またうれしいニュースが飛び込んできました。
内閣官房参与の小佐古敏荘・東大大学院教授が、政府が決めた子供の許容放射線量 年間20mSvをとんでもなく高い数字として批判し、従来の国の基準であった年間 1mSvを守るべきだと主張、この高すぎる基準を変えようとしない政府に抗議し、「容認したら学者生命の終わりだ」と内閣官房参与を辞任しました。
小佐古教授は原発事故後に放射線防護に関する助言者として政府が内閣官房参与に任命したもので、政府は自ら指名した放射線防護の専門家の助言すら蹴飛ばして子供たちの被曝を黙殺しようとしています。
低放射線被爆について研究者の間で議論があることは確かで、TVで低放射線量被爆は体に良いなどと発言している医者もいるので、素人の私たちがいったい誰の主張が正しいかなどは歴史の判定をまつしか無いのですが、少なくともこれまでの国際的に認められてきたLNT仮説(Liner Non-threshold Theory)、「しきい値なし直線仮説」 ( 放射線被曝には薬のようにある量以下であれば安全であるという「しきい値」が存在せずいくら低線量でも受けた線量に応じた障害を受けるという説)をとるのが妥当ではないでしょうか。 またLNT仮説を否定している研究者も原子力関係の作業者は50mSv/年、一般公衆では5mSv/年以下では有意な発ガン確率が見られないといっているので、逆にいえば一般公衆では5mSv/年以上になると放射線の影響による癌の発生があるということです。
もし将来このLNT仮説が間違いで、子供たちの被曝を心配したことが杞憂であったとしても、「あんなことで心配してたんだ」と笑い飛ばせますが、いろいろ見解が違うからといって安易な方を選んで対策を怠ったら今度の悲惨な原発事故のように「認識が甘かった」では済まされないのです。
放射線防護の専門家が「子供たちにとって非常に高い被曝線量で、これを容認したら学者生命のおわり」とまでいって辞任しているのですから政府は社会的影響云々ではなく子供たちの将来にとってどうなのかを率直に科学的に説明し、父兄、国民の判断を仰ぐべきではないでしょうか。 地震や津波を甘く見積もり、水素爆発は構造上ないなどと菅総理大臣に助言してはばからない原子力安全委員会の検討結果をいつまで採用するのでしょうか? (いやその委員会でさえ子供は10mSv/年に抑えるべきとの見解でした。 政府の言う専門家の意見に基づいてとはいったい誰をさしているのでしょう??? まさかあの〇さんではないと信じますが。)
福島県は長崎大学大学院 山下俊一教授を放射線アドバイザーにしているようですが大丈夫なのでしょうか。 youtubeで氏の講演を聞いたのですが、「100mSv浴びても癌になるのは100人に1人。 日本人は100人のうち33人は癌で亡くなるのでそのうち一人が放射線の影響で亡くなるというレベルなんですよ。」なんておよそ科学者らしからぬお話をされています。 同じことをこうも言えるのではないでしょうか「人はみな100人100%死ぬんです。 そのうちの1人が放射能のせいでなくなってもいいんじゃないですか。」と。 また「福島市の人が20μSv/hの被曝をしていると言ってもマイクロシーベルトなので全く問題ありません。 積算被曝は人体には修復作用があるし放射能は半減期というものがあってどんどん減っていくから心配ない)と。 高濃度汚染が問題となり計画的避難区域に指定された飯舘でも山下教授は「全く心配ない」を連発していたとか。 専門家が全く心配ないレベルの放射線というのに住み慣れた故郷をはなれ、家畜を処分し避難しなければない村民の戸惑いはどうなのでしょう。 山下教授は心理アドバイザーにして、放射線防護は小佐古教授のような方のほうが安全安心のためにはいいと思うのですが・・・ 。
いずれにしても自らの専門的な知見に基づいてはっきり意見を述べ進退をきめるかたがまた一人現れたことは子供たちにとって、福島県民にとってうれしい限りです。 政府、県、各自治体は法律に基づいて子供たちを=私たちの未来を守るべきです。