無精髭

無精者の日記です

科学的な調査と情報公開、除染作業が急務

2011-06-19 17:38:34 | 日記

    津波による塩害で休耕田に生えたカヤツリグサ
    除草剤の効きも悪く放置すると耕作困難に

 

 放射能に汚染された田んぼ、米は大丈夫?

 福島第一原発事故による放射能汚染で30km圏内の水田はすべて休耕を余儀なくされていますが、南相馬市では30kmを超える地区でも休耕としています。  

 県の水田の放射能測定結果によるとセシウム134と137を合わせた線量が

福島市            2653 Bq/kg
二本松            1837
郡山              2406
白河               843
会津若松            258
南相馬市原町区      1043
いわき              486

という値になっています。  ただしそれぞれの地区でも数箇所で測定されているので詳しくはこちらで確認してください。   私の住む地区は800Bq/kgくらいです。   稲のセシウム吸収率は0,1ほどとされているので、収穫された米の放射線量はこの10%ほどですので、ここに掲載した地区の米は国の規準の500Bq/kgはすべてクリアできることになります。  しかしこの測定値は地表から15cmまでの土を採取して測定しているので地表で測定した値より低く出ているようです。  耕す深さも15cm~20cm程度なので妥当な深さなのかもしれませんが・・・。

 私も米は自分で作って食べているので獲れた米の汚染度がどの程度になるのか大変気がかりです。  小さい孫たちにも食べさせているのでこれまで低農薬栽培と有機質を含んだ肥料を使って出来るだけ安全な米をつくってきたのに放射能で汚染されてしまい、苦労して安全な米作りをしてきたこれまでの努力が水泡に帰した思いです。  先日ニュースで酪農家の方が自殺されましたが、「なんで早まって自殺なんか」という思いと長年かかってやっと築き上げたものを奪われた喪失感は共感できるものがあります。  大切な農地を世代を超えて汚染し続ける放射能に奪われてしまった農民はなかなか希望をみいだせるものではありませんし、そうでなくと農業は厳しい状況下でぎりぎりのところで頑張ってきたのです。  福島県のほとんどを放射能で汚染させ大地ばかりか私たちの人生までも壊してしまった原発を決して許すことは出来ません。  

  伊達市では除染チームを立ち上げ

 このところ伊達市では自前で地域の放射線濃度を細かく測定しています。  また独自に放射能除染チームを立ち上げると報道されました。  他の市町村でも伊達市につづいてもらいたいものです。  もう私たちは放射能から逃れられないのですから、じっくりと腰をすえて詳細に調査し、少しでも放射線被曝を減らし農作物の放射能吸収量を減らすために全力をあげることです。  市町村は「風評被害」などと言って具体的な調査や除染対策から逃げようとしているように見えます。  実際に汚染されていることは明らかなのですから「風評」だとか言って消費者に被曝を要請するようなことはやめて、正しい放射線量を公開しながら徹底的に除染作業を推進しそのための援助を国や国民の皆さんにお願いするほうが建設的で再建への早道だと思いますがどうでしょうか。  

 


NHKが中継しない「参議院行政監視委員会」

2011-06-12 00:33:28 | 日記

  なぜか竹の小枝が・・・相馬神社にて

 

 福島第一原発事故に関する参議院行政監視委員会で参考人として京都大学原子炉実験所助教 小出  裕章さん 芝浦工業大学非常勤講師 後藤  政志さん 神戸大学名誉教授 石橋  克彦さん ソフトバンク株式会社代表取締役社長 孫   正義さんが招かれました。   今一番知りたい原発の本当の話が聞けます。 

 権力闘争と足の引っ張り合いだけのようなNHKが放送する国会だけではなく、こんな興味深い議論も同じ国会でなされていたのですね。   ユーストリームで動画で見られます、夜見たら睡眠不足請け合いです (^^;


田中優さんの講演会が相馬フローラで13日18時30分から

2011-06-11 23:56:35 | 日記

           庭に咲いたばら

 

田中優さん(未来バンク事業組合理事長)の講演会が相馬市のフローラで開催されます。 ナピアハウスという健康食品などを販売しているところが主催していて入場料無料です。 田中さんは再生可能エネルギーなど幅広い角度から脱原発を主張していて興味深い話が聞けそうです。 社民党の福島瑞穂さんとの対談がYOUTUBEにアップされていますから見てください。 


「知事抹殺」 佐藤栄佐久著を読む

2011-06-05 17:57:14 | 日記



  中村城跡の紅葉の花



 前々回に前福島県知事 佐藤栄佐久氏の対談を見て彼の著書「知事抹殺」は是非とも読んでおきたいと思い早速購入しました。 どうやら彼は子供のころから反骨精神がおおせいだったようで小学校の時にストライキ(本人談)、高校では野球部の応援をさせない学校に腹を立て授業をサボって応援に行ったら3年生のほとんどが付いてきたとか、おもしろいエピソードが紹介されている。 大学は東大法学部、時あたも60年安保闘争真っ盛りではあったが栄佐久氏はノンポリだったとか。 しかしこの時代の息吹を存分に味わってきた彼の精神はしっかりと鍛え上げられていたのでしょう。
 
 2003年4月14日・・・・この日東京電力のもつすべての原発(福島10基、柏崎刈羽7基)が運転を停止した。 東電の全原発が停止した瞬間でした。 この原因は原発の度重なる事故と、情報隠しなど電力側の責任によるものですが、佐藤知事が県民を守る立場から電力や国の対応と責任を厳しく追及、改善をせまった結果でもありました。

