無精髭

無精者の日記です

死の淵を見た男

2013-02-24 12:04:23 | 日記
 先日久しぶりに書店に行ったときに週刊誌を立ち読みしていたら表題の本が紹介されていました。 早速書店の中を探してみると幸いにして見つかったので早速購入しました。

 この本には「吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日」という副題が付いています。 吉田所長は原子炉の継続的な冷却に目処がついた頃に入院したとの報道があったので、何度も死を覚悟した原発事故の真っ只中で砕骨奮闘した末ついに力尽きたのかと暗然とした気分になったのを覚えています。 というのも朝日新聞の「プロメテウスの罠」でも吉田所長が危機的状況を理解しない? 対応できない東電本社の上層部を怒鳴りつけたことや、菅総理が現地にヘリで飛んで吉田所長に状況を聞いて「やっと信頼できる話が聞けた」と落ち着いたことなどが紹介されていたので、事故現場に腹の据わった指揮者がいることに期待していたのです。 

 私はこの本を開いて一気に読んでしまいました。 事故当初の1号機中央制御室の運転員が未曾有の大事故に遭遇してどう対処したのから、現場指揮の中心となった重要免震棟の中での吉田所長はじめスタッフの様子、事故に対応した自衛隊特殊部隊の動き、官邸と東電本社の対応など、が当事者からの取材によって生死の間で悩み行動した記録がつづられています。 

 もう1冊、こちらは官邸側からみたもので「原発危機 官邸からの証言」として当時の内閣官房副長官の福山哲郎氏がかいたものがあって一緒に買ってしまいました。 両方を読んでみると一層問題点が浮き上がってきます。 一読の価値ありです。