犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

フィリピン便り~道路事情

2020-01-04 23:02:20 | フィリピン
 バギオは、米西戦争の結果、スペインからフィリピンを奪ったアメリカが「避暑地」として開発した土地。

 マニラからバギオに通じる道の建設に、日本人移民が関わったということについては、以前書いたことがあります(リンク)。

 その道は、ケノン道路という名称で、今も利用されています。

 ところで私が学習したフィリピノ語の学習書(白水社『ニューエクスプレス フィリピノ語』)に、バギオに関連するスキットがありました。

A:バギオに行く道は怖くないですか? 去年、バスが谷に落ちたと聞いていますが。

B:そのような事故は、もっぱら雨期に、たまに起きることです。


 この本が出た2010年頃に、そのようなバス事故が起こったのではないかと検索してみると、こんなニュースがありました(リンク)。

2010年8月18日
フィリピン北部ベンゲット州バギオ近郊で49人が乗ったバスが谷に転落し41人が死亡した。転落前に車外に飛び降りた車掌によれば、バスが山道を走行中にブレーキがきかなくなり、運転手がバスをマンゴーの木にぶつけて止めようとしたが、うまくいかずに転落したとのこと。


 これは犠牲者が多かった事故ですが、もう少し小さい事故なら、日常茶飯事といっていいくらい、ネット上にたくさん出てきます。語学の学習書にも取り上げられるような、「転落事故の名所」なのでしょう。

 実際、今回、私たちはクラーク空港からバギオ、バギオからイフガオのキアンガン、キアンガンからフンドゥアンという町を行き来したのですが、どこも箱根ターンパイクか、日光いろは坂か、というような、急峻なワインディングロードでした。

 ところどころ、土砂崩れのあとの土砂が片付けられていなくて、片側通行になっていたりします。また、しばしば家畜を乗せたトラックや、人間を満載したジープニーなどの低速走行車がいて、後ろの車は、見通しが効かないにもかかわらず、対向車線にはみ出して追い越しをかけ、対向車が来て危機一髪で衝突回避、なんてことがしばしばある。事故が起こって当然です。

 日本では、トンネルを作るはずのところを、資金の問題か、技術の問題か、トンネルは少なく、迂回路を作るため、直線距離では短いのに実際の道のりは長く、時間もかかります。

 運転者も神経を使うので、ときどき見晴らしのいい場所に車を停め、休憩。

 いっしょに乗っていたダニエルの妹(10歳)は、車酔いで何度も吐いていて、かわいそうでした。
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