 そもそもの始まりは1989年に東電第2原発3号機で起きた原子炉の冷却水再循環ポンプ内部に30kgにも及ぶボルトや座金の脱落事故でした。 事故は1月6日に警報が出て手動停止したものですが、実は前年暮れから3回もトラブルを起こしており当日も警報が鳴りっぱなしで7時間も運転を続けていたのです。 しかもこれら一連の事故はこの日まで隠し続けていたものでした。 

 ところがこの事故の情報は福島原発から東京本社、そこから通産省、通産省資源エネルギー庁から福島県、最後に地元富岡町にとどく有様。 県も富岡町も原発に対し何の権限も持たず、傍観してるより他無かったのです。 「目の前にある原発に、自治体は全く手が届かない」と知事が思い知った事件でした。 さらに事故説明に県庁を訪れた東電の池亀原子力本部長が「安全性が確認されれば炉心に流入した座金が回収されなくとも運転はありうる」と発言し自治体や県議会の猛反発をうけることになりました。 こんなことがあって佐藤知事は「同じ目には2度と遭うまい」と考え原子力発電や原子力行政について県としてエネルギー問題検討委員会を立ち上げ、多くの専門家、原発推進、慎重、反対など様々な立場から意見を求め、その開催数は30数回に及びました。 県民をないがしろに「国策としてブルトーザーのように強引に原発を押し進める」電力と国の原発政策と戦う理論武装でした。

 佐藤知事がこの大事故のとき現職だったらどのように行動したのかみたかったものです。 「知事は日本にとってよろしくない。 いずれ抹殺する。」といった東京地検特捜部検事のことば通り逮捕されることになりますが、この裁判の話もなかなか興味深いものです。 皆さんも是非一読されることをお勧めします。


救電力勢力の菅降ろし?

2011-06-02 00:45:05 | 日記

 国会の情勢が緊迫しています。  大震災・原発震災の対応が悪いという理由で自民党を中心に小沢・鳩山氏など民主党の一部を巻き込んで内閣不信任案が国会に提出され、成否は予断を許しません。

 震災に苦しむ数多くの被災者を尻目に権力闘争にうつつを抜かすこの事態にはあきれるばかりです。  いったい倒閣への錦の御旗はあるのでしょうか。  確かに私もこのブログでも原発震災の対応について批判してきましたが、問題の多くは現在の電力護送軍団を築き上げてきた自公政権にあります。  原子力村を作り上げ、批判するものを排除し、電力各社がいかに大金を原発に投入しようが投入した資金に比例した利益を保障し、立地地域の住民や自治体を札束で従わせてきた総決算が原発事故隠し、情報隠しの発覚、から今回の原発震災に至る道筋だったことは今や誰の目にも明らかです。  それは百も承知のうえでその責任を今の政府・菅総理に押し付けることには疑問を感じざるを得ません。

 倒閣の本当の理由はもっと別のところにあるのではないでしょうか。  政府は原発事故の賠償責任は東電にあるということを再三表明しています。  また浜岡原発の停止要請から停止へと一歩踏み込みました。  G8では再生可能エネルギーの20%までの拡大を表明しました。  さらにこれらを実現するために送配電部門の分離がまな板に載せられる事態に至っています。  これらの政策が実現に向かえば電力自由化の基盤がととのって自然エネルギー利用や電力の新規参入が本格的に進むでしょう。  そうなると金食い虫でしかも今後次第に運転停止に追い込まれようとしている原発や巨額の資金を投入しながら破綻した核燃料サイクルをかかえる電力各社は厳しい状況に追い込まれます。  

 今から10年前経済産業省で電力自由化が進められていました。  しかし電力側の巻き返しで形式的な一部の自由化が行われただけで、これを推進してきた経済産業省のプロジェクトチーム全員が左遷?の憂き目に遭いました。  電力自由化陣営の完敗でした。  もっともそもそもこの電力自由化が叫ばれたのは例によってアメリカの圧力でした。  アメリカのエネルギー卸売り会社がアメリカは元よりヨーロッパのエネルギー市場から日本まで触手を伸ばしてきたのです。  ところがこのエンロンが実業から虚業にはしりついに倒産し、それが日本の電力自由化までつぶしてしまったのです。   大きな政策のはじめも終わりもアメリカ頼みという日本らしいことの顛末だったわけです。  しかしこれによって日本のエネルギー政策は世界に大きく遅れをとることになりました。  再生可能エネルギーの進んだ技術力をもちながらも自国ではほとんど普及せずただただ自然エネルギーへの転換が進むヨーロッパのために日本企業は働くことになりました。  日本は原子力発電=高速増殖炉を中核とした夢の核燃料リサイクルの底なし沼に貴重な資金をつぎ込むことになりました。

 菅総理の提起は好ましい方向に向かっているように見えます。  しかし問題はその唐突な提起のしかたでしょう。   貿易自由化問題でもそうでしたが重要な問題がろくに議論もなく唐突に提案されてもなかなか理解できません。  大きな政治的問題については時間をかけてじっくり国民全体で議論するような方向に進まないといつまでたっても民主主義は形式だけで、国民そっちのけのアメリカの風向きしだいの自民党流政治がつづいていきます。  民主党は初心にかえって「国民のための政治、生活優先の政治」にもどるべきではないでしょうか。   それを主張しているのが小沢さんというのも皮肉ですが・・・・。