無精髭

無精者の日記です

東電-この企業に良心はあるのか

2012-06-30 08:12:53 | 日記
 6月20日に東電は福島第一原発事故調査報告書を発表しました。 しかし驚くべきことに事故の原因を「想定を超える」巨大津波のせいにしてしまいました。 そればかりか菅首相をはじめとした官邸の動きを過度の介入によって事故の対応を遅らせたなどと政府の対応を批判しています。

 東電さん、いい加減にしてください。 地震の件も津波の件も裁判や国外国内の事故が起こるたびに各方面から指摘され、自身も社内で検討された問題だったのではないですか。 以前にこのブログでも取り上げた、新潟柏崎原発の地震被害事故の後に設けられた地元の方々を入れた情報交換のための委員会でも何度も地元委員が指摘してきた問題なのにうやむやにしてきたのはあなたたちではありませんか。 もはや今度の悲劇的事故は人災であることは誰の目にも明白です。
まして事故以来の東電の態度はこれまでの隠蔽体質が全面にでて、いったい福島原発で何が起きているのか官邸でさえ把握できない状態だったのですよ。 菅首相が乗り込まなかったらあなたたちは何をしていたかと思うと背筋が冷たくなります。

 そしてまたまた問題になっている、事故をめぐる東電幹部がやり取りが収録されているテレビ会議システムの記録が公開されないというのです。 おまけに、一部報道されている菅首相が現地対策本部に乗り込んで話をしている場面では音声が収録されていないというのです。 「録音をわすれた」とか・・・他の部分は録音されているのに。 事故時の重要なやり取りが公開されれば福島原発事故の原因解明に大きく寄与することは間違いありません。 事故解明を恐れているとしかおもえません。

 東電は民間事故調査委員会の調査を拒否しました。 国会事故調査委員会の調査には応じていますが、清水社長や勝俣会長の発言からはあれだけの大事故を起こした会社の責任者としての自覚があるのかと疑います。 福島県の大部分と全国にまたがる放射能汚染を引き起こしながら、ゴルフ場の損害補償を求める裁判において、「空から降ってきた放射能は無主物である。 したがって東電には責任がない」との主張をしたのにはさすがにビックリしました。 東電はほんとうにそんな風にこの事故を考えているのでしょう。
政府は実質国有化という道を選びましたが、間違いでなかったことを祈るばかりです。

 原発震災に被災した私たちは大切な身の回りの自然を奪われてしまいました。 年老いた母が苦労して作ったジャガイモを収穫してもうれしくありません。 以前はひ孫たちを呼んで茹でて食べたり、持って行って喜ばれたものです。 それが今では「とりあえず役場に持っていって測ってみよう」ということになります。 長年野菜づくりをしてきた母にとってどんなにか悔しいことでしょうか。 隣のうちには竹やぶがあって毎年いただいていましたが、今年は断りました。 たけのこは線量がたかいのです。 田んぼの畦には野蒜が自生します。 たんぼの水掛けや草刈にいくと見つけて味噌をつけて食べていました。 今は雑草と一緒に刈り取ってしまいます。 日々の小さな楽しみが奪われているのです。 避難されている方は言うまでもありませんが汚染された地域に住む私たちは未来にわたって希望や喜びを奪われているのです。 この罪の重さを自覚していただきたいのです。






再び捨てられた思い-大飯原発再稼動

2012-06-09 06:30:57 | 日記
 8日野田首相は関西電力大飯原発の3,4号機の再稼動を表明した。  結局福島原発の大事故を経ても国民の安全より経済が優先されてしまうようです。 しかも「国民の生活を守るため」再稼動が必要だという。  住み慣れた土地を放射能で汚染され故郷を追われて避難生活をしている何万人もの声をどう感じているのでしょうか。 汚染された福島県をはじめ広範に及ぶ放射能汚染に苦しむ国民をどうしようというのでしょう。

