無精髭

無精者の日記です

県内外から7000人が参加した県民大集会

2013-03-31 09:06:11 | 日記




 3月23日に福島市のあづま総合体育館で開催された「原発のない福島を! 県民大集会」は県内および全国各地から参加者が駆けつけて、かつて避難民であふれたあづま総合体育館を再び人々でいっぱいに満たした。 前回は避難民として、今回は世界的原発災害を起こした原発に抗議し廃炉を求める人々の怒りで。

 3・11から2年、現地報告者からは何も変わっていない故郷と対照的に壊れていく家族や人のつながり、補償をめぐる分断と差別、長引く避難生活の苦しみ、増える災害関連死者などが報告されました。 しかしその中で小さな希望に向かって必死に生きていこうとしている姿に感動しました。

 今、安倍政権は原発震災後に民主党政権が作った脱原発に向けた施策を次々と形骸化させています。 また再び安全神話を作り上げようと着々と外堀を埋めています。
つい先日には再び外部電源喪失事故を起こし、使用済み燃料プールの冷却が29時間に渡って停止するというあってはならない事故が起こりました。 しかも報道発表は3時間も経ってからでした。 以前の事故隠し隠蔽体質そのままです。 しかもその電源喪失の原因が野鼠による電源盤のショートということで、ネズミの写真まで公開されました。 ネズミでショートしたならネズミは黒焦げになって飛び散ったかと思いきや、焦げた形跡さえ見られません。 大容量の電源盤が落ちるほどのショート電流が流れたとは考えられません。 漏電ブレーカが落ちたのでしょうか。 ますます疑念は深まるばかりです。 こんな東電に今後30年、40年とかかるだろう事故収束・廃炉事業をまかせていいのでしょうか。 湯水のように国民の血税が、作業者の命が浪費されていくのが悲しいです。

 話は変わりますが、東電は事故の主な原因は津波による全電源だと主張していますが先日のNHKスペシャルによると、もっと根本的な人的判断ミスやベントにかかわる複数の弁が非常時に動作しなかった可能性がしてきされているのです。
それはPHPから出ている「死の淵を見た男」でも現場の作業員が出来うる限りの試行錯誤をしながらも失敗を繰り返した様子が赤裸々に描かれています。 電源の無いところはバッテリーで、圧縮空気が必要なところには圧縮空気を送っていながら、ベントや冷却水注入に必要な蒸気逃し弁を動作させることが出来ませんでした。 番組のなかでは高温高圧の異常事態でこれらの弁が動作するかは確認されていなかったとの証言もあります。

 チェルノブイリ事故、米スリーマイル島の事故、9.11テロなどのたびに原発の安全対策が叫ばれながら、東電や原子力保安院、原子力安全委員会などはこれらの事故による新たな知見や警告を驚くほど無関心に無視しつづけてきたのです。 2006年にはすでに東電も保安院も津波による全電源喪失を認識していたし、東電の安全担当は地下に設置されている非常用ディーゼル発電機を見て、「津波が来たらひとたまりもありませんね」と話しているのです。 もっとも、原発問題の総元締めである原子力安全委員会の斑目委員長が国会答弁で「全電源喪失については考慮する必要はない。 そんなことを考えたら原発なんてやれないですよ。」と断言しているのですから無責任もここにきわまります。 事故後も電気料があがるから原発ははやく稼動させろと政府を恫喝しつづける日経連など経済団体も同様です。 この国の支配層には国を守るとか、国民を守るというのは自分たちに都合がいいときだけ、儲かるときだけで、あとは野となれ山となれ。 悲しい限りの非人間性です。 私たちはこんな人たちに子供たちの未来をあずけるわけにはいきません。


原発の再稼動を許すな!

2013-03-07 07:42:14 | 日記


 原発震災からもう2年がたち、政権が変わって安倍ノミクスの原発版は電力各社と財界の要請に応える原発再稼動です。 あの人々は日本全体を危機に陥れた原発事故を忘れてしまったかのようです。 先日環境省の中央環境審議会の委員から脱原発派の委員が排除されてしまいましたし、経済産業省はエネルギー基本計画をまとめる有識者会議から脱原発を主張する委員を排除している。 つまりとんでもない大事故を起こし、いまだに事故の収束さえ見通せない現実を尻目に着々と以前の原子力村の再興に突っ走っているのです。 民主党政権にもあきれましたが少なくとも原発廃止の目標を掲げていました。 自公政権は口では慎重な姿勢をアピールしていますが、やってることは全く逆です。 事故現場では高い放射線量のなかで数千人の労働者が被曝労働を続けています。 このままでは作業できる人材も尽きてしまうでしょう。 溜まり続ける汚染水はまもなく福島第一原発の敷地をタンクでうずめてしまいます。 続発する地震のなかで応急処置でごまかした原発の再開は第2、第3の原発事故を引き起こしてしまうでしょう。 幸いにして事故を免れたにしても、大量につくりだされる核廃棄物は子供たちに大きな負担を押し付けることになるでしょう。 除染の仮置き場さえままならないのが現実なのですから、原発再開を求める財界は自分の工場や会社の敷地に核廃棄物を引き受ける覚悟をもって発言してもらいたいものです。 いつまでも福島県が原発の負の遺産を引き受ける訳にはいきません。

 この集会で「NOモア原発」の意思を全国に発信しましょう。

動き出した瓦礫焼却施設

2013-03-05 10:00:48 | 日記


 相馬市光陽の工業団地に建設中だった瓦礫焼却施設がこのほど完成し2月20日から本格的に運転を開始しました。 上の写真はその全景で炉は3基あり右端の炉が最も大きくIKE社製(IHI環境エンジニアリング)です。 他の2基はこの事業を受注した株式会社タクマ製でしょうか。 瓦礫は相馬市の約15万トンと新地町の約2万トンで計17万トン、1日570トンの能力で来年の3月までに焼却するそうです。 (写真の左端の大きな煙突は共同火力のものです。)




 瓦礫は木材とその他に分けられ木材はIKEの炉で燃やすそうです。 写真はホイールローダーで瓦礫を焼却炉へ投入している様子。





 焼却灰には当然セシウムなどの放射能が濃縮されて出てきます。 さすがに作業員は防塵マスク使用の白装束で作業されていました。 試験操業で測定の結果は8000ベクレル以下であったとか、焼却炉にはバグフィルターという工業用集塵機が取り付けられていて650℃で気化したセシウムをバグフィルターを通す前に200℃まで冷却して灰などに吸着させ90%以上のセシウムを回収できるということですが・・・。




 焼却灰の処理は袋詰めしてテントハウスに貯蔵、この放射能に汚染された焼却灰の行く先はあるのでしょうか?  沖縄の米軍基地同様危険な嫌われ者がいつまでも居座ることにならなければいいのですが。 瓦礫の処理は放射能を全国に拡散させる広域処理などはもってのほかで現地で仮設焼却炉を造って処分するほうが結果的には安上がり(建設費40億円)で現実的だと思いますが、放射能の管理と最終処分についてはしっかりやってもらわねばなりません。