朝日新聞によれば福島第一原発の粉じんが過去7回にわたって宮城県まで届いていたことを報じています。 先日の農水省や京都大学の調査結果につづき東大の研究チームの調査結果です。
2012年からすでに検出されていて、昨年8月は6.7mBq/㎥と通常の50~100倍の放射性セシウムが原発から59kmも離れた宮城県丸森町で検出されていました。
この調査を行っていた東大大気海洋研究所の中島映至(てるゆき)教授らはこの調査結果を農水省に報告していました。
詳細な調査データの複数の報告を把握しながら被災地や被災者に注意喚起することもなく、報道発表することもなくひそかに東電に注意をうながすなどの行為はとても許せるものではありません。 事故発生以来の官僚組織の事故対応には憤りを禁じえません。 気象庁は早くから放射性プルームの拡散予測をしていたにも関わらず、国内に隠ぺいし海外に流れた情報を外国メディアが報道して日本に伝わったり、長年調査していた放射能測定を中止させようとしたり、SPEEDIのデータを隠し、被災者の被曝線量測定をしないように全国の医療施設に周知したりとこの国の中枢の官僚組織はことごとく国民の生命を守る使命をかなぐり捨て、事故に対応しようとした現場の職員の行動を禁止したのですから驚くほかありません。
さらに驚きなのは、このような公務員の最大の任務である「国民の生命・財産を守る」ことを放棄した、いや放棄するように命じた幹部の処分が全くなされず、命令に背いて本来の業務を実施した現場の勇気ある職員が逆に処分されるという異常な状態です。
安倍総理は「国民の生命・財産を守ること」が最大の任務とばかりに特定秘密保護法や集団的自衛権などを着々と進めていますが、いったい彼の目に映っている国民の中に私たちの姿はあるのでしょうか。 中国や韓国でさえ大事故を起こして多くの国民に被害を与えた責任者は厳しくその責任を糾弾され、韓国では事故の最高責任者とされる人物は逃げ切れずに死体となって発見されたではないですか。 日本では原発事故の原因が安全神話に寄りかかった人災と認定されているにも関わらず誰も責任をとらず、検察も立件しません。
このままでは次に事故が起きてもまたまた国民は犠牲にされるでしょう。 現場の公務員は今回以上に委縮し動きが取れなくなるでしょう。 私たちは高い税金を払ってオオカミを買っているようなものです。