 安全保安院は福島の事故を受け再稼動を判断する基準として30項目の安全基準を定めました。 しかしこの30項目は原子炉溶融回避のための限定的な暫定規準で、これで今後必ず起こると想定される大地震に耐えるものではありませんし、まして国際基準となっている5重の安全基準からはかけ離れたものです。 何がもっともかけ離れているかといえば、地域住民の安全確保にかんする対策がすっぽりと抜け落ちている点です。 そればかりか、大飯原発に「GO」サインをだしたのは4大臣による規準でそれは先の30項目のなかのすぐに対策できる15項目に絞ったものでとても安心などできるしろものではありません。  このことは先に紹介した「国会事故調」を見ていただくと一目瞭然です。
黒川委員長はこの首相表明に「事故調の結論も出ていない中でなぜ再稼動なのか!」と怒りを表明しました。 

 「国民生活を守るため」、「全電源喪失しても安全を確保できる」などとまたまた国民をばかにした態度には憤りを抑えることが出来ません。  明日にも大地震が起こるかもしれないのについ最近の新潟中越地震での柏崎刈羽原発事故レベルにも耐えられない規準なのです。 福島原発事故では事故対応にあたって免震重要棟が対策本部拠点として重要な役割を果たしました。 これは中越地震の教訓から新設されたものでした。 かろうじて間に合ったのです。 柏崎刈羽では会議室が使えず駐車場にホワイトボードを持ち出して対策本部にしたのです。 放射能がでたら全員逃げるしかなかったのです。 大飯原発はというとまだ免震棟はないのです。 制御室の隣の会議室を使うとか言っているのですが、福島原発では会議室など破壊され青空がみえる状況だったのです。 避難対策のセンターとなるオフサイトセンターはどうでしょう? 福島では停電で情報機器は使えず、原発から近かったことや放射能を遮断できるつくりにはなっていなかったため、保安院の職員はじめメンバーは早々と福島県庁に逃げ出したのです。 では大飯原発はというと全くなんの対策もありません。 これでどうして安全などといえるのか国民誰しも納得などできるものではありません。 万一事故がおきたら破滅的被害が起こることは周知の事実なのに再稼動に突き進むなどはもっての外です。 最低でも住民を安全に避難させる対策が取られなければなりません。 これは国会事故調でも問題になりました。 安全保安院の態度は「国際基準の多重防護からすれば不十分だが、原子炉破壊を防止するために福島事故の技術的知見に基き多重に対策をしたので原子炉破壊に至らない。」との態度なのです。 これって事故前と変わりないのです。  電源車や注水車を配置さえすればいつでもちゃんと動いてくれることになっているのです。  この人たちの頭の中には放射能に怯え逃げ惑う国民の姿などどこにもないのでしょう。  「あなたは規制機関の委員長なのですよ」と安全を守る立場のトップの自覚を促した国会事故調の黒川委員長の声がまた聞こえてきます。


金星の太陽面通過 

2012-06-06 19:18:42 | 日記


 今日は金星の太陽面通過があるのでそれなりに準備をしていたのですが、朝から雲が厚く、金環日食の時のようになんとかなりそうな雰囲気もありません。 一応偶然の晴れ間を期待して撮影の準備はしたものの気休めです。 ネットで近県の予報も調べたのですが東北は全面的に曇り、衛星写真だと台風の腕の隙間があるので一部では日照がありそうなものだが今の観測地も腕の隙間なのにこの雲なので、あきらめて他の仕事を始めたのですが、11時半ころになってわずかに木漏れ日が・・・急ぎ家に戻って撮影したのですが撮れたのはこの1枚のみしかもピントが雲の流れに邪魔されてはっきりつかめないままのシャッターでした。




目の前には船岡公園これで天気さえよければ最高なんですが・・・・





 一度はあきらめた撮影でしたが、空をみれば彼方に青空が・・・しょうがない青空ハンターするっきゃないか、と機材を積んで青空求めて出発と相成りました。  とは言っても午後1時頃には終ってしまうのでぎりぎり1時間以内の場所ということになります。
 割合近くに見える青空なのですが近づくといつの間にかまた遠くに行ってしまいます。
どうやら高層の雲と低層の雲があって斜めに見上げると青空が見えるのに近づくと低層の雲にさえぎられてしまうようです。 とはいっても、青空が見えるだけの雲の切れ間があるわけで運がよければ太陽の顔を拝めるかも知れないと期待をこめて青空の下だったはずの船岡まで足をのばした結果がこの写真。  やはり雲が一面に空を覆っていましたが、ときおり雲が薄くなったときに撮影できました。 もうずいぶんと右端に寄っていました。





