日本はスパイ天国と言われて久しい国です。 一方、アメリカとソ連(ロシア+・・・)はずっと冷戦のなかでスパイ活動を活発化させ情報戦争を闘ってきました。 近年でもアメリカでロシアの美人スパイが捕まったとかニュースになったのですが、私にとっては映画の中の話のようにしか聞こえませんでした。 平和ボケとでも言うのでしょうか。
しかし、問題はどちらのほうが社会にとって健全なのかということです。 ソ連は私たちのイメージでは民主主義のない抑圧された社会のように暗いものでした。 一方のアメリカは日本にとって目指すべき憧れの存在でしたが、実はとんでもない監視社会で個人の通話や私的な情報まで国家権力によってファイリングされるようなことが超法規的に行われている社会でした。 このようなアメリカの暗部についてはずっと指摘されてきたことではありますが、エドワード・スノーデン氏の暴露によって今日のアメリカによる諜報活動が、敵対国ばかりか同盟国の首脳さえが電話を盗聴されていることが明らかになりました。(一般の米国民でさえ例外ではありません) ドイツが米国によるメルケル首相の携帯電話盗聴疑惑に対して強く抗議したことは記憶に新しいところです。 驚いたことにはこのとき日本の菅官房長官は記者会見で「日本ではそのようなことはなかったと信ずる。」と発言したことです。 情報管理に神経をとがらし国家的諜報機関や秘密保護法を作ろうと必死の政権が、国家首脳の電話まで監視盗聴されていたことに対してなんという無神経さでしょう。 国民を欺くための方策としたら、さらに情けないお話です。 このような重大な違法の諜報活動にたいしてもこんな鷹揚な態度で臨む政府に情報を管理する能力などあろうはずがありません。 その政府が日本版NSCといわれる国家安全保障会議設置法案を衆議院で可決し、秘密保護法案が衆議院で審議入りしました。 そろりそろりと船出した安倍政権がいよいよその本性を露わにし徐々にスピードを速めています。 「はじめは処女のごとく、後には脱兎の如し」 脱兎になる前に止めねばなりません。
かつての米国FBIのフーバーは1924年にFBI長官に就任すると亡くなるまで長官を続けました。 8代の大統領に仕えたといいますが、時の大統領は彼を気に入って長官職につけたのではなく、むしろ彼を罷免しようとして果たせなかったのです。 暗殺されたケネディ大統領もその一人でした、この暗殺事件には謎が多くCIAやFBIの関与が強く疑われています。 情報収集を組織化し、いつでも検索できるデータとして蓄積することに成功した彼は犯罪者ばかりかどんな人間でも、集めた情報をもとに脅迫し支配したのです。 絶大な権力を握る大統領でさえ彼をFBI長官の座から追い落とすことが出来なかったのです・・・彼が死ぬまで。 世界に冠たる民主主義の守護神アメリカの歴史は民主主義の本当の敵は誰なのかを余すところなく私たちに教えてくれているのではないでしょうか。