のようには感じない。この二人は1934年から40年代後半まで一緒に活躍した親友同士であったが、ジャンゴは53年に43才で亡くなったのに比べ、グラッペリは97年に89歳で亡くなるまで生涯現役を貫き、私たちに様々な場面で感動を与えてきた。
私は彼を見るたびにジャズの歴史そのものを見ているような気がしていた。
彼にしてみればチャーリー・パーカーもマイルス・デイヴィスもかなり後輩に当たるわけだし、レスター・ヤングだって彼の一つ年下に当たるのだから、ジャズなんて本当に最近できた音楽なんだなとつくづく感じてしまう。

彼と共演したミュージシャンは数知れないが、これはオスカー・ピーターソン・トリオとのセッション。
「Jazz in Paris」シリーズの2作目に当たる本盤は、ステファン・グラッペリの代表作の一つだ。
ヴァイオリンという楽器は、私たちを思いっきりノスタルジックな世界に連れて行ってくれる。だから無性に聴きたくなる時がある。しかもグラッペリのヴァイオリンはスケール感が大きい分だけイメージも広がりやすいのが特徴だ。
ここではオスカー・ピーターソンの軽くて小粋なピアノをバックに、切々と曲を歌い上げている。「The folks who live on the hill」なんかもう涙ものだ。
ジャズファンなら一度は聴いてほしい。改めて彼の偉大さを思い知ることができるだろう。