 太陽のふちに接触した瞬間がほしかったのですがあいにくこの後すぐに雲に覆われてしまいました。






 金星の半分が残っています。  そして完全に金星のくぼみが見えなくなったと思われたころに雲がどんどん薄くなって太陽がぎらついてきました。  なんで今なんだと皮肉な神のいたずらに地団駄ふむのでした。  残念。



国民の安全など想定外の安全保安院-国会事故調

2012-06-02 09:28:26 | 日記
20120418 第9回 国会事故調(東京電力福島原子力発電所事故調査委員会)


{YOUTUBE動画は削除されているようです。国会事故調の報告サイトには文書も動画も保存してあり公開されていますからこちらからご覧ください}

 国会事故調が「YOUTUBE」で報告されています。 委員会のすべてが録画されているので長時間におよぶものですが、これをみると参考人や政府を含めた関係団体・組織の考え方がよく見える。 この第9回は安全保安院のトップ深野氏の参考人質疑です。

 驚くべきことは、福島原発の事故後においても彼らは相変わらず地域住民や国民の安全などは蚊帳の外に置かれているという現実です。

 福島原発事故を受けて保安院が出した30項目の技術的知見は事故の原因を津波に限定したばかりでなくその内容には今度の事故で住民被曝を拡大した避難対応、役に立たなかったオフサイトセンターなど肝心な対策はいずれやるという態度です。
「多重防護は設備面で何重にも対策する」という深野氏の発言には唖然としてしまった。 事故前と同じじゃんと思ったのはわたしだけではないでしょう。

 政府は4閣僚でこの不十分な30項目の技術的知見をさらに15項目まで減らして原発の再稼動を容認しようというのだからあきれてしまう。
武田教授が何度も言っているように「この国には原発事故から国民を守る組織などはないですよ。」 ということを改めて納得してしまう。

 中越沖地震を機に出された耐震バックチェック調査はいまだに終了しておらず、福島原発も実施されていなかった。 想定外の地震が発生した知見も形だけの指導だけに終っている。 結局耐震に関しては日本では数十年前の規準で運用されているのです。
事故の対応でアメリカのロボットを借りて建屋の内部の撮影をしたという記事を以前に書きましたが、あれだってロボット工学、技術では世界トップクラスの日本だったはずです。 案の定日本でも数十億円の血税を費やして作業ロボットを開発していたのですが、電力側は、必要ない、役に立たないと切り捨てせっかく開発した数台のロボットは大学の研究用に1台残されただけですべて処分されてしまいました。

 チェルノブイリの事故の時には炉の形式が違う、人為事故だとしてあの時に原発事故は数百キロに及ぶ汚染地帯が発生すること、数十万から100万人にも及ぶ避難が必要になる可能性があることなどは全く無視されたし、9・11の米国のテロ後にアメリカは原発のテロ対策として全電源喪失の対策、操作訓練などを日本にも警告していたのにこれも全く無視されたのです。 その結果事故当時の運転員は真っ暗なコントロールルームで分厚いマニュアルを探るような羽目になったのでした。 アメリカでは手動での弁の操作などまで訓練されていたのに日本ではそのメカニズムさえマニュアルだよりのお寒い状況だったのです。

 いよいよ大飯原発の再稼動が現実的になっていますが、福島原発事故で司令塔となった免震棟もない、オフサイトセンターも改善されていない、すぐに出来る項目だけに絞った4閣僚規準だけで、明日にも起こるかもしれない大地震に原発は耐えられるとはとても思えません。  福島原発の事故の検証もままならない中見切り発車してまた福島の悲劇を繰り返すのでしょうか。
国会事故調の参考人である関係者の発言からは国民の生命・安全を預かっているんだという責任感がまったく感じられません。  黒川委員長も安全保安院院長の深野氏にたいして「あなたが規制当局の最高責任者なんですからね」と強くたしなめた言葉が印象にのこりました。