「東海原発 廃炉先送り ごみ処分場決まらず」
昨日の朝日の第1面の見出しです。 1998年に廃炉を決めたにもかかわらず、解体後に出る廃炉のゴミを埋める処分場がいまだに決まらないからだというのです。 この地震大国日本では何万年にもわたって安全に危険な核廃棄物を保管できるところなどあろうはずがありません。
原発推進派がいくら頑張ってみても、数年もたたずに使用済み核燃料の保管場所さえ満杯になるそうです。 また運転開始後30年をこえ廃炉になる原発も15基ほどあるのですが、これとて処分場のあてもないのです。 安倍総理は「運転できる原発は動かしていく、原発ゼロは非現実的」などと相変わらず主張していますが、小泉元総理の言を持ち出すまでもなく直ちに「全炉廃炉」のほうがよほど現実的ですし、八方ふさがりの原発は自滅せざるを得ないところまで追い込まれているというほかありません。
福島県内では除染が行われていますが、除染廃棄物の中間貯蔵施設の選定がままならずそれぞれの地域に分散して保管するか同じ敷地内に埋めるなどの処置をしています。 いのちを蝕む危険物を身近に置きたくないというのは生物の自然な感覚でしょう。 誰も引き受けてのない危険な放射能を増やし続ける原発をつづければ経済的にも膨大な負の遺産ばかりか、未来永劫にわたり莫大な核廃棄物さえ抱えて生きる覚悟が必要です。 私たちの世代が後世何万年にもわたる負担を押し付ける権利があるとは思えないのです。
また、福島第一原発の事故は将来にわたり低線量被曝による健康不安をもたらしました。 最近の調査によれば子供の甲状腺がんの発生率は他県の7倍との報道もあります。 驚いたことに、私の知り合いでも甲状腺がんを発症された方がいます。 年配のかたですが、大人の甲状腺がんの発生率は非常に低く10万人あたり0.05~0.1人/年という統計があります。 私も還暦を過ぎましたが、これまで甲状腺がんに罹ったなどという話は聞いたことがありませんでした。 しかしロシアのチェルノブイリの経験から事故後4~5年目から甲状腺がんが増えたことが明らかになっています。 大量に撒き散らされた放射能は絶え間なく放射線を四方に放ち人間のみならずあらゆる物を傷つけます。 この放射能が自然界にどんな影響を与えるかは今後検証されていくでしょう。 壮大な人体実験として・・・そして私自身もその一人として・・・。